0.Hello planet
本来そこに在る筈の人々の群れは、跡形もなく消え去ったーー。人々が歴史の中で積み重ね、築いてきた物質的社会だけが虚しく形を留めている。社会が一つのシステムと表されるならば、それはシステムの主体、つまり核となる存在を失ってしまった。
そんな中でたった3人なのだーー。
彼らを導いてくれる筈だった「大人」たちはもういない。
そもそも、残念ながら彼らは「大人」という存在を知らないのだ。
「私たちたった3人だけなんだね!ねえ、スグ!、ヨシ!、聞いてる?」
後ろから真紀がそう言って、先行する2人に近寄る。
「聞いてるよ。ってか、なんでお前はそんなにウキウキしてるんだよ⁉︎置かれてる状況、分かってんの?危機感とか無いわけ?」
そうきつく言い放ったのは、スグ。
彼の隣、2人の会話を聞いて、クスクスと、穏やかな笑みを浮かべながら悠々と歩く彼がヨシ。
「まあまあ、僕たちはこれからさ。食べ物もあの建物の中に沢山置かれてたし、水だって海や川が無いわけじゃないんだから。」
「沢山あったって無限は存在しないんだ。そうやって状況の管理を怠って、後で苦しむんだ。そんなのは俺は御免だね!」
相変わらず不機嫌そうな顔でスグは言った。
これから彼らが紡ぐ物語は、いつか私たちが見返して、この苦しい「現実」に向き合う手がかりに…。
終わりがまるで運命であるかのように
今、着々と青き輝きが霞みゆくこの惑星に
喪失がまるで必然であるかのような
まだ幼く、拙い二足歩行を続ける彼らに
どうか幼い手が描く未来の続きをーー。




