第三十二話 外れる首輪
2016/02/01 誤字及び内容の修正を行いました
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翌日目が覚めると、イヌエルさんが僕の右腕を取っていた。
「おはよう、脈は大丈夫みたいだね。調子はどうだい?」
「はい、大丈夫です。エリーは大丈夫ですか?」
「エリー……エリーナ・バスクホルド君だね。彼女は大丈夫だよ。無論、まだ絶対安静だが、助かる事は保証しよう」
イヌエルさんが、エリーのいるベッドの方を一瞬見た。
「隣でまだ寝ている。彼女は、今まで相当無理をしていたみたいだ。薬も与えているし、チューブで食べ物もあげているから、もうしばらく安静にした方が良いけど大丈夫。見た目はそうでもないように見えるかもしれないけど、結構危なかったんだ? しかし、もう大丈夫だ」
それを聞いて思わずホッとする。もしエリーに何かあったら、どうしたらよいか分からない。
そういえば、昨日も同じ事を思ったっけ……。
「しばらくしたら食事が来るから、遠慮せず食べたいだけ食べて欲しい。バスクホルド君程ではないにしても、君ももっと栄養を摂らないといけない」
ハイと返事をして、改めてエリーの方を向いた。確かに寝ているみたいだけど、点滴やチューブがあって正直痛々しく思う。
「点滴は見た事が?」
「え?」
「昨日聞いた限りだと、君らは点滴を知らない筈なんだが、君は驚いていないようだ。初めて見たら、もっと別の反応をすると思うんだが?」
そうか。本来なら、僕は知らない筈なんだ。あの話が本当なら、僕らが生まれてから千四百年以上経過しているはず。あの頃は確かに注射なんか無かったと思うし。まあ、ちょっと疲れて記憶が曖昧な所もあるけど。
前世の記憶が多少あるから知っているだけで、僕らが生活していた時にはなかったはず。まああの時代には、病院で点滴を受けるような怪我とかした事が無いから、断言は出来ないけど。それに簡単な治療なら母さんが魔法で治していたっけ。
かといって、前世の記憶があるって言っても、間違いなく信じてくれないだろうし、そもそも文明レベルが違うと思う。魔法文明と科学文明を一概に比較するのはおかしな話だけど。
それにこの世界のように魔法なんてない世界だ。前世の事は、少なくとも今は話すべきじゃないはず。
「初めて見ました。でもエリーが特段苦しんでいる感じじゃなかったし、多分大丈夫かなって。もちろん僕がまた騙されているかもしれません。エリーが起きていたら、多分そう思っていると思います。でも今度こそ信じたいんです」
僕自身の考えが甘いと言われるかもしれないけど、一々人間不信になっていたら、それこそ僕らは助からないと思う。
確かに今も不安は尽きないけど、それに飲まれていたら今度こそ心が壊れそう……。
それなりにリスクのある天秤だけど、今のところは悪い方向ではないはず。少なくとも、治療はしてもらえているみたいだし。
少なくとも、僕自身は嘘は言っていないと思う。エリーの事が心配なのは本当だし、そのエリーが苦しんでいなければ、安心したい。エリーが怖がっていたのも事実だし。
「そうか、ならいいが。それと朝食後に首輪の件で専門家が来る予定だ。他にも昼過ぎに、エルフとウルフ集落の担当者が共に来る予定。今後どちらで生活するのか、もしくは種族の括りから抜けるのか、しっかりと相談して欲しいな。出来れば私は、エルフの集落で生活した方が良いとは思っているが、この件について私は一切助言できないのでね」
その顔は、何だか険しい。何か事情があるみたいだけど、簡単には話せない事なのかな?
