表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

7 レイリョク






19



「これはいったい

何なんだ!」


ビドヨがまたすっとんきょうな大声を出したのでダラギャはビドヨの尻を蹴りあげた


ニェンが言ったようにそれは馬ではなかった


馬に似た形ではあるが岸まで引き寄せて近くからよく観察してみると

生物である馬とはまったく異なる物体であった


その材料がまったく見当つかない


精巧に仕上げられている作品という印象がある


これほど緻密な曲線を作れる国………ダラギャにはひとつだけ思い当たる国があるのだが………


しかしこの作品は地上の技術の枠をはるかに越えている気がする




20



「馬があ ああ 」


ビドヨがまた叫んだ


ダラギャは思考を邪魔されたので前蹴りを食らわそうとビドヨの傍までゆっくり近づく


その時無口なミョールまで叫んだ


「馬が割れるぞ!」


ダラギャは振り返って馬を見た


割れていた

馬に似た物体が真っ二つに割れていたのだ


繭のようだ

内部から巨大な蝶が現れるに違いないだろうとダラギャは思う


その時

馬の内部に人の気配がした


気配を察する感覚にダラギャは絶対の自信を持っている


だが馬のような物体の内部に人影などなかった


馬の内部は不思議な色とりどりの淡い光に満たされていた


精巧なカラクリが施されているに違いない


妙な記号のような光が蠢いていて美しいとダラギャは思う


この物体が欲しくてたまらない


用途など後からなんとか究明できるとダラギャは思う


これまで常に

失われた記憶のなかから必要なときにダラギャに知識がもたらされてきたのだから




21



「空っぽだけど色とりどりで

賑やかだぞおお 」


ビドヨがまた叫んだが叱る余裕がダラギャにはない


だがダラギャが長時間我を忘れることはない


過去を持たないダラギャは物事に捕らわれることがないので

すぐに一連の不可思議な出来事に順応した


「ニェンこの物体を

動かせるか?」


「やっている

ずっと集中して動かそうとしているけど

だめだね 諦めたよ

あたいのレイリョクじゃ

この物体を捕まえて動かすなんてできやしないよ

あたいにできないなら

誰のレイリョクでも

無理だろうけどさ 」


ニェンのレイリョクは物体を捕まえて動かすことができる


飛刀団はニェンのレイリョクにずいぶん救われてきた


ニェンのレイリョクが敵の武器を遠くから抑えつける


そうして敵を動けなくしてその間に飛刀団は逃げることができた









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