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これは違法ですか?


 最初の実験から更に3日たち、響のレベルも順調に上がっていった。

 その分、睡眠時間はごりごりと削られていったのだが……。

 

 だが、その分の成果は確かなもので、少なくとも今の彼なら輝に勝つことも容易いだろう。

 

 霧村響

 男 17歳

 Lv,31

 能力《人格》

 HP1137/1137

 MP1011/1011

 攻撃 475

 防御 210

 魔攻 469

 魔防 207

 俊敏 517

 《スキル》

 炎魔法Lv,2、水魔法Lv,2、土魔法Lv,2、風魔法Lv,1、闇魔法Lv,3、回復魔法Lv,2、強化魔法Lv,4、剣技Lv,4、スラッシュLv,2、十字切Lv,1、刀技Lv,4、一文字切Lv,2、速居合Lv,1

 《称号》

 ハナコの主、鬼畜過ぎる男、確認するもの、モンスター退治の専門家、日帰りする男

 《装備》

 学生服

 

 ざっとこんなもんである。

 魔法も戦闘ごとに身体強化をしていたので、スキルレベルも上がっている。

 闇魔法に関しては、どうやら適正があったらしく、育ちも順調だ。逆に風魔法は苦手なようだが。

 余談だが、新しく追加された称号を見て、響が近くの木をゲシゲシと蹴ったのは言うまでもないだろう。

 

 これだけ早くレベルが上げられるのは、もちろんアナザーのお陰だ。

 転移をつかえるので、移動時間というものを考えなくていい。そのため、かなり遠くまで行くことができているのだ。そもそも人目を気にして城を抜けださなくて良いと言うのがだいぶでかい。

 

 さて、今日は珍しく訓練も休みなので、部屋でハナコと戯れていた。

 ちなみにハナコだが、さすがに誰かに見つかると面倒なので訓練の時はアナザーのアイテムボックスⅡ(犬小屋)で待ってもらっている。

 一度しまい忘れて出てしまったことがあったが、ちゃんとおとなしく待っていたし、更に城のメイドが掃除しに来たときはちゃんとベットのしたに隠れたのだ。なんとお利口なイシマジロなことか。

 

 そうして時間を費やしていると、響はふとなにかを思い出したようで、アイテムボックスからノートを取り出して何かを探し始めた。

 

 「やっぱり、以前にも書いてあったな。なぁ、アナザー?」

 

 (なんでしょうかマスター?)

 

 「ステータス上げるドーピング薬って作れねぇか?もちろんずっと続くやつ。ついでにポケ○ンのパワーアン○ル的ななやつも。」

 

 これまた響の疑問である。

 生成能力持ってるなら、ステータスの基礎値を上げる薬とかステータスを上がりやすくするアイテムとか作ればいいのに……と。

 

 (結論から言いますとできますが……、私の生成では大量の魔力を使いますし、それに比べて効果が悪いですが宜しいですか?)

 

 (その割合はどのくらいだ?)

 

 (魔力15にたいして1ですね。最大で5上げるものしか作れませんし。本職の方々ならまだしも私は簡易的なものしか作れませんので。今回はマスターのレベルが上がったことによりなんとかできますが。)

 

 (アイテムの方は?)

 

 (こちらは時間と魔力をいただければそれなりのものは……。相乗効果はないので先にドーピングすることをおすすめします。)

 

 ぶっちゃけそれは反則なんじゃないんだろうかと疑問がよぎることだろう。そんな簡単に強くなったとして頑張ってこつこつやっているみんなに申し訳ないと思わないのだろうか。いや、きっとこの男ならそんなこと気にするはずもないか。

 

 案の定そんな考えは微塵もないらしく、いざ自分のために早速行動に取りかかった。

 

 「よし、アナザー。城の中から大量に魔力回復薬持ってきてくれ。」

 

 (宜しいのですか?)

 

 「大丈夫、大丈夫。ばれなきゃ犯罪じゃないんだよ。」

 

 (了解しました。)

 

 これが仮にも勇者として呼ばれたものの台詞だろうか?やってることも言ってることも、さっきから全部犯罪者のそれなのだが……。流石鬼畜過ぎる男、その称号は伊達じゃない。

 

 数秒して、響の目の前に次々と何百本という液体の入った小瓶が現れる。中身はもちろん魔力回復薬だ。

 

 「じゃぁ、さっさと始めるとしますかね。アナザー。」

 

 (承認、クリエイト。)

 

 

 

  ◇

 

 それから10時間が過ぎ、辺りはもうすでに真っ暗、草木も眠る丑三つ時・・・とまではいかないが日付が変わる数分前といったところ。

 多方面から段丘がありそうな反則行為を終えた響は、ベットの上で死にそうな顔をしながら、打ち上げられたマンボウのようにぐったりとしていた。

 

 「オデノカラダハボドボドダ……」

 

 訂正しよう。楽にステータスを上げれるというの間違いだ。この様子を見てもらえばわかるがこれが死ぬほどつらい。

 何せ魔力回復薬ドーピング薬共に何千本と飲んだのだ。途中からドーピング薬を錠剤にして魔力回復薬と一緒にしてみたり、某栄養食品のようにスティックに模したのだが、それでも胃の中がガボガボのたぷたぷでまともに動ける気がしない。

 

 「ウェップ……。これからは毎日ちょくちょく無理ない範囲でやることにしよ……。ステータス!!」

 

 霧村響

 男 17歳

 Lv,31

 能力《人格》

 HP16767/16767

 MP210/15952

 攻撃 3589

 防御 2101

 魔攻3674

 魔防 2007

 俊敏 4677

 《スキル》

 炎魔法Lv,2、水魔法Lv,2、土魔法Lv,2、風魔法Lv,1、闇魔法Lv,3、回復魔法Lv,2、強化魔法Lv,4、剣技Lv,4、スラッシュLv,2、十字切Lv,1、刀技Lv,4、一文字切Lv,2、速居合Lv,1

 《称号》

 ハナコの主、鬼畜過ぎる男、確認するもの、モンスター退治の専門家、日帰りする男、大罪・暴食、情け無用の男、リミッテドブレイカー

 《装備》

 学生服

 

 「おぉ……いいじゃないか。だがしかし、俺はもう突っ込まんからな……。」

 

 そのステータスはまさしく化け物のそれになっていた。これなら当分は向かうところ敵なしだろう。

 称号についてはまたもやおかしなことになっているが突っ込む気力すらないようだ。

 

 「アナザー、飲んだ瓶におんなじ味のビタミン剤でも入れて帰してくれ。後、残ってるのかき集めておんなじように中身変えて本体を保存しとけ……。俺はもう寝る。レベル上げとか知らん……。」

 

 そう言って、返答も聞かぬままになにも掛けないでそのまま寝てしまった。そんな主を見て、ハナコがうんしょ、うんしょと頑張ってその小さな口で毛布をくわえて掛けてあげていた。本当にお利口なイシマジロだ。

 

 次の日、いまだ収まらない胃と腹の不調を抱えながらしょうがなく訓練に出ていると、ガイユスから報告があった。

 

 どうやら明後日に実践訓練をするらしい。

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