表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
289/331

第二百五十六話 趣味に走って魔方陣開発?! その4

2018/03/21 記述、変換ミスを修正しました

 以前に積層構造の魔法陣を開発させたけども、正直個人的には満足していない。


 主な理由はその大きさだ。


 前回は急ぎ作成させた事と、武器として開発したため小型化は後回しとなっていた。しかし実際にこれを色々なところで応用とすると、やはり大きさが最大の問題となる。もちろん兵器としての威力は十分だろうが、一般用途としては正直普及しないのは確実だろう。


 ベティや子供達が帰った後、色々な理由を付けて残ったのは、新しい積層魔法陣回路を開発するため。出来れば静かな時に集中して行いたい。恐らく妻達は何か感ずいているだろうが、多少の我が儘くらいは許してほしいものだ。


 手元に早速用意したのは、魔力伝導性が高いミスリル銀やその他の魔法金属と、魔力を通さない物をいくつか用意する。今回は積層させた魔法陣で行うコンロだが、出力は魔法陣を出来るだけ単純化させた物とし、後で同じような魔法陣を作成して効率を確認する。


 前回も一応は成功しているので、理論上は単純な魔法陣をいくつか積層するだけで、高出力のコンロが完成するはずだが、問題は燃費だろう。いくら出力が高かったとしても、燃費や魔法陣を積層させる際に使った時間など、それらのコストが見合うかだ。


 一番上の魔法陣に関しては、通常のコンロとほぼ同じ魔法陣を描く。台座には鍋を置く部分に銅を使用し熱伝導率を高め、その周囲をカルボタイトという別名『対魔金属』で囲う。これは熱伝導率が低く、しかも金属のためこのような用途にはちょうど良い。


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


 一番下の魔法陣に魔力の供給源――今回は魔石だが――を設置し、一番上が鍋を置く形になる訳だが、問題はどれだけこれを薄型化出来るかだ。可能であれば、前世で言う所のホットプレート並みには小型化したい。そうすれば可搬性に優れる物を量産できる事の証明に繋がるだろう。


 中間層に置く三枚は、枠だけカルボタイトとし、中央の十字の所にミスリルなどの魔法金属で接続させ、下からのエネルギーを供給させる。魔法陣はミスリルの薄板に描き、その薄板はカルボタイトで魔力的に絶縁させる。一番下には熱が伝わらないように、再度カルボタイトで絶縁と熱保護を行う事で完成だが、問題はカルボタイトなどの厚さをどれだけ確保するかだ。厚すぎては魔力の伝導に問題が発生する可能性もあり、薄すぎると絶縁や熱保護の意味をなさなくなりかねない。


 本来ならアルミ箔のような薄いミスリルの板に魔法陣を描きたいところだが、今のところ一番薄い物の量産品はおおよそ十分の一セル。見た目だけだと前世で言えば一ミリ前後だと思われる。ただこれも薄すぎると量産時に問題が出る可能性も高く、そもそも薄すぎると魔法陣としての機能に問題が出る可能性もある。本来はもう少し厚みのある物でも良いのだろうが、今回は実験要素が高いので冒険といったところか。


 正直最初から成功するとはあまり考えていない。むしろこの実験で、魔法陣の性質を調べたいとも思っている。


 本来魔法陣は大抵どの様な物の上に描いても機能するが、以前から効果に若干の違いがある事は気が付いていた。そこで魔法陣など魔法系統と相性の良く、尚且つこの地で大量にあるミスリルの使い道が増えれば、それもまた一つの産業になるだろう。


 妻達には怒られる可能性も当然あるが、今回はあくまで個人的な実験と言ったので、大丈夫だとは思いたいが。


 慎重にそれぞれを重ねる事、おおよそ十分。魔法陣の作成と確認を含めても、全部で三十分はかかっていないだろう。正直形は不細工だが、魔力的な流れとしては接続されている事を確認できたので、基本的に問題はないはず。


 魔力的な流れを見るのには、ある程度知識さえあれば自前の魔力で事足りる。実際に魔法陣を起動するわけではなく、あくまで微弱の魔力を流す事で、全体に魔力が通るか程度でしかないが、それでも簡易的な確認には十分。


「ここまでは予定通り。後は動けば完璧だが……」


 実際に動くかは、結局やってみなければ分からない。魔法陣には安全対策を一応行っているが、それでも想定外な事は常に起きる物だ。


 本来なら魔石を利用するが、今回はテストが主な目的であり、最初のテストという事もあるので、自前の魔力を供給する。慎重に少しずつ供給する。


 魔力を供給しながら、魔法陣を起動させる。今回は自前の魔力で制御するため、発生する熱の量も調整が容易だ。次第に最上部の魔法陣から熱が伝わってくる。少なくともこれで、積層させた魔法陣は小型でも通用する事が分かった。一歩前進と言えるだろう。



「ここまでは順調か……」


 一旦、魔力の供給を止める。十分に魔法陣その他が冷えた事を確認すると、作成した物をそれぞれ分解して調べる事にした。


「やはり簡単ではないか……」


 魔法陣を描いたミスリルの薄板を確認すると、所々焦げたような跡や、魔法陣の線が一部溶解したような跡がある。ミスリルを薄くしすぎたか、そもそもこの魔法陣では高出力に耐えられない可能性があったのだろう。こればかりは詳しく調査する必要がある。


「まあ、最初から完璧に成功するとは思っていなかったからな」


 勿論、最後には成功させたい。しかし急ぐ必要は無いだろう。少なくともこの方法では失敗する事が分かっただけでも十分な収穫だ。


「さてと。そろそろ戻らないと、妻達に色々と言われそうだな」


 台の上を片付けて、今回失敗した試作品の上には布を被せておく。どうせここに来る者は限られており、そもそも仮屋敷の裏にあるので、勝手に出入りする事は難しい。


「ゆっくりと研究すれば良いか。どうせ時間はあるからな」


 そう言い残して、その場を後にした。

毎回ご覧頂き有り難うございます。

評価、ブックマーク等感謝です。


各種表記ミス・誤字脱字の指摘など忌憚なくご連絡いただければ幸いです。

感想なども随時お待ちしております!

ご意見など含め、どんな感想でも構いません。


今後ともよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