丁寧な国
「ねぇ恵ぃ」
「ん? 何だい?」
「これから行くところはどんなところなんだい?」
「なんでも、旅人の評判では”丁寧な国”と言われてるらしいよ」
「わぁーお! それはいいやっ」
「そだね。期待しておこう」
自転車(本当に自分で転がる自転車。人間の体内にあるエネルギーを使うことで、少し浮き、摩擦ゼロを実現した自転車。バイクに相当する速さを出すことができる)
を走らせて次の国へ向かう。
そして、数時間走らせると
関所が見えてきた。
入国審査手続きを簡単に済ませると、
「門が開きます」と機械の声がして、関所の門が開いた。
その技術に二人(厳密に言えば一人と一つ)は感嘆を漏らす。
そして、門が開ききると、中から大勢の人が見えて
「ようこそ! 旅人さん」と丁寧にごあいさつをしてくれた。
「ありがとうございます」
「ありがとうー」
僕はいつも聞いている事を聞いた。
「すいません、ここに○○○はありませんか?」
「…ッな」
何故だか周りの空気が凍りつく。
そして、一瞬にして僕らを見る目が変わった。
どこか差別するような…いや、軽蔑するような…?
まぁ、そのような眼に変わった。
「○○○ですって!?」
「なんて下品なやつだ!」
「え、いや。僕はただ○○○を探しているだけなのですが」
「えぇい! こいつ、まだいうか!」
「僕は○○○や、○○に行きたいだけで…○○○○○○○だけなんです」
「なんだこいつは! けがらわしい!」
「それ以上言うな! 帰れ!」
「そうだ! かーえーれー!」
「「「「「かーえーれーかーえーれー!!」」」」」
「そうですか…では、失礼しました。今晩はこの国を出たところで○○します」
「もう!! でてけーっ!!」
僕はその国を後にし、クロに一言。
「ほら、聞いてた通り。」
「ほんとだね、なんで○○○とか○○とかで怒るんだろう」
「それは、きっと○○○○○○○○○○○からだよ」