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第百四八話 崩壊と再生

変換した語句は一応確認したけど、いまいち自信が無いかも……


2016/06/14 10:18指摘がありましたので、 誤字及び一部内容表記の修正を行いました

「ティダージャ トリスト ジェ ティフ ストラーマ プシ マスア グレバ ヤンミ マギスカ プシ スプロガス バウ ラ プロネス ティフ」


 僕がそう唱えると、目の前の大地に高濃度の魔力が集まり出す。


 ある程度撤退している僕らを追って、敵はそのまま領地の入り口へと進入している所だ。そこに向けて僕が魔法を放った。


 少し目眩がして足下が覚束なくなったけど、それをペララさんが支えてくれる。


「よし、撤退急げ! 遅れるなよ!」


 ペララさんがそう叫ぶのを確認して、僕は意識を手放す事にした。


      ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


「な、何が起きているんだ?」


 進軍中の誰が言ったのだろうか? 突然大地が揺れだし、今まで経験した事の無い魔力が周囲に集まっている事を、彼は肌に感じた。


「て、撤退すべきでは!?」


「敵は目の前だ! このまま急ぐぞ!」


 少し後方にいた指揮官がそう叫んでいるが、彼の声にもどこか恐怖が見え隠れする。


 次第に大地の振動が大きくなり、彼らの足下が崩れるのに、そう時間はかからなかった。そして同時に多数の阿鼻叫喚がひしめくのを、後方に待機していた者たちは、ただ見ている事しか出来なかった。


      ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


「な、何が起きた! 説明せよ!」


 後方で進軍が始まっていたのを確認していた所、突然子爵領へと向かう唯一の道から轟音が鳴り響いた。


「ふ、不明ですが、膨大な魔力を感じます!」


 補佐として連れてきていた魔法使いの一人が報告してくるが、こいつの顔は真っ青になっている。


 この国ではほとんどの者が魔法を使えるが、それを戦闘に効率よく使えるとなると限られてくる。こいつはそんな者の一人だ。


 突然目の前に砂塵のようなものが浮かび、直後に多数の悲鳴が聞こえてきた。砂塵のせいで何が起きているのかは分からない。


「テリラ男爵、て、撤退を指示して下さい! 彼らが危険です!」


 魔法使いはそんな事を言っているが、たかが百人程度の敵を前にして、撤退などあり得ない。そもそも多少魔法が得意だとしても、我々が負けるなどあってはならないのだ。


「魔法で迎撃しろ。こんなのは虚仮威しだ!」


 所詮目くらましだろう。慌てる理由にはならない。あの悲鳴も、一時的に混乱した味方が単に恐怖しただけだ。


「魔法が使える者は、全員防御に当たれ! こんな虚仮威しに窮するな!」


 私がそう叫んだ直後に、正面で何かが崩れる音と共に、巨大な火の柱が現れる。十分に距離はあるはずなのだが、それでも肌が焦げるような熱を感じる。


「な、何が起きたのだ……」


 私も含め、誰もが唖然として何が起きたのか分からない。


 しばらくして熱気が多少なりとも少なくなると、目の前には信じられない光景が広がっていた。バスクホルド子爵領に続く山岳からの唯一の道が、文字通り消失している。それどころか、周囲一帯が消え去り、巨大な穴のような物が出現していた。


「で、伝令! 先行部隊は壊滅! 生存は絶望的! 山岳部からの道は消失しています。消失部分はまるで溶岩のような物が下に広がっている模様!」


「バ、バカな! あんな事が出来るはずが無い!」


 傍にいた魔法使いの声は、まるで悲鳴のような叫び声だ。


「状況の把握に努めろ。何があったのか調べるんだ。残存兵の数を確認せよ。まだ部隊の一部を失ったに過ぎない。偵察部隊を先行させろ。他に道があるはずだ」


 失った部隊は惜しいが、我々の本隊では無い。所詮相手は烏合の衆だ。我々を止める事など、出来るはずが無いのだ。


      ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


「間もなくサヴェライネンです。アルマル様、ご指示を」


 忌々しいバスクホルド子爵家の領地に潜り込ませていた一人が、私の指示を待っている。


 少し遠くにはサヴェライネンの町が見えている。その奥に、あの忌々しい子爵の屋敷もある。あの連中を始末すれば、こんな戦いも終わる。そして私達があるべき姿の王国を築く事が出来るのだ。


