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目覚めた公爵令嬢は、悪事を許しません  作者: トモブー
あなたを愛するのに疲れました
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放課後

「ごきげんよう、ヴェンツェル公爵令嬢様」

「ごきげんよう、また明日」

「ごきげんよう、また明日。ヴェンツェル公爵令嬢様」

「ごきげんよう、また明日」

いつものように、社交辞令かのような挨拶が続く。

でも、週末の事があったせいか、王妃派からの挨拶が増えた。

でも、探るような目。

分かりやすいわね、王妃様。

「帰ろうよ、スティング様」

「はい、カレン皇女様」

微笑み席から立ち上がると、いつの間にかフィーが私の鞄を持っていた。

コソッと言う。

「私、自分で持つから渡して」

「いいよ。荷物持ちは男の役目だろ?」

さり気なく言う、言葉がかっこいい。

「・・・凄いかっこいいね」

「え!?」

可愛いくらいに真っ赤になり、また、それが素敵に見えた。

殿下はレインが今日は早く迎えに来たからさっさと帰って行った。

それと今日から違うご友人がついていた。勿論王妃派で、抜かりなく王妃様お気に入りの家柄のご子息だ。あの二人は転校した、と聞いているが、詳細の説明はなかった。

どのような処分になったかはまだ分からないが、お父様に聞いたら分かるだろう。

「帰りましょう」

「うん」

「そうだな」

教室を出で、すぐに前に立ち塞がる人がいた。

クレス・レテル子爵のご令嬢。2つ下の1年生だ。

勿論、王妃派だ。

「ごきげんよう」

「・・・ごきげんよう」

「スティング様、少し宜しいですか?」

にこやかに言いながらも、私よりもフィーとカレンを気にしている。

「何でしょうか?」

「今週末の私のお茶会にご参加頂きありがとうございます。スティング様とフィー皇子様とカレン皇女様が大変ご親密だと聞きまして、勿論、フィー皇子様とカレン皇女様にはそのお話をされているかと思いますが、本当に参加頂けるのか、失礼ながらも確認の為参った次第です」

そう言えばそうだったな。今週の土曜日は殿下とのお茶会ではなく、この方のお茶会に招待されていた。

いつもながら、王妃派のお茶会はいつも土曜日。おかげで、殿下とのお茶会が減ってしまう。

しかし、何処から親密だと話が流れているの?と質問したくなる。

確かに友達にはなったが、誰もそれは知らない。

本当に分かりやすいわね。王妃様から、大袈裟な情報が流れていると証明しているようなものだわ。

それも、私がお2人をあなたのお茶会に来るように薦めてる?

考えられないわ。

冷静に考えればレテイル子爵程度の家が皇族に関わる何て有り得ないのに、この家は王妃様のお気に入りだから、特別だと勘違いしているのだろう。

本当にわかり易いわ。

つまり、私が何処まで親密か確認したいのだ。

「聞いてないけど、私達」

カレンが食いつくように聞いてきた。

何か・・・嫌な感じで聞いてるな。

「あらあ!そうなんですね。もう、スティング様ったらいつ言い出したら、と、考えて下さっていたのですね。そうでなければ、親密な関係なら、必ずお茶会を教える筈ですものね」

はあ?

考えてませんし、私自体が参加したくないと思っています。どうしたらそんな解釈ができるの?

「それでしたら、フィー皇子様とカレン皇女様に是非、私のお茶会に参加して頂きたいのですか、いかがでしょうか??」

「勿論よ。スティング様が、誘われているお茶会があれば全部御一緒に参加したいわ」

・・・カレン。

私、とても嫌な予感しかしない言い方に聞こえるのだけどね。

「まあ!!是非、御一緒にお願い致します!!皆様喜びます!!」

大袈裟に大声を上げ、嬉しそうに言った。周りが何だろう、と興味深気に振り向いていた。

「私の様な者のお茶会に参加して頂きありがとうございます!!」

わざわざ、大声で言った。

「そんな事ないわ。あなたの言うようにスティング様と私達は親密な仲だもの。それなら参加して当然よ」

「やはり親密な関係でしたのね。では、これで失礼致します」

意味深な言葉と微笑みに、とても納得したように去っていった。

「気づかないのかしら。ご自分の紹介を出来ていないことを」

「さすがスティング。抜かりないなあ」

「つまり、覚えて欲しくない、と教えてくれてるんだろ?さ、帰ろうぜ」

「うん。今日もスティングの家に行ってもいい?」

「いいわよ。ケーキ作ってるから一緒に食べようよ」

「今日は何?」

「チョコチーズケーキよ」

「楽しみ」

「俺も」

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