猫娘ミケ 高級メイド服
[娘娘亭]
「ただいまー」
どさっとお土産のオーク肉半分を、店の恰幅のいいおばちゃんに渡す。
『おかえり、いい部位だね、ありがと。てかさ、部屋に掃除に入ったんだけど、あのとんでもなくいい香りはなんだい?噂の月下草かい?』
「さぁ?」
ヤバっ、ローズの香りだな。
疲れていたので、下手に誤魔化した。
今夜もお水屋さんの猫娘が部屋に来てる。部屋の割と大きめのお風呂に、魔法でお湯を入れてくれる健全なサービス業。
『フフ、今日のミケは一味違うっす』
高級メイド服を着た猫娘がくるくると自慢げに目の前でターンした。ふんすっと張る胸は、最適サイズ。揺れる尻尾も眼福。
『今夜も魂を癒やす一杯を。無詠唱の天才。料金据え置きの1.5小銀貨っす』
にゃんはどうしたと思ったが、こう見えて、ミケはオレより頭がいい。多分ツッコミ待ちなんだろう。
しかし、がっつくのは、童貞がやる事だ。ココは大人の余裕でスルーしてやる。
「そうだな。風呂に一杯いれてもらおうか」
『すっ』
ちゃぽん、ほかほか。
風呂にお湯が一瞬で満ちる
「それっ!詠唱してるから」
2回目は、我慢出来なかった。オレは何も学ばない。我慢出来ない子なんだ。
『にゃふふーあっ』
もしかしてそっちが素なのか?
気まずそうな顔から、悪戯考えてる時の顔に変わる。
『1にゃん、小銀貨1枚っす』
「舐めるな!」
オレは、ノータイムで
キラキラと輝く金貨1(小銀貨1000枚相当!)を、差し出した。
『ハヤトさんにドン引きなのにゃん』
口元をひくひくさせながら、金を受け取るミケ。
『にゃははーっ』
笑いすぎて出た涙を、くしくしと手で擦りながら、
『冒険者って儲からないけど、ハヤトさんは退屈しないから、パーティ入ってもいいよ?よろしくにゃん!』
そういえば、パーティとかあったな。
オレは、ぼっちじゃない。ローズがいるのだから。
仲間が増えた。
。。ちなみに、随分と後で知ったが、ミケは、結構稼いでいた。気にいった人から金を巻上げ、困ってる時にコッソリ返すのが趣味らしい。冒険者稼業は、不安定だからね。
「困ったら頼りにする。よろしく。」
さてと、退出する直前にやり返すか。
「メイド服、似合ってるよ!」キリッ!
『にゃふ!ふ、不意打ちにゃぁぁあ』
((泥棒猫が))
ローズメーターが、初めて反応したよ?好感度上がったのかなぁ