 ただ残念な事に、サヴェライネンへと潜らせていた密偵からの連絡がない。気にはなるが、大きな問題とはならないだろう。


「全部隊に進軍命令。我々の悲願を達成する」


 ここさえ落とせば、後は封じているはずの伯爵家を追い落とし、王家を排除すれば全てが終わる。私達の目的が達成されるのも、すぐだろう。


      ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


「さすがクラディね。私が考えている以上の仕事をしていたみたい」


 地下に密かに設置されている魔道具を見ながら、思わず呟いてしまった。


 これはクラディがミランダから教わった知識などを応用して作成した、屋敷とバスクホルド特別区を守るために制作した、巨大な防護壁を展開する魔道具。


「エリーナ様。防護壁の展開は予定通り終わりました。現在バスクホルド特別区には二重の障壁が展開されております。さらに屋敷周辺には、五重の障壁で守られております魔動飛行船でなら侵入は可能ですが、そちらも我々の識別がなければ迎撃可能な状態です」


 副侍女長のヒッレ・ハーパサロが私に報告してくれる。他にも王都から一緒に来てくれたメイドたちが、今も周辺の警戒や内通者の洗い出しを行っている。一応全ての洗い出しは終わったはず。それでも、どこに綻びが出るか分からないのだから。


 少しだけど私の出産が早くなった事で、クラディが出来なかった事を出来る。確かにまだ私は本調子ではないのだけど、今はそんな事を言える状況じゃない。私にだって出来る事はあるし、そもそも私がこの領地の責任者なのだから。そして、生まれた子供たちのためにも頑張らないと。


「配置の方は問題ないわね? とにかくクラディと何としても連絡を取りなさい。ですが、反逆者には注意して。恐らく一日以内に何らかの手段を講じてくるはずよ。早ければ、既に近くにいる事も考えられるわ」


 しかし、この秘密は知らないはず。何せクラディが単独で設置したのだから。色々手間はかかったみたいだけど。まさか本当に役に立つとは思わなかったわ。


      ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


「アルマハーノ船長、本当に大丈夫なのですか? 確かに我々は拘束こそされませんでしたが……」


 副長のオリヴィエ・ベルジェが不安そうに聞いてくる。まあ、確かに心配するのは分かるのだが。私だってまだ不安が払拭した訳では無い。だが、ここで大人しくする理由も無い。


「クラウディア様を信じるしかないな。この場では、我々二人にしか知らされていない秘密だ。まあ一部の技術者には多少分かっているとは思うが、それでも全体像は知らせないようにしたらしい。あの方は、少なくともこういった事は中々のやり手だと思う。敵にはしたくないな。そして何より、種族差別をされないあの方だからこそ、我々のような他種族を重用してくれる」


「確かに仰る通りですね。ですが、我々二人だけで動かせるのですか?」


「その為の、この魔動キーだ。クラウディア様が内密に用意してくれた。飛行船とはいえ、武装された船だ。こんな事態を予期していたのかは分からないが、おかげで助かった」


 従来の輸送船とは違い、この武装魔動飛行船には秘密が多い。そして他の魔動飛行船との違いは、動力源となる魔石が魔動エンジンに直接組み込まれている事だろう。しかも簡単に目視出来る場所からは確認出来ないようになっているし、偽装もされている。設計図を見た限りでは、普通には到底分からないはずだ。それ以外にも、魔石はかなりの数が偽装して設置されている。軍用として設計したので無駄が多いとの話をクラウディア様はしていたが、安全策としては心強いのも確かだ。


