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(旅の始まり)町をぬけて

僕は自転車を念力で走らせた。

念力というのはエネルギーのことだ。

エスパーのことではない。


「気持ちいいねぇー風が」


僕は率直な感想をのべた。

自転車の足場(?)に足を置き、自転車を走らせていると

風をきるような感覚になる。

なんというかぁ、こう、風が体にまとわりつくような感じ


「そうだねぇーって僕は何も感じないけどさ」

「そうだね。クロは時計だからね」


僕とクロは笑いながら自転車で走った

まだ知っている街並みから抜け出せない。

自然がいっぱいのこの町。

早朝の日の光が微妙に葉っぱたちを照らす


僕は突然歌が歌いたくなって、大好きな歌を口ずさんだ。



世界中探しても見つからない

どこ探しても見つからないって


そんな幸せを感じながら生きる

ことができたらいいな

でもそれは叶わぬ願い


幸せって気付かないもの

目には見えない

一体幸せってどこにあるのだろうと

探してみても見つからない


決して見えない、触れないもの

それが幸せなのだろう


自分にしかわからないし、自分だけの現実のことだって

やっと気付いた


世界中探してもみつからない

どこ探しても見つからないって


それはそうだろう

だってそれは君の君だけの現実なのだから



「また”自分だけの現実”?」

「いいじゃん。好きなんだからさ」



クロに少し呆れられた。

僕の歌はよくほめられる。

どうやらうまいらしい。でも、これしか歌えないという

というよりこれしか歌う気にならないっていう変わった女の子だ


「あ、そろそろ知らない景色が出てきたよ。ほら」


僕は景色を見てみた。

確かにそれは知らない景色だった。

自然が豊かなのは変わらないけど

音楽教室や、図書館。本屋さんなどなど

僕が普段見慣れない建物がいっぱいだった


「わぁ~・・・すごい」


僕は思わずそんな街並みに見とれた。

やっと、やっと自分たちの町から離れたんだ。


「これが、僕たちのしらない世界だよ」

「まだ隣町に来ただけだけどね」

「でも、やっぱりいいよね」


僕たちは自転車をもう少し走らせた


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