「出来ないんですか?」
「ああ、すまない。こればかりは、例え私のような医者の身分でも、口出し出来ないのだ。別に彼らが対立している訳ではないんだが、別種族間での子供は、どうしても受け入れが難しいんだ。最悪君は種族の括りがない所で生活してもらう事になるかもしれない。ただね……」
「ただ?」
「昨日言った事は覚えているかな? 種族の対立というか差別はあまり無いのだけど、君のような混血だけは、それなりに差別の対象にされやすいんだよ。君も含めて、子供には何の罪もないのにね」
イヌエルさんが溜息をついた。
今の体制に、どこか納得していないのかもしれない。ただ、イヌエルさんを責めた所で、何も解決はしないんだと思う。この人は医者なのだし。そういった事を決めるのは、少なくとも医者じゃないはず。
自分たちと違う存在を認めたくない。それは、この世界でも同じのようだ。
特にこの世界のように、容姿がはっきりと違えば、当然区別以上の差別になるのは、僕だって簡単に想像がつく。それこそ表皮が鱗だったり羽根になっていたり、普通の皮膚に見えても恐ろしく硬かったり。これで
「どっちにしても、決めるのは君ではなくて、その種族の人たちになるから。ただ、悪い印象だけは与えないようにした方が良いね。それくらいかな、助言できるとすれば。まあ、私からも事前には説明しておくが」
時代が変われば、当然社会の仕組みも変わる。
エリーに関しては、間違いなく回復したら、エルフの集落で生活する事が決まるはず。彼女はエルフだ。
僕の場合は、父親がウルフ族で母親がエルフ族。
仮に男性優位の社会なら、ウルフ族の方に決定権が多いだろうし、女性優位ならその逆だ。もちろんそれだけが決め手とは思えないし、不安もあるけど。
でも僕の容姿は、どう考えてもエルフ族に近い。男女平等なんてのは現実問題机上の空論だと思う。
男性と女性が、それぞれ全く同じ事が出来れば問題ないと思うけど、現実はそんなに甘くない。男性は子供が産めないし、女性は単独で子供は産めない。これだけでも大きな差がある。これは覆せない生命としての原則。多少は例外があったとしても。
前世では、男女平等という言葉が正直一人歩きしていたのではと、今さらながらに思ってしまう。出来る事、出来ない事は、男女どころか個人単位で全く違うのだから、完全な平等は出来ない。それぞれ出来る事をしながら、その上で可能な事の平等性でなければ無理なはずだ。
仮にだけど、それがほとんど適用しない身分があるとすれば、多分それは労働奴隷だ。個人的に奴隷制度は認めたくないとしても。
場合によっては、子供を産む事も育てる事も許されず、常に起きている間は働く事しか許されない。それが多分奴隷という立場。
男女で出来る事が異なったとしても、奴隷ならば結果だけが要求される。女性だから出来ませんとか、男性だから困難です、子供だから大人と同じには無理です、なんて事は状況次第では許されない。
もちろん多少の差は認めてくれるかもしれないけど、あからさまな差は許されないだろう。その意味では、労働奴隷の身分こそ平等な立場になれるのかもしれない。当然そこから抜け出す事は、極めて難しいだろうけど。
「ん、どうかしたのかな?」
「あ、いえ。ちょっと、どんな人たちなのかなって考えていました。前の町で、僕らは千四百年程前から目を覚ましたような事を聞きましたが、それが本当なら、僕の常識はきっと通用しないんだろうなって」
「成る程。君は結構しっかりしているみたいだね。これは一般論なんだけどね、今はエルフ族は確か五十歳くらいまで、実質的に子供扱いされる事が多いんだよ。私はそんな事はないと思いたいんだけど、多分彼らの寿命がそう思わせているんだと思う。この町で一番年長者のエルフ族は、確か四百五十歳くらいの女性だ。彼女からしたら、五十歳程度なんて子供にしか見えないのかもしれないけど、大抵のエルフ族は、せいぜい五歳くらいまでに成長が止まる。流石に五歳で大人扱いは難しいとは分かるが、十五歳や二十歳で十分大人扱いしても良いと思う。ただこの事は秘密にして欲しい。もちろんエルフ族も、それ以外の人たちも薄々は分かっているんだが、これは言ってはならない事になってい」
