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第27話
「じゃあ行くか」
俺がみんなに声をかける。
今日はまだ始まったばかりだ。
拠点を作ったからといって、出撃しないことには敵情もつかみきれない。
「おう」
すぐに返事をするのはグリーモルだ。
そのすぐ後ろでは周りに結界を貼って、俺ら以外がここに立ち入らないようにしているトールムの姿も見える。
イシーラは身軽な格好になって、すぐに弓が使えるように道具を準備していた。
そして拠点を出ようとするとき、うしろから気配を感じた。
「……あれ?」
気づいたのはトールムだ。
ついてきていたのはさっきまで床で眠っていたミラーディだった。
「俺らを気に入ったのか?」
「そんな、ほかの人にはなつかないって、さっき言ったでしょ」
笑いながら言ったグリーモルに、トールムが突っ込む。
「とはいっても、いうこと聞かないだろうから。ほっといて俺らは先に進むぞ。敵情視察をしてから、機会があれば倒しに行く」
「了解」
すっと全員の気配が切り替わる。
それは、俺を含めてだった。




