初の前線 2
「タバコが吸いたくなってきた」ローガンが呟いた。目は四方への警戒を怠らず、いつでも引き金を引けるように指をかけている。
ライアン少尉が建物手前の遮蔽物に隠れる。ローガンへ援護するから来いと合図をした後、立ち上がりローガンも走る。
「フッー、ハァ、フッー、ハァ」
銃弾が頭を掠める。自暴自棄のまま走り続けライアン少尉の隠れる遮蔽物にダイブした。
「いいか?」
「まだ、深呼吸、だっはぁ」
緊張感と高揚感を感じながら、大量のアドレナリンが頭を沸騰させるように分泌される。ローガンとライアンは互いに身体を寄せ合うように小さな遮蔽物に隠れ、合図した。
「行くぞ!」ライアン少尉が叫ぶ。建物の中へ入るとすぐ右手前に敵が一人、ライアン少尉のレミントンM870が彼の額を四方に爆散させた。興奮状態のまま扉が壊れて外れた部屋へ入る。
「やめてくれえやめてくれえ!」敵の一人が叫ぶが耳には入らない。ライアン少尉はまたレミントンM870で跪いた敵を撃つ。
「あああああ、ああ」
撃ったあとで気付く。自分が無抵抗の人間を撃ったのだと、しかしローガンはライアン少尉の感傷などに構っている余裕はない。階段を登り二階から機関銃を撃ちまくっていた敵をMG4で撃ち殺した。
銃声が響く、一階からだ。ローガンは嫌な予感を感じる。ライアン少尉が自殺したのでは。
「ライアン!」ローガンは叫び、ライアン少尉の元へ行こうとする。すると階段から人上がり姿を見せた。敵だ! シュバリアの軍服を着た敵だ。敵が引き金を引く。銃弾は運よく真横を通り過ぎた。ローガンもMG4を構える。しかし引き金を引いても弾が出ない。弾倉を交換している暇はない。左へ反復横跳びをするように飛び、右の太ももにかけてあるH&K USPのセーフティを外すと全弾を敵に撃ち込んだ。
「ライアン! ライアン!」ローガンは叫ぶがライアンの姿は見えない。
外には敵兵が迫っていた。弾倉を交換しMG4をまだ自分に気付いてない間抜けな敵に撃つ。しかし運悪く弾が外れて敵はそのまま真横を通り過ぎようとした。反撃にでない敵に疑問を抱き答えがすぐに思い浮ぶ。
「ライアン!」
ライアン少尉を狙ってると気付き、ローガンは弾の切れたMG4を捨てて、MP7を構える。敵は首をから血を流して倒れる。後ろからまた四人押し寄せる。
「ローガン! 隣だ!」
ライアン少尉の声が聴こえる。二人で銃を敵に向けて連発した。敵の弾も飛んでくる。しかし鉛玉はローガンに当たらず壁に突き刺さり、身体を晒した敵は次々と倒れていった。音が止む、ローガンは隣の部屋へ行くとやはりライアン少尉がいた。外傷はどこにも無いようだったが恐怖で腰が抜けたようだ。体育座りのような姿勢でH&K MP7を抱えてる。
「それじゃあぶねえよ」ローガンが声をかける。
Mp7の銃口を肩に当てたまま引き金に指をかけていたライアン少尉からゆっくりと銃を預かる。セーフティをかけた後、ローガンは壁にもたれかかりながら隣へ座った。
「漏らしたよ……」ライアン少尉が言った。
「俺だって漏らした……みんな同じだ」