 また魔動飛行船を操船する場所は、我々が普段使う操舵室と言わずに、艦橋というそうなのだが、そこで全ての指示が行えるのも特徴だ。普通の魔動輸送船の場合は、全てを操舵室で行う事は出来ない。


 他にも多数に別れた気嚢きのうが、艦橋からの指示で内部空気を簡単に吸排気可能な事。これにより普通の魔動飛行船よりも、複雑な動きが出来るようになっている。気嚢の空気を利用するだけでも方向転換が可能だそうだ。


 他にもこの武装魔動飛行船をコントロールするための各種配線は、三重の安全策が採られているそうで、特に重要な部分に関しては五重になっている。一般に知られているのは二つの配線だけで、これもごく一部の物にしか知らされていない。そして配線の途中には、予備の小さな魔石がいくつも組み込まれており、本来使用する動力源の魔石が無くとも、これらの魔石で運行が可能なように設計されている念の入れ用だ。


「連中は、この武装魔動飛行船が無力化したと思っているのだろうな。おかげで我々には見張りすら付けられていない。まあ、これで助かったとも言えるが」


「ですね。ですが稼働出来るのはこの飛行船だけです。それに爆弾等の武装は持ち出されております。どうなさるのです?」


「流石にクラウディア様もそこまでは考えておられなかったようだが、エリーナ様がその辺は考えておられた。まずはバスクホルド特別区へ向かう」


「了解しました。忙しくなりそうですね」


「それが我々の仕事だからな」


 何はともあれ、エリーナ様の指示を仰ぐ必要がある。それも早急にだ。


      ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


「これは一体何事だと言っている!」


 思わず怒号になってしまったが、そもそもこんな事態になるとは思ってもいなかった。


 一体どの様な方法を使ったのかも想像出来ないが、一瞬のうちに二千の兵が山道と共に奈落の底へと消えてしまった。しかも前兆など何もなくだ。突然起きた何らかの魔法に、我々は混乱の極みにある。


 本来であれば、先遣隊の二千だけでも十分に占領出来る数である。それをわざわざ万を超える兵まで集めたのは、子爵の連中が持っている鉱山や田畑、その他我々が知らない技術などを出来るだけ無傷で鹵獲するためだ。


 無論多少の犠牲は予想していた。それでも精々百に届かないと考えていた。どう頑張っても、彼我兵力を考えれば百でも多すぎるのだ。


「テリラ男爵、落ち着いて下さい。我々も調査は行っているのですが、魔法解析の専門家でも分からないとの事なのです。普通なら考えられない事なのですが、同時に複数の大規模魔法が行使されたとしか。ですがそれは不可能なはずです。これだけ大規模な魔法を行使するとなれば、我々の抱えている魔法兵団をもってしても、下準備だけで十日はかかるかと。ですがその様な徴候は何も発見されておりませんでした」


 全く使えない奴らだ。ここが終わったら、すぐさま王都に向かい占拠するはずだったのだ。それが全て台無しになった。


「それで被害の方ですが、死者は現在判明しているだけで二千三百五十ほど。行方不明が二百ほどです。さらに負傷者は三千を超えます。うち、重傷者は六百ほどです」


 どうやったのかは分からないが、山道が消えた後には巨大な火口のような物が出来上がっていた。そこから出る熱気で、さらに負傷者が増えている。今も治療が各所で行われているはずだが、重傷者は助からない可能性の方が高い。


「現在、他に進軍可能な道があるか調査を続行しておりますが、先ほどの影響の為か各地で大規模な崩落も起きております。周辺三十(ケイロ)はどこも通る事は不可能です」


 忌々しい。そもそもなぜこんな事になったのだ。いくら情報にあるあの二人の魔力が高いとはいえ、一人は出産直前で動けないはず。もう一人にしても、こんな事を一人で出来るとは到底考えられない。そもそも不可能だ。


