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第4話 戦いの力

突如禊とナズナの目の前に現れた儀式魔道者(グリモリチュアル)

ゲノムと名乗る者はナズナの魔導書を狙って来たとされる。

ナズナはゲノムとの戦いを受けるが…

赤い光の中から現れた人の形をした者は河川敷にいる禊とナズナに目を向ける。

気付かれた…!!

そいつは口元に不穏な笑みを浮かべる。


「あいつは…儀式魔道者(グリモリチュアル)!!」

ナズナの表情が凍りつく。

それを察した禊は本能であいつは危険な存在と認識した。


儀式魔道者(グリモリチュアル)と呼ばれるものはものすごいスピードで禊とナズナのいる河川敷まで走って向かってくる。

ナズナの目の前まで来ると手を伸ばしナズナに襲いかかろうとする。

「お前の魔導書(グリモワール)いただく!!!」

ナズナに手が届く前に禊が敵の顔を殴りつけ、敵とナズナの距離を引き離す。

「ナズナ!!大丈夫か!怪我はないか!?」

「ええ、おかげで助かったわ。ありがとう禊。」


不気味な笑い声をあげながら、ゆっくりと地面から起き上がる。

儀式魔道者(グリモリチュアル)の周囲から空間が侵食されていく、空が赤く染まり地上が黒く濁る。

「これは、マディアと同じ空間!?」ナズナは驚きを隠せなかった。


「ここはマディアでは無いですよ…この空間はマディアを似せた空間言わば擬似魔導書異空間を作り出しただけですよ。」

どうやらこいつが作り出した空間らしい…本当にこの空間がマディアと同じ空間なら魔導書(グリモワール)の力も使えるはず。


「ご名答…こちらの現実世界(エクト)では魔導書(グリモワール)の効力も無いみたいですからね…。」

エクト? 禊のいる世界はエクトと呼ばれているらしい。


「だから、こんな風に…ね!!!」

そう言うと儀式魔道者(グリモリチュアル)の右手から一線の炎の矢が放たれる。

咄嗟に放たれた矢に反応し、間一髪のところでナズナは相手の攻撃を避ける。

先程放たれ地面に打たれた炎の矢を見て禊は感じ取った。これは、幻なんかじゃない、今のは本物の炎の矢だった。今もまだ残り燃えている。


「今の攻撃を避けるとはやりますね…」すると思い出したように突然自己紹介をし始めた。

「そうだ、申し遅れました私、(あかがね)様の儀式魔道者(グリモリチュアル)ゲノムと申します。

私は戦うことが好きでしてね…スイッチが入ってしまうと目先のことに夢中になってしまいつい忘れてしまうのですよ…あぁ…(あかがね)様…申し訳ございません……あなたの儀式魔道者(グリモリチュアル)なのに…ゲノムはダメな子です…」

ゲノムは少し悲しげな表情をし反省し始めた。

変なやつだ…それに(あかがね)とか言う奴は誰だ?

そいつは何処にいる?


儀式魔道者(グリモリチュアル)は言わば召喚魔術の一種で、こいつ自体は本体の魔導書因子(グリモワールファクター)の召喚した分身に過ぎないわ」

魔導書因子(グリモワールファクター)とは魔導書の力を持つ魔導書所持者のことだ。

ということは、こいつは本体の魔導書因子(グリモワールファクター)の傀儡みたいなものか。相手にしてるだけ無駄なわけだ。

しかし、その肝心な因子(ファクター)の姿が見当たらない…どうやらこのゲノムとか言うやつを使って禊とナズナの力量や能力を見計らってから戦う気か、それとも弱らせてから奇襲をかける気か…どちらにせよ気が抜ける状況ではない。


「禊…この相手結構強いわよ…」ナズナから焦りの感じが伝わるようにわかった。

「俺に出来ることは…」

ナズナは禊に少し後ろに下がるように指示した。周囲の警戒と私のバックアップを任された。


「おまえの相手は私がする!!」

ナズナが右手を敵の前に構えると右手の甲から光り輝く魔導書陣が現れそれが右腕から伝うように光の線が全身に流れていく。

「ナズナ。まさかそれが魔導書(グリモワール)の力!?」

禊は光に包まれているナズナに向かって叫んだ。

「そう、これが私の持つの魔導書(グリモワール)力…ホノリウスの魔導書。」私も魔導書因子(グリモワールファクター)だ!!


