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第47話
「これだったな」
絵本は子供向けの読み物として雑に置かれていた。
元々は地方にある民話だったそうだ。
それを絵本に合うように少々書き直したという話を聞いたことがある。
筋は昔聞いたのと変わらない。
魔法で魔物へ変えられてしまった心優しい青年が、さまざまな困難に立ち向かいつつも、最後には倒れてしまうというものだ。
人は本当に助けて欲しいときには助けることはないとか、学校の先生が言っていた気がする。
その最後のシーンが、あのときに見たものとよく似ていた。
それを思い出したのだろう。
「でも、あくまでも物語であって、ほとんど創作ってことじゃないの。これはこれで泣く子もいたけれど、これがそのままそうなんだとは思えないなぁ」
グリーモルが頭を軽くかきながらも疑問を呈する。




