第百九八話 発掘品の中にあるモノは
新年最初の投稿です。
今年もよろしくお願いします。
今回は確か三つのアニメと一つの映画をパク(ゲフンゲフン)、オマージュしています(笑)
お分かりになった方は、是非ご回答をw
2017/01/02 3:48
誤字修正等を行いました
・そういえば一応この家を→そう言われてみれば、一応この家を
・信じられないものを目に→信じられない物を目に
・これが私がクラウディア様に→これが私がクラウディア様に
・現状ではクラウディア様意外が→現状ではクラウディア様以外が
・動力は魔動炉を使用しています→動力は魔動炉を使用しております
以下に追記しました
・混乱の元になる三十万人の→混乱の元になると思う三十万人の
・不安材料だけど。→不安材料だけど。早い話が、単に板で周囲を囲っているだけ。
・人型端末のアマツカミボシに→人型ホログラム端末? のアマツカミボシに
・動きに支障は無いと言われた。→動きに支障は無いと言われた。まあ、十万年以上も保管されていたんだから、多少古く見えるのは仕方が無いと思う。
・保管されているのだから。→保管されているのだから。アマツカミボシの説明では、動力もガソリンとかではないそうだ。
・保管しているのは最下層で→保管しているのは宇宙船の最下層で
・外の様子を見る機器→外の様子を監視したりする事が可能な機器
・魔法の袋にいくつか収納。→魔法の袋にいくつか収納。衛星電話は役に立ちそう。
・いくつか運び出すね→いくつか運び出すからね。
・前世の技術よりはずっと進んでいる。→前世の技術よりはずっと進んでいる。その戦闘機だけど、前世で見たアニメであったような飛行機からロボットに変形可能な感じがする。
・戦闘は出来る程度の物らしいけど。→戦闘は『一応』出来る程度の物らしいけど。
・金属製の扉のような物がある事が分かった。→金属製の扉のような物がある事が分かった。ちょっと斜めになっているのは、気のせいかな?
・いつの間にか僕意外には→いつの間にか僕以外には
また、一部句点などの追加もあります。
とりあえず混乱の元になると思う三十万人の冷凍睡眠している人達については、もう少し判断を待ってもらう事にした。エリーはここにいないし、イロとベティ、そして僕だけで決められる事じゃない事だけは確かだし。
それでも地下に太古の宇宙船が眠っていたというのは、やっぱり驚きだ。まあ、僕以外には宇宙船の意味すらまともに理解できている人がいないみたいだけど。そもそも前世でいう所の地動説が普通にまかり通っているくらいだから、こればかりは仕方が無いと思う。
それでも前世の地球よりはマシだと思うんだよね。少なくともいわゆる天動説は否定されていない。どっちが正しいのかが分からないって所で落ち着いている感じかな。
「私達の住んでいる所が丸いって言われても、普通に平らじゃない……」
「でも、前に父と山に登った時に、遠くが少し丸く見えた気も……」
イロは地動説を信じているみたいで、ベティは以前の経験から、住んでいる所が丸いのではないかって事は何となく気がついていそう。ただ、地動説を否定する材料にもならないし、天動説を肯定する程の知識もないみたいだけど。こればかりは学者とかでもない限り無理だと思う。
「それは良いとして、この後どうするかよ。資材不足で町の建設は進まないし、地下に謎の物が埋まっているのは確認できたけど、それで町を建設できる訳ではないでしょう?」
確かにイロの言う通りなんだよね。ただ、もしかしたら宇宙船の中に工作機械や重機その他が残っている可能性もある。だからベティには悪いけど、先にエリーの所へ戻ってもらって、僕はもう少し宇宙船の調査をしたい。
そんな事を提案したら、ベティも残るって言い出した。
「ここって、まだ治安もちゃんと確保されていないし、正直安全が確保されるまでは、エリーの所にいて欲しいんだけど……」
「それなら問題ないわ。私とベティ付きの騎士も一緒だし、そもそもここはある程度信頼している者しか敷地にすら入れないようにしているのよ?」
そう言われてみれば、一応この家を取り囲む壁はあったっけ。ただ、全部木製なのが不安材料だけど。早い話が、単に板で周囲を囲っているだけ。
「ねえ、クラディ。私って邪魔なの? 確かにまだ幼い子供達もいるけど、イロもいるのよ? 少しはイロの事も信頼してあげて」
ベティからそう言われると、流石に返答に困る。前の反省もあって、護衛の騎士などはかなり身辺調査もしたし。今さらまた裏切られるとは考えにくい。