すごい…かっこえぇ…思わず禊の口から溢れでてしまうほど今のナズナは頼りに感じていた。

それに気付いたナズナは禊の方へ振り返るとニコッと笑い、でしょ!と返事をしてきた。

先程まで張り詰めていた緊張感がナズナの笑顔と共に一瞬緩む。

禊はナズナを信頼し頼りにしていた、その証拠だった。


ナズナはゲノムの方へ向き直り大声で叫んだ

「私はホノリウスの魔導書の因子(ファクター)ナズナ!!ゲノム!!手加減なしで行くよ!!」

今から戦う覚悟ができた相手の名前を呼び相手に向かって走って行く。

ゲノムは炎の矢を数発作り出しこちらに向かってくるナズナに向けて放つ。

ナズナは走りながら目の前のベンチを踏み台にし空に跳躍する。

その間にナズナのいた場所へ先程放たれた矢が通り過ぎ虚空を割いてていく。

ナズナはその間に光り輝くナイフを右手から作り出しゲノムに投げつける。

ゲノムは身体をひねり意図も容易くナイフが避けられる。

そのうちの1本が他のナイフを弾き軌道を変えゲノムの死角から襲いかかる。

しかしそれも見えていた…ゲノムではなくゲノムの因子(ファクター)には。

ゲノムは振り返ると戻ってくるギリギリまで後退し引き付けナイフをたたき落とす。しかしそれは囮に過ぎなかった。

ナズナがその上空にいたのだ。

先程助走してベンチを踏み台にして跳躍したのはゲノムの攻撃を避けるためだけでなくゲノムとの距離を縮めるためだった。

さらに近寄るナズナを気付かせないために背後のナイフを誘導にナズナの方へ後退させた。

ナズナが上空からゲノムに飛び蹴りを入れる。

かなり力強く飛んだ重い蹴りが入ったのかゲノムは数メートル地面を転がる。

ゲノムが顔を上げるとそこには自信満々な表現をしたナズナが立っていた。


「そこから離れろ!!ナズナ!!」


最初に異変に気づいたのは禊だった。ゲノムの口元の緩みと余裕に違和感を感じたのだ。

ナズナが気づいた時には足元に炎の矢でひかれた魔術陣が張り巡らされていた。


遅い!!ゲノムが確信した瞬間だった。

ナズナが急いでその場から離れようとした途端地面から炎の柱が吹き出した。

火柱に飲み込まれたナズナを目にして禊は過去のことを思い出していた…母さんのあの最後を

「ナズナァァ!!」禊が声を荒らげて叫ぶ

ナズナのいた場所に向かって走りながら向かって行くがゲノムが立ちはだかり禊に肘打ちを入れる。

禊はその場に倒れ込み、倒れ込んだ追い打ちをかけるように蹴りを入れられ地面に転がる。

火柱の火が徐々に消えていく、そこには倒れ込んだナズナの姿があった。


ナズナ!!ナズナ!!禊はなんども名前を呼ぶ。

ナズナは自分の名前を呼ぶ声に反応し禊に声をかける。

「逃げて…禊…」弱々しい声でそう告げた。体を引きづりながら


まただ…また、目の前で…大切なものを守ることが出来ないのか…

禊の中で過去のトラウマがフラッシュバックする。

「違う!!俺はナズナと約束したんだ!!必ず元いた世界にナズナと魔導書を帰すと…ナズナに協力すると…まだこんな所で諦める訳には行かない。」

自分の火傷の後がある右手を強く握りしめる。

俺にも大切なものを守れる力を!!!そう願った。

禊の右手の甲が光り出す。


ゲノムは弱っているナズナの前に来ると炎の矢を作り出しトドメを刺そうとしていた。

これで終わりですね…ホノリウスの魔導書を持つ因子(ファクター)よ…(あかがね)様はさぞお喜び頂けるだろう…

ナズナはもうここまでか…と覚悟を決めていた。

