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第三十三話 種族の意味は

2016/02/01 誤字及び一部内容の修正を行いました

2015/11/17 話数変更とタイトル変更、内容の一部修正を行いました

 僕らの首輪が解除された午後、エルフ族の人とウルフ族の人がそれぞれ来た。


 両方とも男女一名の二人組で、エリーの方は問題なくエルフ族の集落で引き取られる事が決まった。ただエリーの事を考えてなんだと思うんだけど、エリーが僕と一緒にいたいという場合は要相談。


 流石に僕の方は若干問題になった。


 別に来た人たちが差別しているという程ではないらしいんだけど、それでもハーフはある事の確執みたいな物があるらしい。人によってはやっぱり嫌な目で見る人もいるそうだ。


 僕の容姿を見る限りではエルフ族に近いので、ウルフ族の人たちはエルフ族の人の考えを優先するらしい。やっぱり見た目の問題は大きそうだ。


 それでも簡単にエルフ族の集落に向かい入れる事が出来るかというと、やっぱり一度きちんと確認しなきゃならないらしい。その為一度集落で話合ってから、その上で僕に確認を取るという事でその日の話合いは終わり。


 首輪の解除で回復が早くなったおかげか、翌日にエリーが目を覚ました。流石にまだ安静で寝ていなきゃ駄目らしいけど、それでも目が覚めた時には思わず涙がこぼれてしまった。


 エリーはまだ起き上がる事も出来ない状態だけど、それでも少しなら話も出来る。助かった事だけをエリーに伝えてると、またエリーは寝てしまった。体力的にもまだまだなんだと思う。無理に起こす必要はないし、僕だってまだまだ回復したとは言えない。


 エリーは当然状況が分からなかったみたいだし、流石に回復魔法で治療したとはいえ、凍傷などにもなっていたので、手足は安全のために固定してある。


 エリーの意識が回復してからは、無理はさせちゃいけないと言われているけど、一応話すのは大丈夫だというので、時々話をしている。もちろんエリーの無理がない範囲で。


 今の状況を簡単にエリーに話ながら、出来るだけ明るい話をすることにしている。その方がエリーの回復にも良いとイヌエルさんが言っていた。


 そのイヌエルさんだけど、ここの病院の緊急医療担当の責任者らしい。


 基本的に病院は集落に一つはあって、大半の治療はそこで行うそうだ。ただそれだけでは無理な場合などにここへ運ばれたりするらしい。


 僕らの場合は分からないことがあまりにも多かったし、何よりエリーが危篤状態だったのでここに運ばれたのだとか。


 この病院は町のほぼ中央にあるらしく、町はそれぞれの種族ごとに集落で分けられていて、簡単な柵で敷地を分断しているのだとか。


 もちろん他の種族に会うために集落の中を他の種族が入ることは禁止されてなんかいないらしく、集落の外周と町の中心、そして町の中心と外周の真ん中を道が通っているのだとか。


 流石に町には外壁があって、その外には畑や牧場があったりするのだとか。


 てっきり森に囲まれているのだと思ったけど、実際には畑から近くても徒歩で三十分程度歩かないと森には到達できないらしく、その森も少しずつ切り開いているそうだ。ただ、それが出来ているのはごく一部だとか。


 そして一番驚いたのは、こちらの町の方が文明度が高いこと。一日が三十二時間で一時間が九十分なのは同じだけど、さらに時刻として『分』がきちんと表示される時計があるみたい。しかもそれが一つの文字盤で出来ている。どうも機械式らしく、ネジを定期的に回さないと止まってしまうらしいけど。


 一般的な人たちの起床は、だいたい九時以降らしい。遅い人だと十一時を過ぎる事もあるそうだけど、それは仕事の関係もあるのかな?


 どうやって一日を三十二時間と定めたのか、一時間が九十分としたのかは後で聞く事にしようと思う。


 それと高価な時計では魔力を用いた時計があるらしい。それはまだ小型化が難しいらしくって、大きな時計にしか使われていなく、まだまだ研究中らしいけど。


 僕がエリーと話ていない時は、滅んだとされている昔の事を聞かれるのが多くなってきた。


 最初は主に街の規模や施設、どのような人たちがいたか。それから制度がどうなっていたかなど。


 一応分かる範囲で答えるけど、流石に全部は無理。でもこの人たちには貴重な話なのか、必ず五人くらいで同時にメモをしている。


 そして今聞かれているのは魔法だ。


 流石に病院の中だし実践は無理だけど、どんな魔法があったのかは伝える。どうもこの人たちとは魔法の認知度が異なる気がする。


 魔法については四大属性があるけど、それぞれは相反する存在ではないと教わった。火の魔法が必ずしも水が弱点とはならない事など。でもここの人たちは、四大属性は絶対的な境界があって、どんな魔法でも火の魔法が水に勝る事は無いと言っている。


 ただこれらの事については、退院してからの実地テストを行う事で方針は決まっているし、覚えている限り室内で魔法など危なくて使えない。


 それと気になったのは、魔法はあっても魔術や召喚術がどうも存在していない事。どちらも説明したけど、僕の説明不足か理解してもらえなかったようだ。


 逆に魔法を用いた武器の話を聞けた。ここでは単に魔法を放つだけでなく、魔法を用いた銃や大砲があるらしい。それとどうも火薬式の銃などもあるようだ。


 詳しい話はまた後日という事になったけど、それでもこれは収穫だと思う。


 他にも電気の概念があって、まだ普及する程発達していないみたいだけど、色々と試作品があるような事も言っていた。


 全員が魔法を使える訳でもないらしく、エルフですら魔法を使えない人もいるらしい。そういった人たちが魔法以外の方法で色々と造っているようだ。


 どちらにしても、エリーが十分に回復するまでは時間がかかりそう。


      ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


 エリーが意識を取り戻してから二週間。回復は順調みたい。まだ体力面で若干不安があるらしいけど、激しい運動などをしない限りは問題ないのだとか。


 そういった訳で、やっと明日には退院となる事が決まった。


 ただ僕がエルフ族の集落に受け入れられるかは、まだ正式に決まっていない。退院する時に再度エルフ族の人が何人か来るらしいけど、エリーとは別れたくないし、エリーも同じ気持ちだと言ってくれる。


 まだ簡単に安心出来ないのがちょっと不安になるけど、これは仕方がないかな。

各種表記ミス・誤字脱字の指摘など忌憚なくご連絡いただければ幸いです。


また感想などもお待ちしております!

ご意見など含め、どんな感想でも構いません。


更新速度からおわかり頂けるとは思いますが、本小説では事前の下書き等は最小限ですので、更新速度については温かい目で見て頂ければ幸いです。


今後ともよろしくお願いします。

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