「調査は継続させております。進軍出来る経路が判明次第、すぐにお知らせします」


 これでは作戦が台無しだ。


      ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


「それは本当であるのか?」


 緊急の要件があるとの事で、普段は使用しない特別室にてその報告を聞いたが、私は思わず耳を疑った。


 離れた所で、さらに上空から魔動飛行船を用いて偵察させていたが、バスクホルド子爵領を結ぶ唯一の道が、突然崩落し火に呑まれたと報告が来たのだ。


「確かな情報でございます、陛下。現在バスクホルド子爵家との連絡も途絶しております。現地で何が起きたのかは全くの不明です」


 魔動飛行船の能力を最大限に使い、最初の報告がそれだ。今はさらに二隻の魔動飛行船を急遽偵察のために派遣させているが、情報が集まるのに時間がかかるであろう。なにせここに送られた魔動飛行船の習熟には、まだ時間がかかっている有様であるからだ。


「伯爵の方からは何か聞いておるのか?」


「現在、さらに一隻の魔動飛行船を準備中で、バスクホルド伯爵はそちらにて現地に向かうとの事でございます。陛下にはくれぐれも反乱に注意して欲しいとの言付けを承っております」


 バカな貴族共が反乱を企てているという事は、以前から掴んではいた。しかしこのような直接的な手段を用いてくるとは……。


「王都全体に非常宣言を出すように。夜間の外出は禁止せよ。城の周辺の警備を再度確認し、伯爵家との連絡がいつでも取れるように手筈を整えるのだ。王都への出入りは別命あるまで最低限で行うようにせよ」


 一ヶ月程度であれば食糧に関して問題は無い。それまでにこの状況を解決する必要はあるのだが。


「陛下。恐れながら申し上げます。日中に限り許可した商人だけでも出入りは可能な限りさせるべきかと。無論徹底した検問は必要でございますが、完全に封鎖されるのは如何かと思われます」


「食糧だけなら、問題ないはずだが?」


「確かにその通りでございますが、人は食糧だけで生きている訳ではございません。また、王都へと入る事が出来る門も、限定すればよろしいかと存じ上げます」


 確かに内務卿であるハルコアホ侯爵の言う事も間違ってはおらんか……。


「分かった。しかし警備は厳重にせよ。リーッカネン伯爵。そなたは軍務卿の権限を持って、王都全体の警備体制の強化を図れ。他の者も現状の把握を優先するのだ」


 全く忌々しい。あのバカなテリラ男爵のせいで、平穏な日常が崩されるとは。


「それと、今回の首謀者及び関係者が保有する王都の屋敷は全て封鎖、内部の者は捕らえよ。場合によっては王国軍の動員も構わぬ。どのみちあのバカ共を、このまま放置は出来ん」


 せめて子爵家が無事である事を、今は祈るしかあるまい……。


      ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


 しばらくして目覚めると、どうやら一旦休憩を取っているようだ。僕は外のテントに設置されたベッドに寝かされていた。多分誰かが運んでくれたんだと思う。


「状況はどうなったかな?」


 僕が起きるのを待っていたのか、ペララさんがすぐ傍にいる。


「正直驚きました。領内への道は完全に崩落し、かなりの数の敵を道連れにしたと思われます。流石に数までは確認する余裕がありませんでしたが」


「ちょっと魔法が強すぎたかな? まさか魔法の威力の反動で、気を失うとは思わなかったよ」


「ですが、これで当分は敵も追ってくる事は出来ないでしょう。それにしても凄い魔法でしたが、一体どの様な魔法だったのですか?」


 僕は土属性の魔法で周囲の崩落を行った後、火属性の魔法で火炎地獄状態にした事を伝える。崩落というより、実際には地下三キロくらいまでを地表だけ残して圧縮し、その上に残った地面をミキサーにでもかけるかのように崩落させた。火炎魔法は少なくとも三時間は消える事がない威力だし、恐らく溶けた大地が溶岩のようになっていると思う。ちなみに範囲は十(ケイロ)の範囲に及ぶはずで、おおよそ百平方キロくらいのはず。


