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第36話
トールムは杖を懐から取り出して、モンスターへと向けた。
「火の精霊よ、火の精霊よ、火の精霊よ。我に力を与えた前。眼に座す我が敵を、その怒りと共に焼き払え」
杖の先に少し赤みが灯ると共にどんどんと強さを増していく。
そして、それは一筋の光となり、一気にモンスターの腹部へ向かっていった。
なんとも形容できない、粘着的な音をあげて、モンスターの当たったところは綺麗に削り取られる。
「やったか」
だがモンスターは倒れることをよしとはしなかった。
その腕を振り上げて、俺らの方へと攻撃を仕掛けてきた。
「ハッハッ、やっぱしこうでなきゃな」
後ろでグリーモルの声が聞こえてきたが、それ以上に、何か印象的な声が響いてきた。




