ガキじいさん、カップルユーチューバーになりたい
ここはあべこべ村。
村の北のほうには、裕福な人が住んでそうな大きな一軒家がありまして
そこにはガキじいさんとベイビーばあさんという老夫婦が住んでおりました。
二人は、若い時はやり手で…結構な財を成していたのです。
ガキじいさん「ばあさん、知っとるか?最近ユーチューバーっていう職業が流行っておってな」
ベイビーばあさん「ええ、知っていますよおじいさん。村の子供たちも将来はユーチューバーになりたいって口を揃えて言ってましたねぇ」
ベイビーばあさんは抹茶にホイップクリームをやまもりシューして抹茶ラテをつくりながら相槌を打つ。
ガキじいさん「なぁ、ばあさん……ワシらも…そのぉ、カップルユーチューバーにならんか?」
ピピピピー、ピピピピー
ベイビーばあさん「あら、お赤飯が炊きあがったわ。ごめんなさいおじいさん、何でしたって?もう一回言ってくださいな?」
ガキじいさん「じゃからその…ワシとカップルユーチューバーやろう!!と言うたんじゃ」
隣の犬(くんくん…赤飯のいい香りがするワン!)
隣の犬「わおぉおおおおおおおん!!!」
ベイビーばあさん「あら、ハチ。全開になった我が家のベランダからダイレクトに上がりこんできたわね。お腹すいてるのかしら?」
ハッハと息を切らせて、隣の家のハチがベイビーばあさんの懐にもぐりこみ、容赦なく頭をぐりぐりと擦り付け隷従と愛玩の姿勢をアピールした。
ガキじいさん「ハチは本当に素直で即物的じゃな。ワシはその姿勢は大いに評価しているぞ」
ベイビーばあさん「犬でも食べれる塩分カットのごはんがありますからね。ちょっと待ってて頂戴ね、ハチ」
ハチ「わおぉおおお~~~!」
ハチは必死の祈り†が届いて、ご相伴にあずかることになった。
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ガキじいさん「はいどうも~ガキベビチャンネルのお時間がやってきましたねぇ」
ベイビーばあさん「今日は老夫婦と犬一匹でお送りしますよ。みなさんちゃんとご飯は召し上がったかしら?」
ハチ「ワンワンオ!」
ガキじいさん「今日は視聴者のみなさんに重大発表があってのぅ…実は、今日はワシとばあさんの結婚記念日で~~~~~す!!」
ハチ「わんわんわん!!!」
ベイビーばあさん「まぁ、そうでしたっけ?すっかり忘れてました。ごめんなさいねぇ」
ガキじいさん「そんなクールなところも好きで何十年も添い遂げたんじゃよ///(青春的照笑)さて、そんな訳で今日は『愛してるゲーム』をやりたいと思う」
ベイビーばあさん「あらあら、どういうゲームなんです?それ」
ガキじいさん「向かい合って真顔で交互に『愛してる』と言い合って、真顔がくずれて笑ってしまったほうの負け!シンプルじゃろ?」
ハチ「わおぉおおおお~~~~~ん!!!♪」
ベイビーばあさん「いいですねぇ、夫婦の愛のささやき合戦を視聴者の皆さんにもお見せするのは少し恥ずかしい気もしますけれども。それじゃあ…やりましょうかね」
ガキじいさん「愛してる」
ベイビーばあさん「愛してる」
ガキじいさん「愛してる愛してる…」
ベイビーばあさん「愛してる愛してる愛してる」
<カメラの向こうで配信を見てるポテトじい>
ポテトじい「なんだよコレ!!!!『夫婦喧嘩、犬も食わない』とはよく言うけど、老夫婦の愛してるゲームは犬も俺も食わないからな!!!!!!!もういい!エナジードリンク買いにコンビニ行くわ!!!!!!!!!」
バンっ!!!
ポテトじいはその日コンビニの一番くじで一番欲しかったグッズが当たった。
めでたし。めでたし。