 山岳にある道はどうしても長さがあるので、長方形をイメージして崩落させた。実際には四(ケイロ)×二十五(ケイロ)くらいの幅になっているはずだけど、どうしても大きいので若干楕円形気味になっているとは思うけど。


 道があった場所は左右共に二十五(ケイロ)は人が通る事が出来ない場所である事は確認しているし、そこを迂回しても大軍が進軍出来るような場所じゃない事は、地図を作成している段階で分かっている。


 どの程度かは分からないけど、かなりの死者が出たのは確実。今さらそれをどうこうは思わない。仕掛けてきたのは向こうなのだし。それを聞いてか、流石のペララさんも唖然としているけどね。本当は呪文を唱える必要は無いはずだけど、それでも意識して広範囲魔法を使うので、前に覚えていた魔法の呪文を使った。効果があったかどうかは分からない。


「この先はどうなさいますか?」


 やっと正気に戻ったペララさんだけど、まずはこの先どうするかだ。指揮官としては僕に優先権があっても、現実問題としてきちんと軍の指揮を執る能力が有るのはペララさんが一番だと思う。


「そうだね……。とりあえず最低限の偵察だけを残して、一旦屋敷に戻った方が良いかな? エリー達の事も気になるし、この感じだと川に配置した飛行船の部隊も怪しいよね? 心配なのは、サヴェライネン周辺にヴェーラ・アルマルが攻め込む事かな? 一応対策はしているけど……」


「はい、仰る通りです。恐らくアルマルは屋敷に進軍すると思われます。どちらにしても、あれだけの軍を相手にするのであれば、王都とも何とか連絡を取る必要があるかと」


「まだ試験飛行しか終わっていないけど、高速魔動飛行船を王都に向かわせよう。戻ったら準備を早急にお願い。陛下に早く連絡をしないと」


 魔石の魔力使用量などを全て無視して、とにかく高速で飛行する事を前提とした高速魔動飛行船の試作機は作っている。今までは操舵室など全て気嚢の外側に配置していたけど、高速魔動飛行船は気嚢の内部に設置した。もちろん空気抵抗とかも考えて、流線型というか、前世のテレビで見た確かフランス製の超音速旅客機を一部模したシルエットを前方などはしているんだけどね。魔動エンジンも八機で、大型化したやつだ。さすがに最高速度のテストまでは出来ていないのが、今になって悔やまれる。


「はい。それと一旦兵力を再編成する必要があるかと。クラウディア様としてはあまり良い方法だとお考えにならないでしょうが、領民も徴兵を行い、戦闘の準備をさせるべきです」


「そうだね。まさかあんなに準備してくるとは思わなかったし。ああ、それと偵察に残す人は、無理に偵察を続行させないで。出来るだけ撤退しながら状況を把握した方が良いと思うから。その辺はペララさんが詳しいよね?」


「はい。お任せ下さい。どちらにせよ最低数日は、山岳部の部隊は確実に進軍出来ないはずです。その間に我々も準備を整えましょう」


 どちらにしても、今の場所から少なくともサヴェライネンまでは戻らないといけない。もちろん可能であれば屋敷にだけど。そして今の位置からだと、普通に移動したとしても三日はかかる。馬車ではなく、魔動車を使った場合でもだ。


 早くエリー達の顔が見たい。やっぱり僕は戦争とか向かない性格だと思う。物を作っていたりする方が、どう考えても僕としては楽しいしね。

毎回ご覧頂き有り難うございます。

ブックマーク等感謝です!


各種表記ミス・誤字脱字の指摘など忌憚なくご連絡いただければ幸いです。評価、ブックマーク、感想なども随時お待ちしております! ご意見など含め、どんな感想でも構いません。


今後ともよろしくお願いします。

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