37/75
第37話
声の正体はミラーディだった。
きれいな、ハープのようなその声は、何かを癒すためによく使われると聞いたことがある。
だが、その声がモンスターへと届くことはない。
その前に気づいたトールムが沈黙の呪いをミラーディにかけたためだ。
「闇の精霊よ、闇の精霊よ、闇の精霊よ。我に力を与えた前。今唱え奉りしこの声を、その主の響きもろともに、消したまえと申すモノっ」
杖をミラーディへ向けると、黒い霧のようなものが杖崎から噴き出して、それがゆっくりと円を描きながらミラーディの口元を覆うように膜ができた。
それで声は止んだ。




