バター醤油ご飯
ここはあべこべ村。
村の北のほうには、裕福な人が住んでそうな大きな一軒家がありまして
そこにはガキじいさんとベイビーばあさんという老夫婦が住んでおりました。
ガキじいさん「婆さんや、バター醤油ご飯を知っておるか?」
ベイビーばあさん「まぁ、ごはんにバターでも乗せるんですか?ハイカラな食べ方ですこと」
ガキじいさん「ワシらもやってみんか?ほら…ちょうど、隣のハチも交えてハッスルしたときのバター、まだ冷蔵庫に残っとるじゃろ?」
ベイビー「ええ残っていますけれど、おじいさん気を付けてくださいね。この小説は全年齢なんですよ」
ガキじいさん「おぉそうじゃったそうじゃった。それじゃあ早速冷蔵庫からバターを出して…と」
ベイビー「あらあら……ご飯が炊けてからでも良いのに…♥」
食いしん坊なガキじいさんの様子を見て、ベイビーばあさんは母性と恋心をキュンと刺激されたようだ。
するとそこへ…
ピポパポプ~♪(電話のベルの音)
ガチャッ(受話器を取る音)
ガキじいさん「もしもしっ!?こちらガキじい……」
『オレだ』
ガキじいさん「おお、ポテトじいか。何か用か?」
ポテトじい『今すぐそこを離れろ。さもないとお前の命はないぞ!』
ガキじいさん「命は嫌じゃ!せめて金玉だけは勘弁してくだされ!」
『何を言っているんだ!?とにかく早く逃げろ!急げ!』
ガキじいさん「わかった。すぐに行く」
ピッ(通話終了ボタン)
ガキじいさん「ふぅ~何だかよくわからんが、ポテトじいさんは毎回生き急いでおるのぅ」
ベイビーばあさん「生きていれば、そういう心持ちになる時もありますよ。じゃあご飯は屋炊きでスイッチ入れておきましたからね」
ガキじいさん「うむ、ありがとうのぅ」
ガキじいさんとベイビーばあさんはポテトじいのイタズラ電話もスルーして
ほかほかのご飯が炊きあがるのを二人して待ちました。
ちなみにポテトじいさん的には
ガキじいさん達の家に恐竜…ティラノサウルスが接近しているというウソの話に繋げて慌てさせようという作戦だったようだ。無事失敗に終わったが…。
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ピピー(炊飯器でごはんが炊きあがったアラーム)
ガキじいさん「炊きあがったか!」
ベイビーばあさん「えぇ、バターを大量にかけて食べましょう」
はふっ!はむっとはふはむっ!むしゃああああああああああ!
ガキじいさん&ベイビーばあさん「美味しい!!」
ガキじいさん「これはいいものを見つけたのう!よし、今度はあのハチも呼んで一緒に食べるか!」
ベイビーばあさん「えぇそうしましょう!」
二人は大満足したようです。
そしてその夜……
ガキじいさん「今日は色々あって疲れたわい。そろそろ寝るとするか」
ベイビーばあさん「では私は先に失礼しますね」
ガキじいさん「あぁ、お休みなさいのぅ」
ベイビーばあさん「おやすみなさーい」
ハチ「…………ワンっ♪」
台所に残ったバターの匂いにつられて、隣のハチがやってきましたが
二人はまったくそれに気づかず、朝までぐっすり眠ったのでした♪
翌朝…
ガキじいさん&ベイビーばあさん「バターが綺麗さっぱり消えている…」
この日の出来事は、後に老夫婦の中でミステリー10選にノミネートされたようです。
めでたし?