『分かりました』と言って、話題を変える事にした。こんな事を話ても、今は何の得にもならない。それに、僕の考えが正解だとも思ってはいない。多分答えなどない。
「なるほど、君らは本当に千四百年も眠っていたのかどうか……。確かに普通に考えれば不可能だ」
そもそも、その証拠がないので、僕らとしては今が何時なのかも分からない。
「はい。なので、どうしても信じられなくて。僕はピリエストと呼ばれていた街にいました。今はちょっと記憶が混乱していたりして、はっきり覚えてはいないんですけど、確か王様の直轄都市みたいだったらしいんです。そことここが違う事くらいは分かります。国が違ったら、当然色々と違いますよね? 確かに、僕が経験した事と見ているのは全然違いますけど、だからといって、千四百年近く眠っていたとは、どうしても思えないんです」
変えた話題は、本当にあれから今が千四百年先の時代なのか。
確かに僕が育った所では見た事がないものがある。だけども、僕はあそこから出た事もないし、そもそも街全体も知っている訳じゃない。なので、それを証明できない限り、今が千四百年後とは思えないから。
「証明する方法は一応あると思う。文献の記述が確かという条件付きでだが。他にも方法があるが、今は気にしないで欲しい。ただ、今はちゃんと回復する事の方が、何よりも大切だと思うね。証明するにしても、二人揃って証明した方が楽だろう?」
確かに僕だけじゃなく、エリーも知りたいはずだ。二回やるくらいなら、少し待って一度で済ませた方が楽だとは思う。
「食事の用意が出来たみたいだ。君の傷の治療には、まだ体力が欲しい所なので、とにかく食べて体力の回復を優先して欲しい。また後で来るので、では」
そう言い残してイヌエルさんが去ると、食事が運ばれてくる。体力回復が目的なんだと思うけど、肉料理が多い。
昨日もそういえば何か食べたはずなのに、食べた内容が思い出せなかった。疲れているのかも。
毒などの心配をしないといけないのかもしれないけど、とにかく出された物は出来るだけ食べた。正直出された食べ物を警戒する余裕すら無い。僕がもう食べられないと言うまで出されて、正直食べ過ぎだ。それでも肉料理だったからか、幾分体力までは実感出来なくても気分は良くなる。
しばらくベッドの上で待ちながら、エリーの様子を確認する。まだ寝ているようで、点滴などが交換されているみたいだけど、それ以外は変化がない。
僕が寝ている間に、一度でも目が覚めたのだろうか? ただ、それを確認するのも正直怖かったりする。僕は、何を恐れているんだろう?
一段落しているのか、エリーの側には二人だけ医者と思える人ががいるみたいだけど、昨日程医者や看護師のような人はいないようだ。
「待たせた」
イヌエルさんが、他に二人を連れてやってきた。一人は鳥人族の女性のようで、翼は鷲に似ている。もう一人はコボルト族の男性で、ちょっと背が低い。
「二人は古代魔法や、魔術、魔道具などの専門家だ。彼女はオパランダー博士。こちらの方がピゾッド博士。古代遺跡の魔法道具関連では、この二人が、この町では最も高名な博士だ」
「初めまして、クラウデア・ベルナルさんですね。紹介のあったとおり、古代の魔法道具研究をしてるわ。付け足すと、特に封印関係が専門ね」
「私はラウル・ルスュール。博士とは言っても、彼女の助手になる。封印解除を専門にしている」
確かにこの二人なら、僕に付けられている首輪を調べてもらうのに適しているのだろう。むしろ、この町でこの二人でも駄目なら、今の状態では何も出来ないはず。
まだ首輪が外れるかどうかは分からないけど、それでもこの二人に何とかして欲しい。
「それにしても本当なのね。一応ここに来た経緯やあなたたちの状況などの報告書を読みはしたけど、この目で見るまで信じられなかったわ」
「ええ、私もですね。これが『失われたエルフの秘宝』の一つなのでしょうか?」
失われたエルフの秘宝? 何の事だろう?