「分かったよ。でも、ベティはここで待っていてね。流石に中に入るのは危ないかもしれないから。もちろんちゃんと戻って来るつもりだし、出来れば毎日戻るようにはするから。少なくとも、連絡だけは入れるからね?」
「うん。信じているから」
まだベティは不安を隠せないでいるけど、流石に中に入る事は諦めてくれた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
色々あったけど、それでもエリーには別の人が連絡してくれる事になったし、イロは町の開発で忙しい。ベティも助言くらいはしてくれているみたいで、それだけでもイロは助かっていると後で教えてくれた。流石にいくら僕らが領主の立場だとしても、イロだけで出来る事は限られているし、そもそもこの町の開発は現状イロが仕切っている。周囲の人が助言をしても、やっぱりどこか疎外感はあったみたいだ。それをベティが補佐する形になったので、それだけでも気が楽になったと教えてくれた。
そんな僕は、昨日と同じように人型ホログラム端末? のアマツカミボシに案内をしてもらい、宇宙船の内部、特に格納庫と呼ばれる部分に案内してもらう。護衛として騎士二人と兵士二人も同行してもらっている。
格納庫はいくつかに別れているみたいで、それこそ重機もあれば農業用の機械など、様々な物が残っていた。最初は壊れている事も覚悟していたけど、どうやらこの宇宙船の中には保守を担当しているロボットがあるらしい。そのロボットも常に動けるように整備を行っていたらしく、見た目こそ古くなっていたけど、動きに支障は無いと言われた。まあ、十万年以上も保管されていたんだから、多少古く見えるのは仕方が無いと思う。
それよりも驚いたのは保管されている機器の数々。
運び出すのには色々と考える必要があるけど、使えれば領地の発展に寄与するのは間違いない。何せクレーンやブルドーザー、パワーショベルはもちろんとして、耕運機などがほぼ使える状態で保管されているのだから。アマツカミボシの説明では、動力もガソリンとかではないそうだ。
ただ、アマツカミボシはそれよりも僕に見せたい物があるらしい。
それを保管しているのは宇宙船の最下層で、当然現状では外に出す事が不可能なので使い道はないそうだけど、何やらかなり巨大な物みたいだ。
音声案内を頼りに、それが保管されているという場所に向かうけど、その途中にも色々な物が保管されていた。
具体的には、今でも稼働していると言っている衛星電話や衛星を使った監視システムで、外の様子を監視したりする事が可能な機器。他にも前世で見た事があるような兵器の類いまである。しかも使い方は簡単らしく、とりあえず前に作った魔法の袋にいくつか収納。衛星電話は役に立ちそう。
そのうち何だか巨大な格納庫らしき場所に到達すると、思わず僕は息を飲んだ。
そこにあったのは明らかに見た目は戦闘機。デザインこそ若干僕が知っているのと違いはあるけど、アマツカミボシが言うには今も完全に動くらしいし、宇宙空間は元より、大気中でも使用可能だという事。これ、本当に十五万年くらい昔の技術なのか、正直疑いたくなる。
戦闘機の他にも戦車らしき物や、それらが使う砲弾もあるし、故障した場合の予備部品もほぼそのまま残っているとアマツカミボシは言っている。もしそれが本当なら、かなりのオーバーテクノロジーだ。何せ戦闘機は大気圏突入能力まであるらしいのだから。少なくとも前世の技術よりはずっと進んでいる。その戦闘機だけど、前世で見たアニメであったような飛行機からロボットに変形可能な感じがする。
他にも前世のSF映画で見たような、人が乗り込むタイプの作業ロボットらしき物が大量にあるし、しかもそれらには武器も当然搭載可能らしい。ただ、乗員の保護は最低限らしくて、前世のSFモンスター映画で見た、寄生する異星人と女性が戦ったパワーローダーに近い。実際、元々は作業用の物らしいので、戦闘は『一応』出来る程度の物らしいけど。
そして宇宙船の最下層に到達した僕らは、信じられない物を目にする事となった。
「これが私がクラウディア様にお見せしたかった物です。正式名称は第六世代型恒星間航行用移民船護衛型第二十二式戦闘艦スサノオ型『ワカスセリ』。この星に到達するまで使用する事はありませんでしたが、敵性体などから本船を防衛するための物となります。他に第八世代型恒星間航行用移民船護衛型戦闘艦インバ型が十七隻など、全てを含めると五十九隻の船団護衛戦闘艦が今も保管されています。なお、全て稼働できる状態です」
