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第38話
「しばらく黙っていて」
ミラーディに一瞥すると、再びトールムはモンスターへと向かう。
ふぅ、と一息ついてからキッと見た。
モンスターが振り上げた腕は、ふらふらとしていてどこへ落ちてくるかわからない。
だがそれを無理にでも抑える術をトールムは知っていた。
「風の精霊よ、風の精霊よ、風の精霊よ。我に力を与えた前。願わくば、振り下ろされるその腕、我らと異なる場所へと落ちん」
叫ぶと同時に、ふらふらとしてた腕はゆっくりと落ち始める。
そして誰もいないところへと振り下ろされると、ドシンと激しい振動と土煙が舞い散った。