「さあ? 私はそっちに詳しくないから。イヌエル先生。エルフの方がいたら、至急呼んで頂けるかしら?」
「あ、はい。男女共に呼びましょうか?」
「そうですね……この場合はその方が良いでしょう。お願いします」
オバランダー博士の注文に、イヌエルさんが急ぎどこかへ消えてゆく。
「それじゃあ、早速拝見させてもらうわ。そこの椅子に座って」
言われるがままベッドから移り、椅子に座る。すでにその程度は回復している。
「まずは見るだけなので問題はないと思うけど、もし体に何かあったら、構わずすぐに言って頂戴ね。こういうのって、厄介な物も当然あるから。ちょっとでも変だと思ったら、遠慮は要らないわ」
そう告げてから、二人の博士が僕の首輪の観察を始めた。手元の紙に、次々と色々書いている。どうも首輪の文字や、模様のようだ。
直接触れるのは避けているのか、二人とも青い手袋をしている。さらにピンセットのような物や、何かの棒を使って首輪の周囲を確認している。
さらにルーペのような物を使ったりして、首輪の紋様を詳細に確認しているみたいだ。かなり細かく記述している。
前にエリーと一緒に首輪を見た。鏡があったとしても、後ろまではちゃんと確認できないし、二人で見るのが一番だったから。
その時は書く物がなかったけれど、紙に書いている物はエリーの物と同じように思える。多分同じなんだろうとは思っている。あの時も多分そうだろうという意見になった。
「なるほど。これはかなり強い封印術式だ。しかも既存の物と一致しない物もいくつか……魔力の封印が主みたいに思える」
ルスュール博士が、紙に色々書きながら教えてくれた。
「それって、外せないって事じゃ?」
思わず僕の懸念を言ってしまう。仕方ないじゃないか……。
「いや、大丈夫だと思うよ? もう少し調べる必要はあるけど。既知の物と比較すれば、分かる場合も多いから。オバランダー博士、ちょっと資料を追加で取ってきますね」
そう言い残して、ルスュール博士はどこかへ消えてゆく。入れ替えるように、イヌエルさんが男女二人を一緒に連れてきた。
「彼はクラウデア・ベルナル君。さっきも説明したように男性だ。彼の証言によると、ウルフ族とエルフ族のハーフらしいんだが、エルフとして君らはどう思う? 出来れば率直な意見が欲しいのだが」
二人ともエルフらしい。男性は髪をサッパリ切っていて、女性は肩くらいまでの髪の長さ。僕の知っているエルフ族の容姿とは違っている。
「えっと、本当に男性なのですか?」
女性のエルフの人が、信じられないといった感じで言っている。男性のエルフも、困惑した顔をしていた。意味が分からない。
「証言が正しければ、彼は千四百年前におかしな容器に入れられて、気がついたのがおおよそ一ヶ月程前。まあ、多少の誤差はあると思うが。成長していないとして、年齢は十八歳との事だ。確か君らには『失われたエルフの秘宝』というのがあったと思うのだが?」
「ええ、そうですね。いくつかそれはあります。そして彼は、その特徴をいくつか満たしているようです。男性であっても女性であってもです。ただ、ハーフとなると断言は難しいですが……」
「ええ、私も彼と同じ意見です、先生。男性である事は確認されたんですよね、当然」
「もちろん。どちらにしても、最低限の検査はしないといけなかったからね。ちなみにあそこで眠っているのは、エルフの女性で、証言では年齢は二十一歳らしい。こちらの彼が言うには、約千四百年ほど何かの容器の中で眠りにつかされていたとも言っている」
エリーの事を言っているのだろう。三人がエリーを見る。しばらくしてから、再度僕に視線を戻した。
「彼女はまだ意識を取り戻していなくてね。かなり衰弱しているから、応急処置をして一命はなんとか。君らの魔法で回復させたい所だが、あの首輪がね。魔法による治療が出来ないんだ」
ああ、だから魔法で治療をしていないんだ。多分最初に試したんだろうけど、効果がなかったのかな?
