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目覚めた公爵令嬢は、悪事を許しません  作者: トモブー
あなたを愛するのに疲れました
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七夕祭り9

日が大分落ちてくると、祭りに来ていた人々が紙風船を持ち、川の方へと移動し始めた。夏の日差しが終わり、日が陰ると、風は少し熱を帯びながらも汗を気持ちよく乾かしてくれた。

「そろそろ、私達も行こうよ」

輪投げに夢中のカレンの肩を叩いた。

「帰りがあまり遅くなると心配されるわ」

「まあ、確かにね」

名残惜しそうな顔で私ではなく、ザンを見た。

「ダメよ、カレン。ザンにお願いするのはずるいよ。もし何かあったら怒られるよりも、私が嫌な気分になるもん。ほら、早く投げてよ」

うう、と残念そうに持っていた最後の1つの輪をえい、と、投げた

もちろん入らないから、ムッとした顔になるとお店の人を睨み出した。

「カ・レ・ン!」

黙って!!

腕の裾を持って睨んだ。

「うっ・・・まだ、何も言ってないわよ。そんな怒んないでよ」

お店の人にお菓子を貰うと急いで、クルリの後ろに隠れた。

「ほら、行くよ、カレン、フィー」

「うん」カレン

「ああ」フィー

「スティングってさあ、少し厳しくない?スティングに睨まれたら怖いのにさあ。分かってるのかなあ」

きこえてるわよ、カレン

「違うだろ。カレンが悪いんだろうが。自分が下手くそなのに上手くいかないからって、八つ当たりしてるからだろうが」

その通りよ。

後ろから歩いてくるカレンが、ぶつぶつ言っていた。

「何言ってんのよ。当たり前でしょ?帝国皇女なんだよ?便宜計って当然でしょ?」

もう!便宜図って貰うとこ、そういう時じゃないでしょ。

「出来るわけないだろ。ここが帝国でも露店で便宜計ってもらうなんて、聞いたことが無い。それってずる、だろ?楽しくないだろうが」

その通りよ。

「ええ!?上手くいかない方が楽しくないわよ」

「カレン、煩い!黙って歩いて!!」

「ひえっ!」

振り向くと、泣きうな顔して、また、急いでクルリの後ろに隠れた。

「カレン様は少しおふざけを言いたかっただけですよ。本気で言ってませんよね、カレン様」

ぷッ、と笑うクルリにこくこくと頷いた。

「勿論よ。そんなずるっこす、本気でするわけないじゃん」

「どーだか」

「黙んなさいよ、フィー」

「はいはい。スティングがいなかったら、好き放題してるくせに」

「フィーも、それ以上やめてよ。人も多くなってきてら目立つでしょ。それに私はハズレで貰うお菓子の方が好きだわ。見た事ないお菓子ばっかりだもん」

「さすが、スティング。手馴れた言い方だな」

「違うわよ、フィー!スティングはあんたと違って素直に喜んでくれてるのよ」

「はあ!?お前が素直にハズレで喜んでなかったんだろうが!?」

「そう見せてるだけよ、引っかかったわね!」

「本気だろうが!」

ああもう・・・煩い・・・。

結局少し離れて、2人をなだめ、やっと落ち着いた所でクルリが皆に1つずつ紙風船を渡してくれた。

川に方に歩き出すと沢山の人が同じ方向に向かっていた。

紙風船を流す時間は17時以降なら何時でも流せるが、日が落ちきると街はライアップされ幻想的になると聞く。

そんな景色の中、蛍光塗料が塗られた紙風船を川の中に流すと、まるで流れ星のように煌めき綺麗だろう。

本当ならそうしたかったが、このお2人を護衛のいつも以上に少ないこの状況で、遅い時間まで連れ回す訳にもいかない。

現にザンの気迫が鋭くなってきている。

今度来る時は、もっと準備万端で来よう。


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