第三話街中の活動
久しぶりの投稿でです。
場所は変わらず、木造建ての一室だった。
先程の褐色エルフ女性ことエルルは、未だに厳しい目を才羽に向けていた。
「皇帝猊下、いかがでしょう」
聞くところによると、サイトウ曰、この皇帝君に皇帝に戻ってもらいたい。しかし、この国で皇帝に戻るには力が必要だそうだ。
そのために、武将を集め、敵に対抗できる力を求めているそうだ。
「サイトウ、私が一度この町の将に会う事は可能かな?」
「御身だけであればできると思いますが・・・」
サイトウの言葉により、俺は一度その街の将に会ってみることにした。
ただし、一人で行くことにサイトウが物凄く反対しえいたのは言うまでもない。
彼にだって危機感はある。
さりげなく皇帝復権を手伝ったり、他の国で貴族の懐に入っている彼でも危機感を感じることがあった。あろうことが、才羽がそのみ一つで敵陣に行くと言っているのだ。これを止めないわけがなかった。
しかしながら、この町において顔見知りとなっている三人は同行が不可能であり、また町の人間からも狙われていると来ている。
渋々と言った形でサイトウが才羽を見送っている。
サイトウの計らいにより、別の場所から宿をでて、見るからな城をに向かう。
その道中は、まさに臨戦状態な獣人たちが居たが、何のけなしにその場をスルーし、城の前に立つ。
城の入り方や作法などが分からない才羽は、企業のビルに入るような勢いでそのまま入り、受付を探してしまう。
城の中は木造で淡い光を放っていた。
居心地のいい城ではあるが、外壁が緋色の為、欲しいかと言われれば疑問だった。
「誰か、受付はいないか?」
声を大にして呼びかけても返事はなかった。
仕方がなく、その場から歩き回る。
内装は趣向を凝らされ、飽きない内装になっている。
木造の床にふかふかの絨毯はまさに一品にも見える。
やがて広場の様な場所に到着すると、すでに一組の団体が座していた。
状況や作法が分からなった才羽は、その一組の横に座る。
床は畳で埋め尽くされているため、足が簡単に痛くなることはなかった。
何の躊躇もなく座った才羽に反応した先着一組は、只々こちらを凝視するだけだった。
やがて、狐の耳と尻尾を持った軍服の少女が現れ一礼する。
「帝様がおいでになりました」
帝様と呼ばれていた城主は、上座にゆったりと座り、くつろぐようにしていた。
「・・・そちらの方、お呼びした覚えはないのですが」
「呼ばれていないからな」
問答のように言葉を繰り返す。
その中で、彼女は手を横にする。
狐の女の子が、即座に床を蹴り、こちらに迫ってkるう。
ここで、常時発動状態の王の意向が発動。
「貴様、誰に向かって物を言っている」
無意識化に出てきた言葉とともに、その狐女の子、いや狐娘が重圧に耐えきれずか、その場に落ちる。
才羽の意志とは別の口調をその口が奏でる。
「我が民を苦しめるとは、いささか分をわきまえていないようなだな」
狐娘への圧力はさらに増し、押しつぶされそうになっていた。
「ううっ・・ぐへ」
狐娘のうめき声により、意識がもどった才羽は何とかスキルを解き、この場の平穏を取り戻す。
「・・・我が城で我が愛しき者に手を出すとは」
先程までの緩やかな空気が変わり、切り詰めた空気が充満する。
「己の分を弁えよ」
帝が何か術を行使したことは、ピンク色の空気が蔓延し、先着した一組が警戒していることからも分かる。
しかし、未だ状態異常が発生しない己の身体を見て、さらに才羽は警戒を強める。
今時点で状態異常が体に現れない理由は、恐らく後天的な物、そして身体に直性津影響がある物だろう。
しかし、それらの影響は、彼自身のスキル、或いはアイテムによって防がれている。
ここで問題が、アイテムの信頼度である。
世界をたがえてこの方、スキルの実証は先ほどしたが、アイテムの実証がまだなのだ。
本当に効くのか、本当に使えるのかどうかが分からない以上、警戒するに越したことはないだろう。
スキルがオートスタートする。
「物理・状態異常・魔法干渉無効化スキル:レジストを発動」
アイテムの実証はまたの機会に。
「ほう、我が一撃を受けてなお立っていられるとは」
「この程度を御せずして何が皇帝か」
先着一組のリーダーみたいな人が堂々と宣言する。
「流石皇帝さんですな」
どうやら、向こうにも聞かなかったらしい。
そこまでの攻撃でなかったのか、それとも手加減をしたのか。
「・・・そちらさんもご無事の様で」
一方、才羽に対しては敵意をむき出して対応している。
「再び言わせてもらう。我が国の民をこれ以上苦しめることは許さん。『サイトウの下に行くがいい』」
またもや、不可抗力下におけるスキルが発動。
いわゆる、王の意向である。
これは、街中にいる犯罪者や、反乱軍を無理やりにでも鎮圧できるようになるファイナルスキル。
ゲームの終盤で条件をクリアし、ようやく手に入れられるスキル。
ゲーム自体をクリアしても、条件が当てはまらなければ手に入れる事は出来なかった。
「・・・お主、我に何をした」
「我が意向に答えるがいい」
才羽は悠然とその場を立ち去る。
後に残された先着の皇帝と帝が只々才羽を見つめているのは気のせいではなかった。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
しばらく、投稿はできないかもしれません。




