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魔導書と歩む異世界ライフ  作者: ムラマサ
ダンジョン攻略編
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リンカサイド5

 ドクたちが救援に駆けつけて来てくれたおかげで何とか危機を脱することが出来たリンカたち。

 しかし、アルネロとレオナルが青服たちを次々と拘束していく光景を、近くの民家の屋根の上から見ている者がいた。


 「あら~。あの子たち失敗しちゃったの~? 使えない子たちね~」


 何の装飾もされていない白いお面で顔を隠しているその者は、体をくねくねと気色悪く動かしながら、面に隠されたその鋭い瞳で青服たちを拘束していく、なぜかボロボロの2人組を見つめていた。


 「あの2人組。確かこの街のガーディアンギルドのギルドマスターとサブマスターのはずよね? 顔が酷く腫れあがっているから一瞬気づけなかったわ。ガーディアンギルドが動いたとなれば、もうこの街では活動がしづらいわね。はあ、しょうがない。あの獣人の子たちのことは諦めるとするわ。高値で売れそうだったから連れ戻したかったのだけれど」


 これ以上ネネたちに拘るのは危険だと判断した仮面の人物は素直に手を引くことを決めた。

 そして、遠く南の方角を見ながら呟いた。


 「まあ、獣人なんかよりあっちの方が高く売れるしね。作戦が上手く行けばだけど」


 そう言って仮面の人物は音もなくその場から消え去った。


 -----


 スラムでの事件が解決してから数日が経ちました。

 あれから青服の男たちを取り調べた所、あの人たちは領主様からスラムの解体の依頼を引き受けた解体業者で間違いないことが分かりました。


 王都からファウードへ向かう途中で帝国の奴隷商と出会い、スラムにいる子供たちを高く買い取りたいと話を持ち掛けられ、子供たちをその奴隷商に売り飛ばして大金を稼ごうとしていたそうです。


 青服たちはネネさんたちを捕まえてから奴隷商に子供たちを売るつもりだったらしく、連れ去られた子供たちは無事スラムの一角に閉じ込められていた所を保護され、今は大人たちと同じく避難区域で生活しているそうです。


 青服たちのその後ですが、自分が仕事を依頼した者たちが事件を起こしたとあって領主様はカンカンに怒って青服たちは全員炭鉱行きが決定したそうです。

 青服たちに話を持ち掛けた奴隷商を特定することが出来なかったのが唯一残念でしたが、こうして事件は終息しました。


 そうそう。あの事件の後、ネネさんたち3姉妹は我が家に住むことになりました。

 他の子供たち同様避難区域で生活しようとしていた3人でしたが、ここで知り合ったのも何かの縁。娘を守ってくれた恩もあると言ってお父さんが引き取ったのです。

 

 3人とも、今はお店のお手伝いをしながらお父さんから薬学を学んでいます。ネネさんは真面目で優秀だそうですが、キキちゃんは何度も薬の分量を間違えるし、ララちゃんは目を離すとすぐに薬を作る工程を省いて楽をしようとするそうでなかなか手がかかるとお父さんが言っていました。

 

 そして私はと言うと。


 「ウォーターカッター!」

 「キキイ!?」


 あの煮え湯を飲まされた森で、因縁のスワローモンキーを仕留めることに成功しました。

 ネネさんと共闘した時に学習した相手の動きを予測することを意識することで、以前とは比べ物にならないくらい魔法の命中率が向上しました。


 「お見事。ちゃんと相手の動きを読んで攻撃出来ていたわね。全く、教える前に自分で気づいちゃうなんて、あのドクやリンダの子供とは思えないぐらい頭がいいんだから。リンカちゃんは」

 「えへへー」


 クーティさんにも誉めて貰えて、無事訓練は終了しました。


 -----


 訓練を終えた後ファウードまで戻り、家のある西区に入ると大きな声が聞こえてきました。

 

 「キキー! てめえまた薬の分量間違えたなあ!」

 「ごめんなさーい!」


 「ララ! あなたまた薬草を擦りつぶす工程を省きましたね! これでは必要な成分を抽出できないと師匠が仰っていたでしょう!」

 「う~。めんどくさ~い」


 ソーマさんがいなくなってちょっぴり寂しくなっていた我が家が、すっかり賑やかになってしまいました。

 今日も2人に怒られて落ち込んでいるキキちゃんとララちゃんを慰めるとしますか。

 そう思って家に帰ろうとしていると、家の近くでフルおばさんたちが何やら話し込んでいました。

 何かあったのでしょうか?


 -----


 「おう、リンカ。お帰り」

 「おかえりなさいリンカさん」

 「うわ~ん! リン姉!」

 「また怒られた~。慰めて~」


 家に入るなりキキちゃんとララちゃんが私に抱き着いてきました。

 甘えて来る2人の頭を撫でながら、私はお父さんにさっきフルおばさんから聞いたことについて質問しました。


 「ねえお父さん?」

 「うん? どうした?」

 「さっきフルおばさんや近所のおばさんたちが集まっていて、お父さんがロリコンに目覚めたって言ってたんだけど。ロリコンって何?」

 「グホ! ゲホゲホ!」

 「だ、大丈夫!? どうしたの? 急にむせたりして」

 「リ、リンカ。フルばあさんたちがそんな事言ってたのか?」

 「うん。リンカちゃんも気を付けなって言われたよ?」

 「ちげええー!! 俺はロリコンじゃねえええええええ!!!」

 「あ、お父さんどこ行くの!?」


 この後お父さんは近所の家を一軒一軒回って誤解を解いて行ったそうです。

 帰って来たお父さんは見たことないぐらい酷く憔悴した様子でした。

 結局ロリコンって何なんだろう?


 



 

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