今季アニメについて語るじいさん
ここはあべこべ村。
村の北のほうには、裕福な人が住んでそうな大きな一軒家がありまして
そこにはガキじいさんとベイビーばあさんという老夫婦が仲良く暮らしておりました。
ガキじいさん「婆さんや、もしもワシがチェンソーの悪魔としてデビルハンターになって戦う宿命になったとしたら、婆さんはそれでもワシの妻で居続けてくれるか?」
ベイビーばあさん「あらあらおじいさん。昨日夜遅くまでPCでアニメのサブスクを観ていると思ったら、今季アニメにハマってますね?」
ガキじいさんの自室のPCはネット環境もバッチリだ。
そして、アニメ大好きなガキじいさんは今季アニメ『チェンソーマン』を見て主人公のデンジと自分を重ねていた。
何かを見ると自分を投影しやすいタイプなのだ。
ガキじいさん「ワシはばあさん一筋じゃから、マキマさんとエロエロなことをしたいっていうのはモチベーションにはならんがのぅ。しかし、愛するこの村や家族を守るためならば…デビルハンターとして戦うことになるやもしれん」
ベイビーばあさん(そもそも、この間の健康診断でちょっと尿酸値が高めって出てましたから、悪魔に血を飲んでもらう前に深夜のビールを控えたほうがいいような……)
ガキじいさんはベイビーばあさんの手をガシっと握り、真剣なまなざしで続けた。
ガキじいさん「そうじゃ…ワシらも有事に備えて、もう一人か二人…子供を作っておこうじゃあないか!そしたらワシが悪魔狩りに行っている間も子供たちがばあさんを守ってくれ…あだっ!」
そこまで言ってようやく、ベイビーばあさんが手にしていた調理用おたまでポコっとじいさんの頭をたたく。
ベイビーばあさん「朝食が冷めますよ。おじいさん。今日はおじいさんの大好きな鮭茶漬けです」
ガキじいさん「ぬぉおおお~~~~~~~!やったぁーーーー!!
飲んだ次の朝の鮭茶漬けは最高なんじゃあぁああ~~~~!!!!!★★★★★」
ガキじいさんはピョンピョンと小躍りしながらダイニングへ向かった。
そんな無邪気なじいさんの姿を見つめながら、ベイビーばあさんはニッコリと微笑む。
ベイビーばあさん「もう、孫が5人もいるおじいさんだというのに、ほんとうに子供みたいな人ですね。でも、そこに惚れたのですけどね」
朝食を囲んだ二人は、今日もたわいない会話に花を咲かせていた。
家の外では、白き龍と赤き龍が二人の老人の会話を盗聴していた…。