勝利の優越感に浸っているゲノムを突如襲ったのはバスケットボールサイズほどの水の塊だった。


ゲノムがナズナの目の前から吹き飛ばされる。

ナズナは水の塊が飛んできた方に目線を向ける。

そこには川の水面上に立っている禊の姿があった。

「禊!!!」

禊は右手の甲にナズナと似たようなものがあることに気づく。

この力…どこかで…懐かしい感じがした。そうか…母さんの…


「まさか、あなたまで魔導書因子(グリモワールファクター)だったとは…誤算でしたよ。」

ゲノムは既で防壁魔術を発動し水の勢いを弱めていた。

しかし、これほどの威力だとは…


「ナズナ!!無事か!!」禊がナズナの元に駆け寄ってくる。

ナズナは禊に支えられながら「遅いよ…禊」と少し嬉しそうに返事をした。

「ナズナ少し休んでいてくれ、あとは俺が引き継ぐ」

ナズナはバックアップだ。禊はナズナに優しい表情を向ける

さっき私が言ったこと…言われちゃった。


禊は水の球体を作り出しゲノムに向けて右手の平を水の球体にぶつけ押し出した。

禊から放たれた水の球体はゲノムの方へまっすぐ飛んでいく。

ゲノムは炎の矢を作り出し放つが全て吸い込まれてしまう

ゲノムは先程の攻撃を防いだように防壁魔術を作り出し水の球体を防いだ。

水の球体は防壁魔術にぶつかり弾けてしまう。それが狙いだった。

ゲノムが反撃しようとした刹那弾けた水の球体から出てきた無数の光のナイフがゲノムに襲いかかる。

これが狙いだったのか…水の性質に混ぜ込んだ先程の光のナイフ…光の加減で中のナイフの存在を見えなくしていたのか。

宙に舞う無数の光のナイフがざくざくとゲノムの肉体に突き刺さる。

見るからに致命傷を受けていた。


私は儀式魔道者(グリモリチュアル)…この程度では…

「引け…ゲノム。」ゲノムの脳内に響き渡る

(あかがね)様… 魔導書因子(グリモワールファクター)2人相手は流石にお前だけでは厳しいここは1度引いて作戦を考える。

分かりました。(あかがね)様。


ゲノムはその場で地面に魔導書を拡げ始め一瞬にして魔導書の中に吸い込まれ消えた。

転移魔導書か…

ゲノムが消えた途端、暗い空に戻り川のせせらぎと夜の虫の声が聞こえ始めた。

現実世界に戻ったのだ…戦いは終わった。

禊の右手の光がなくなっていく。

ナズナ!!しっかりしろ!!

「ちょっと疲れちゃった…」そう言い残してナズナは寝息を立てて眠りについた。

はぁ…無事だったか…禊は安堵の表情でナズナが生きていることに安心した。

今日は色々とあったからな…右手を見て考えていた。

そういや、ナズナをどうやって持って帰るんだ…

ナズナは気持ちよさそうに寝てる…これ、起こしたらまずいよな…

それにしても魔導書因子(グリモワールファクター)…それに(あかがね)と言うやつは一体何者なんだ。


橋の上からその2人の様子を見ていた影があった。

その影は2人に背を向け歩き始めた。計画が狂った…。そう言い残し夜の闇に消えていった。

ナズナと禊の魔導書因子(グリモワールファクター)としての力がようやく解放され因子(ファクター)同士の魔導書を巡る戦いがこれから始まる。

今後の展開としては禊が因子(ファクター)として目覚めた成長過程と2人の魔導書を狙う因子(ファクター)とのやり取りが多めになります。

感想などの頂けると嬉しいです!

今回も読んでいただきありがとうございました!m(*_ _)m

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