ワカスセリと紹介された戦闘艦は、全長だけでも前世で言えば戦艦の長さは優にあるはず。下から見上げる形なのではっきりとは分からないけど、主砲らしき物もあるし、ミサイル発射管じゃないかと思う物もある。
「アマツカミボシ、なぜこれを僕に見せたの?」
「今は必要ないかもしれませんが、この宇宙船にはこういった物が存在する事をお伝えするのが私の義務です。どの様な形にしろ、この中にはこういった物が存在する事をお分かり頂かないと、後に悪用される事も考えられます。もちろん現状ではクラウディア様以外がこれらを動かす事は出来ませんが、いずれクラウディア様の奥様や御子息にもこの存在をお伝えして頂きたいのです。私はあくまでこの宇宙船を制御しているシオツジの代理でしかありませんが、もしこれらが必要になるような事がある時に、何もご存じないという事だけは避けなければなりませんので」
確かにこんな物がこの宇宙船にある事は、アマツカミボシも色々と危惧する事があるのだとは思う。ただ、現状では地下深くにあるため、これらを地上に出す事は不可能だけど。
「これらの戦闘艦は魔力などを元にした構造とはなっておりません。ですので当然扱い方もこの世界の方々には理解できない事が多いと思われます。しかしながら私は、もしクラウディア様が必要と判断された時には、いつでも使用可能なように準備される事をお勧めする次第です」
どう考えてもここにある物は、この世界にとって過剰戦力だとは思う。でも、前にあった反乱などを考えた場合に、選択肢がある事は間違ってはいないとも思う。それだけに、どこか複雑な思い。
「ここに保管されている、この戦闘艦の資料はもらえるのかな? 見ただけで判断できる程、僕だって頭が良い訳じゃないし、これらがどういった物かはちゃんと知っておく必要があるから」
「もちろんでございます。これらを含めて、この宇宙船の中に保管されている物で、現状稼働可能な物は資料としてお渡しします」
それにしても凄い光景だ。何せ旗艦と呼ばれたワカスセリ他数隻はまだ良いとして、他の戦闘艦は天井からぶら下がっていたりする。何で落下しないのか不思議。
「とりあえず領地の開発が優先なのは理解して欲しい。だからさっき見させてもらった使えそうな物は、いくつか運び出すからね。ここにある戦闘艦については、少し考えさせて」
「もちろんでございます。それと、さらに見て頂きたい物があるので、奥にお進み下さい」
一体今度は何を見せるつもりなんだろう?
さらに奥に案内されると、どうやら宇宙船の外に出たらしく、周囲が土壁で囲まれている。そしてその中に一箇所だけ、どうやら金属製の扉のような物がある事が分かった。ちょっと斜めになっているのは、気のせいかな?
「ここから先へは私が直接ご案内する事は出来ませんが、あちらにあるのはこの星に到達してから建造を行いながらも、結局は未完成に終わった宇宙船であり、戦闘艦です。内部は機能していますが、未完成のため武装の一部が完成していないのと、以前にあった崩落により、あのように土砂に埋もれてしまいました。あちらはこの世界で建造を始めた物ですので、動力は魔動炉を使用しております。動力炉などは完成していますが、ご覧になった通り、あのままでは使用する事は無理かと思われます。しかしながら魔動炉は当時の技術を最大限に使用した物で、今でも十分に実用的な物となるでしょう。魔動炉の設計図は私にも記憶されておりますので、後ほど全体図を含めてお渡しします」
土砂に埋もれた戦闘艦と聞いて、前世で見たとあるアニメを思い出した。まあ、偶然の一致だろうけどね。それにしても、昔この星に到達した人達は、一体何をしたかったんだろう? それが疑問に思えて仕方がない。
「そろそろお戻りになられた方が良いかと思われます。それから護衛に来て頂いた四人の方ですが、他言はなさらない事です。現状でも私が監視をしておりますので、クラウディア様に不利益な事をなさった場合には、相応の処置を取らせて頂く事となります」
「相応の処置?」
思わず聞き返すと、いつの間にか僕以外には目に見えない機械が脳の中に侵入しているらしい。もし僕に不都合な事を安易に漏らそうとすると、その瞬間脳を破壊すると言われて、護衛の人達が震え上がった。
この世界ではあまり脳については分かっていないのだけど、結果的に最低でも廃人、最悪は死に繋がると警告されれば、そりゃ誰だって怖くなる。
でも、そこまでしてここを守りたいなら、僕だけを案内すれば良かった気もするんだよね。まあ、護衛の人達が納得するかは別だけど。
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