ふたりが見つけた、はじまりのBA(ば)
ここはあべこべ村。
最北にはガキじいさんとベイビーばあさんの暮らす大きな家があります。
そう、若いころから結構やり手だった二人は、なかなか裕福でしたので、こうして村一番の大きな家で仲睦まじく暮らしているのです。
ガキじいさん「おーい!ばあさんや!朝食のステーキが焼けたから来てくれ!」
ベイビーばあさん「ちゃんとミディアムにしてくださいましたか?
私も、もういい高齢ですもの。お肉はしっかり焼いたものが食べたいわ」
ガキじいさん「ばあさん、若いころレアが好きだったもんなぁ。南のジャングルでオオアリクイを素手で仕留めたときも、その場でムシャリ!といきおった。あれはたまげたなぁ…」
ベイビー「まぁ、恥ずかしいわ昔の話ばかり。さぁ朝ごはんにしましょ」
二人は食卓に並んだミディアムレアの和牛ステーキ(1ポンド)をそれぞれ
食べ始める。
ガキ&ベイビー「ごちそうさまでした」
ごちそうさまが言われたのは
食事開始から約3分ほど経過した瞬間だった。
ポテトじい「おぉおおおおい!!!さっきから黙ってみてりゃ!
いい高齢なのに朝から1ポンドのステーキ早食いとか消化に悪いだろ!!
村のこどもたちの教育に悪いライフハックばかりしてるんじゃねぇ!蹴散らしてやる!!」
例のごとく窓をぶち破って乱入してきたポテトじい。
彼は根は悪人ではないのだが、何かと二人に突っかかってくる存在だ。
ガキじいさん「あのなぁ、ポテトじい。
窓をぶち破るのはいいが、夫婦の蜜時を黙ってのぞき見するのは
関心せんぞ。ちゃんと声をかけい」
ガキじいさん「いや、窓ぶち破るのもダメでしょ……(なんなんだ?この倫理観は)」
ベイビーばあさん「あのねポテトさん、夫婦生活には三つのBAが必要なの。
ひとつはGABA
もうひとつは、妻がBBAになっても愛し抜く一途な心
そして三つ目は…」
ガキじいさん「罵詈雑言のBA……なんじゃよ」
ポテトじい(いや絶対ちがうだろ!!!!!!!)
ベイビーばあさん「夫婦はね、どんな苦しいときでも逃げずに
互いの醜い部分も晒し、ぶつけ合える、そういう存在なの。
地獄の閻魔様にもさばけない愛なのよぉ♪」
ガキじいさん「ワシも若いときにはばあさんから
『この豚!そんなにイイのかい?女の子みたいな悲鳴だねえ!』
と罵倒されて夫婦の絆が強まった」
ポテトじい「SMプレイのことかよ!!!
もう、真面目に聞いて損した!!お前らほんとにいい加減にしろおおおおー!!」
セクシーな話が苦手なポテトじいは、額に脂汗を浮かべながら走り去っていった。
ガキじいさん「ポテトじいさん、ほんとうに面白いなあ」
ベイビーばあさん「ええ、いつか三つ目のBAについて深く、ディープに教えてあげたいですねえ」
二人だけの愛の健康増進法。
今日も元気だ!