ゲラゲラコンテスト 漫才 「ラフレター」
ツッコミ「冬になりましたね」
ボケ「寒くなったね」
ツッコミ「冬と言えばクリスマス、バレンタインにホワイトデーって恋人たちのイベント多いじゃないですか」
ボケ「街中がウザくなるよね」
ツッコミ「そんな言い方はないんじゃない?でも、確かに町中カップルがいっぱいで、それを見ると『あー、僕も恋人欲しいなー』なんて思うんだけど、君はそう思うことない?」
ボケ「ある」
ツッコミ「まあ、君は恋人なんて……え?あるの!?」
ボケ「ある。今、気になる子がいる」
ツッコミ「へー、意外」
ボケ「でも、どうしたらいいか解からない」
ツッコミ「だったらベタに手紙を書いて思いを伝えたらどうかな?」
ボケ「実はもう書いてある」
ツッコミ「お、いいじゃないか。じゃそのラブレターを」
ボケ「ラブレターじゃない」
ツッコミ「え?じゃ、何なの、その手紙?」
ボケ「ラフレター」
ツッコミ「ラフレター?ラブレターじゃなくて?」
ボケ「うん、ラフレター」
ツッコミ「……ラフレターって何?」
ボケ「ラフな手紙」
ツッコミ「うん、そのまんまだね」
ボケ「ラフな思いを伝える手紙」
ツッコミ「ラフな思いって、ただの友達じゃん」
ボケ「うん」
ツッコミ「まあ確かに、友達から始めるっていう手もあるけど、それで思い伝わるかな?」
ボケ「伝えようと手紙書いたら長くなりすぎちゃって」
ツッコミ「それ!その手紙がラブレターだよ。長くなりすぎたんなら見せてよ。僕がいい感じに添削するから」
ボケ「……見せるの恥ずかしい。読むから聞いて」
ツッコミ「そっちの方が恥ずかしいと思うけど」
ボケ「Deathミーちゃん」
ツッコミ「ちょっと待て!何て言った!」
ボケ「Deathミーちゃん」
ツッコミ「うん、それじゃミーちゃん殺しちゃってるね」
ボケ「そう?」
ツッコミ「うん、Deathミーちゃん、だと『死のミーちゃん』になっちゃう」
ボケ「そうか……(小声で)間違ってもいないかな」
ツッコミ「ん?何か不穏なもの聞こえたけど」
ボケ「何でもない」
ツッコミ「そもそも、お前何を書こうとしてそうなった」
ボケ「手紙書くとき、冒頭にその人の名前の前にDで始まる単語付けるじゃん。あれオシャレでいいなって……」
ツッコミ「それ『Dear』な!D・e・a・rのディア!親愛なるって意味の!」
ボケ「そう、それ」
ツッコミ「Deathじゃ真逆!」
ボケ「そっか、後で直す」
ツッコミ「先が思いやられる……とりあえず続き読んでみて」
ボケ「Deathミーちゃん」
ツッコミ「せめて直して読めよ」
ボケ「好きです。大好きです。初めて見た時から、僕はあなたに釘付けでした。気が付いたらついついあなたを目で追ってしまいます。物陰に隠れて、あなたに見つからないように見ています」
ツッコミ「何か引っかかるけど……まあいいや、続けて」
ボケ「今日も、あなたの半径10m以内に近づかないように注意しながら見守っています」
ツッコミ「ストーカー!それストーカー裁判の判決の距離!」
ボケ「この半径10mから更に近づけたらどんなにいいか、日々夢見ています」
ツッコミ「もう判決出ちゃってるね」
ボケ「毎日、不審者に襲われないように、あなたを見守っています」
ツッコミ「お前が不審者だよ!」
ボケ「もし不審者が現れたら、このナイフで刺します」
ツッコミ「ダメー!待って、ナイフ持って女性にまとわりついちゃダメ!」
ボケ「僕が君を守る!」
ツッコミ「かっこよく言ってもダメ!おい、ちょっと待て。この場合、明らかにお前の方が不審者だからな」
ボケ「何で?」
ツッコミ「物陰から距離保ってナイフ持って女性を見守る行為の、どこが不審者じゃないんだ!!」
ボケ「?」
ツッコミ「解からないって顔するな!!!」
ボケ「続けてもいい?」
ツッコミ「……怖いけど、ちょっと続けてみて」
ボケ「今日も一日あなたを見守っていました。ここまで書いてもあなたは嘘だと思うかも知れません。今日あなたが一日したことを記します。朝、六時半の目覚ましで起床、朝食はごはん一膳にごはんですよと……」
ツッコミ「怖い怖い怖い!って言うか、これ完全に家の中の風景!盗撮?完全に犯罪だよ!」
ボケ「……ここからミーちゃんの一日が5枚分位」
ツッコミ「探偵の報告書!完全に素行調査の報告書だから!って言うか、それを遙かに越えてるから!」
ボケ「で、〆は『あなたに近付く悪い虫は全て殺す』……やっぱり長いよね」
ツッコミ「問題はそこじゃない!」
ボケ「だからこのラブレターをダイジェストにまとめたのがラフレター」
ツッコミ「果たしてダイジェストにまとめてどうにかなるか解らないけど……とりあえず聞かせて」
ボケ「Deathミーちゃん。好きです。大好きです。ナイフであなたを殺す」
ツッコミ「ただの殺害予告!もういいよ!」