止まない雨に僕は愛想が尽きた
止まない雨に僕は愛想が尽きた
今日は降らないよって言ったじゃないか
着回してた服もいい加減洗わないと
窓を開けていたら
湿っぽい室内に小さい虫が飛んでいる
そうか、わかったよ
雨が止まないつもりなら
僕が雨の降らない場所に行く
って何処だ、雨の降らない土地は
僕は外へ飛び出して駅に向かった
五百円のビニール傘は割と大判で
風もなく雨粒はまっすぐ落ちてきて
僕は濡れずに列車に乗った
はっきりしない君に僕は愛想が尽きた
今日は会いに行くよって言ったじゃないか
時計の針はつかつかと回り続ける
スマホを握り見つめていても
振動と明るさを感じるのは君以外の通知
そうか、わかったよ
君が来ないつもりなら
僕が君のいる土地に行く
って何処だ、君のいる場所は
僕は服を脱ぎ捨ててベッドにダイブした
九百八十円のタオルシーツは大判で
まだ新しく柔らかい肌ざわりで
僕はいつの間にか入眠した
止まない雨に僕は愛想が尽きた
晴れ渡ったこの場所に辿り着いた僕は
空を見上げて大声で笑ってやった
はっきりしない君に僕は愛想が尽きた
夢の中の君はまだ色が薄すぎるが
僕を見つめてクスッと笑ってくれた
いつだって何処だって雨は降ってる
でも雨は必ず止む
いつだって何処だって夢は見てる
でも夢は必ず覚める
晴れ渡ったこの場所に雨雲がやってきた
みるみるうちに笑顔が消えてゆく
僕の頬に雨粒が触れた
夢の中の君は次第に輪郭が薄れていった
目を覚ました僕の目に映ったのは
窓の向こうの鮮やかな青空だった