オバランダー博士が、いったん僕の側を離れる。そして二人のエルフが僕についている首輪を見た。
「どうも魔法を封じている首輪のようだけど、詳細をオバランダー博士他に調べてもらっている。この首輪を外してから、魔法の治療をした方が良いと思ったんだよ。どんな影響があるか分からないからね」
「ええ、本格的な魔法による治療は、まだ止めた方がいいと思うわ。一通り調べてみたんだけど、この首輪は内側の魔法は当然だけど、外側の魔法にも反応するみたいね。こちらから魔法を使っても、彼に害はないはずだけど、用心した方が良いわね。全く効き目がないとは思えないけど。それと、ここを見て」
博士が僕の右側に立ち、首輪の一点を指しているようだ。
「これなんだけど、ちょっと不味いかも。魔法だけじゃなくて、体力の回復も阻害している可能性があるわ。魔法程ではないにしても、まだ目が覚めないあの子の首輪を外すのが優先ね。ただ彼女は絶対安静って聞いているから、彼の首輪を解析するしかないんだけど……」
「そんな……」
思わず落胆の声を出してしまった。このままだと、エリーが助からない?
「大丈夫よ。見た事のない紋様もあるけど、基本的には今まで見てきた物と大差はないわ。ルスュール博士が資料を持ってきてくれたら、案外早く解決……って来たわね」
「オバランダー博士、ありました! ほぼこれと同じだと思います!」
そう言いながら、ルスュール博士は一冊の本に指を挟んでいた。多分該当する項目なんだろう。
「ご苦労様。博士、ちょっとここ見てもらえる? この部分が鍵となる部分ね。それでこっちが――」
なんだか二人の博士が、僕の首を少し持ち上げながら色々と議論している。その光景をイヌエルさんとエルフの二人が、何事かと驚きながら見ている。
「で、ここに解除の魔法を流せば外せないかしら?」
「そうですね。確かにそれなら、今までの物と一致します。他の紋様も内側に働きかけているようですし、装着された者を殺すための紋様でもないですね。でも、彼女を先に解除した方が良いのでは?」
「そうしたいんだけど、彼女は絶対安静でしょ? もしミスがあったら取り返しがつかないかもしれないわ。彼女には悪いけど、この子で先にテストをすべきね」
「成る程……分かりました。では解除の魔法を使ってみましょう」
ルスュール博士は、僕の背後に回ったようだ。それに釣られるように、他の人たちも移動する。
「もし苦しいとか、何かあったらすぐに言ってね? 私も彼も注意はするけど」
「は、はい!」
思わず緊張してしまった。
「土の精霊よ、我にその加護を与えたまえ。リングキャンセラー」
ルスュール博士がそう言うと、同時にパキンと音がした。
「成功ですね。体の方は大丈夫かな?」
「は、はい。何ともありません」
いや、むしろなんだか体が軽い気もするし、力が少しずつ湧き出してくる気もするけど、実際の所分からない。
「それじゃあ、彼女もすぐに解除しましょう。それとイヌエル先生は、一応彼の体を確認して下さい。出来れば詳細に。そちらのエルフの方は医者ですか? 良ければ解除後に、彼女の確認をお願いしたいのですが?」
「ええ、分かりました。お手伝いしましょう」
ルスュール博士は、すぐにエリーの元に向かい、他の医者と協力して、エリーの首裏が見えるようにした。程なく首輪が外れる音が室内に響く。
「うん、大丈夫そうだ。良かったね、ベルナル君。彼女も大丈夫だと思うから、とりあえず君から精密検査をしてみよう。魔法で検査するからすぐに終わるよ」
こうして長い間僕らを苦しめた首輪は、やっと外れてくれた。
毎回ご覧頂き有り難うございます。
ブックマーク等感謝です!
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また、今後以前まで書いた内容を修正していますので、タイトルに一部齟齬や追加が発生する可能性があります。本文内容の修正が終わり次第、随時修正していきますので、ご理解いただきますようお願いします。
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