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転生したら最初は苦労したけど、今は何とかなりそうです!(次話以降のデータ消失により更新停止)  作者: 古加海 孝文
第二十四章 魔獣極大氾濫(ワースト・モンスタースタンピード)
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第二百七十八話 優先すべき事は?

2018/07/24

誤字修正しました

その前に対処した法が→その前に対処した方が

「ある程度書類を回すようにしたが、酷い物も多いな」


 ほぼ完成したアルフヘイム城の執務室で、思わず愚痴をこぼす。


 正直急いで完成させるためにかなりの部分で手伝ったが、調度品関連は流石に俺では無理な物が多いので、執務室の机などはそのまま流用だ。それに元々良い物なので、このまま使い続ける事は担当の者に言ってある。


「それは仕方ないかと」


 ヘルガが台車で書類の塊を運び、それを空いている机に載せていく。書類用の机を別個に倉庫から用意したが、三つ用意したもにもかかわらず、すぐに足りなくなりさらに四つ運び入れた。


 他にもエリー専用の執務机が用意されており、エリーもこの部屋には顔パスで入室できるし、執務の手伝いを想定している。


 他にもう一部屋イロとベティの共用執務室が存在し、書類の内容などにより誰が担当するかで分ける事になった。ただし部屋の整理こそ終わっているが、それだけで即城の機能を十全に発揮できる訳でもなく、基本的にはエリーに頼んで各所の点検や使用人の新たな配置、その他細々した事を妻達に頼んでいる。


 エリーとイロの子供達は流石にまだ書類仕事を任せる訳にはいかないが、エリー達に付き添い同様にこれからすべき事を学んでもらっている最中だ。


「一番気になるのは、この大規模スタンピードの予兆だが、こればかりに対応する訳にもいかない所か。こっちの水源地整備計画も、あまり遅らせると後で問題になるからな」


 一応近くに川もあるし、魔導炉を用いた淡水確保も出来ているが、水源となる場所は余裕を持たせた方が確実だろう。計画としては川から運河を用いて人工湖に水を引き込む形ではあるが、言う程簡単に工事が出来る訳でもない。


「大規模スタンピードに関しては、エストニアムア王国の無人地帯を通過するようですが、出来ればその前に対処した方がよろしいかと。これからの関係を考えると、特にそう考えます」


 ヘルガの言っている事も正しい。現状では鎖国に近い状態だが、本来であれば同盟国だ。それに前の戦争でエストニアムア王国は戦力の質がかなり低下しているらしく、兵力の再編を余儀なくされていると聞いている。当然その様な状況では、スタンピードに対応するのは難しいだろう。


「空軍を使うのが一番だろうな。ただ、通過後にかなりの濃度の魔力が残っているという報告が気になる。下手に攻撃をして魔力汚染を広げるのも好ましくないだろう」


「そうなると、魔法を使わない形での迎撃ですか? かなり方法が限られると思いますが。実際、爆撃機等に搭載されている爆弾の多くは、魔法を用いた物ばかりです。また大型の魔物に対しては、相当の攻撃能力で挑む必要があると思われますが」


「魔法を使わない方法で試してはみるが、通常の爆弾でも一応は試さざるを得ないな。それに通過した後が何故そうなっているのか調査もしたい。問題は安全が確保できるかだが、その辺は軍と相談するしかないだろう。それにスタンピードが近づくまではまだ余裕があるはずだ。他にもやるべき事が多い」


 そう言ってから書類の束に手を伸ばし、その一つを取り出す。


「これも早期に着手したい一つだな。鉱山地帯の再整備計画だ」


 再整備自体はそれほど難しい事を要求されている訳ではないが、鉱山が広範囲に及んでいるため、どうしてもその範囲が大きいという欠点を孕んでいる。当然それがネックになるのだが、今後の採掘を考えた場合には早期に着手したい案件の一つだ。


「そういえば、森林地帯の伐採場を結ぶ道路の再整備の要望もありましたね」


「ああ。初期に作ったインフラ関係の再整備はどうしても発生するからな。そういう意味では石材関連も同じだろう。その中で優先順位を付ける必要がある」


「そうですね。どうなさいますか?」


「とりあえず軍には偵察の強化を頼みつつ、地上の土壌サンプルが入手できるか検討してもらおう。魔力が高濃度で残っている理由が分かれば、攻撃方法も検討できる。それと、これを参考にすれば優先的に整備するのは森林地帯への道だろうな。家具関係の所から、木材の要望が多いと思う。他は少し議会に検討させてみよう」


 我々王家がすぐに対応できない場合を想定して、以前の政府や議会はほぼそのまま残っている。権限は以前よりも低下しているが、全てこちらで判断をしていては時間がいくら有っても足りない。最優先でない場所は彼らに任せるのが良いだろう。


「とりあえずこれとこれ、それからそこの書類一式を議会に検討するよう伝えてくれ。これで書類の山が一つはなくなる」


 思わず苦笑してしまったが、これは仕方が無いだろう。それだけ彼らには荷が重かったという事に他ならない。勿論俺だってこういった事が得意とは思っていないが、逃げる事は出来ないのがこの立場だ。


「一つずつ解決するしか無さそうですね。後で書類を運ばせるように伝えておきます」


 ヘルガも今は書類を運ぶだけの仕事という訳にはいかなくなった。実際に書類の下読みをかなりしてもらっている。元の能力が高いので、彼女に書類の仕分けを一部してもらっているが、それがなければもっと大変だっただろう。


「まあ、決まった事は早めに処理するか」


 正直周囲に積み重なる書類を見ると溜息でもつきたくなるが、これが一段落すれば多少は落ち着くと思いたい。

毎回ご覧頂き有り難うございます。

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