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ノートを活用しよう。


さて、響達41人+αが異世界に来てから早いものですでに一週間が過ぎた。

 この一週間、生徒達は戦闘の基礎を学ぶべく、騎士団長であるガイユスに指導を受けていた。いくらチートスペックを誇る勇者達であると言えど、それを使いこなせなければ宝の持ち腐れである。

 

 「もう一週間経った訳だが……そろそろ潮時だな。」

 

 響は与えられた自室でそう呟いた。

 ここ一週間は自身のためにもなるということで、しっかりと訓練に参加していたが、自由時間を費やし剣技、刀技の鍛練を行ってきたため、すでに技術方面ではすでに他のものとの差が激しくなりこれ以上は無駄だと判断したのだ。勿論、友人がいないわけではないので、全ての時間を使えたわけではないが。

 

 ここで響が潮時だなといったのは、そろそろここを抜け出そうという意味である。

 何度も言うように、響はここの人間を信用していないため、ここにいるのは危険だと考えた。

 だが、それだけではない。

 

 (クラス転移で一人だけはぐれた奴は滅茶苦茶強くなる……テンプレと言って差し支えねぇよな。。)

 

 そう、手にしたノートを見ながら彼はにやりとした。

 数多くの異世界モノを読んできた響は、そのなかでのあらゆるテンプレ展開、読んでいた中で疑問に思ったこと、自分ならこうしただろうことや、役に立ちそうなモノ等をまとめたノートを持っているのだ。

 

 クラス転移で一人だけはぐれた奴や最初に死んだ奴は大体生きてて、世界の秘密を知ったり、最強になって帰ってくる。

 このノートにデカでかと書かれていることだ。

 響はこれを実践しようとしていい機会を待っているのである。

 

 しかし、今のままでは準備が足りない。いくらチートスペックと技術があるといっても、モンスターの強さというものがわからないし、今のうちにレベルも上げておきたい。

 

 ということで夜になった今、この王城、そして王都のそとに出て、モンスターと戦闘しようというのである。

 

 「アナザー、28式展開」

 

 (承認)

 

 さて、ここで一旦《人格》という能力いついて詳しく説明しておこう。

 この能力、ただのAI等ではない。よくあるAI能力は、ここでの知識や、回りの探索、対象の鑑定と言ったところだが、この《人格》は違う。

 それらに加えて、本人の代わりの魔術行使、簡易的な物質生成(精々武器や防具を作る程度。町の鍛冶師のものと同程度)、アイテムの管理、いったことのある場所への転移等々……。

 ここまで万能な能力はないだろうという位のチートっぷりだ。

 

 ここで皆思うかもしれない。別に魔法で使えばよくね?と。

 だがしかし、これにはちゃんと理由がある。

 基本的に《アナザー》のステータスは響と同じものであるのだが、魔法を使用した時、使用者が響と《アナザー》という判定になるため、威力が単純に二倍になるのだ。しかも消費MPはそのまま。

 

  デメリットとして、能力を使うとき、わざわざ声に出して命令しなければいけないのだが、先程のように番号で決め、簡略化することに落ち着いている。これならば余り敵にも察知されないだろう。~式が能力で術式となるのが魔法だ。

 

 ちなみに先程使用したのは転移の能力である。これで、上手く自由時間を使い、事前に軽く出ていた外へいくことに成功した。

 

 「よし、到着だ。まずは獲物を探さないとな……4式範囲は300程度」

 

 (承認……)

 

 今度使用したのは探索。正確には千里眼と呼ばれるものだ。これで初戦闘の相手を探しているのだ。

 するとどうやら《アナザー》の千里眼にさっそくモンスターが引っ掛かったようである。

 

 (マスター、来ます。南南東より、2匹。マジックウルフです。)

 

 初戦闘の始まりだ。

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