ローズ様
((あーアタシがにゃんつけようか?))
嵐のように、自分のペースで帰った猫娘に軽くショックを受けてるオレをローズが慰めてきた。
「いや、、いい」
にゃんは、猫娘だから許されるのだ。
((ちょっと、ローズ様に冷たくない?本気見せた方がいい?童貞くん))
「出来るなら、してくれ」
((その軽口、後悔させてあげる))
ローズ様は、ご機嫌斜めになった。
ざっぱーっ
湯槽につかると水が溢れる。
いやーいいね。日本人ならお風呂だよ。割と大きい風呂が部屋に付いてるとか、異世界見直しちゃったよ。
風呂上がりの牛乳を求めて1階の飯屋へ
ごくごくっ
喉をならして、冷えた牛乳を飲む。
「美味いなっ!これもしかして魔牛?」
あれ?ローズが返事してくれない。
ホルスターを見ると、銃が無かった。
拗ねたのかな?独り言になったよ。
ローズは念話なので、いても周りから見れば独り言なんだが。
転移が使えるんだよ、あの銃は。
きっとどこかにいるはず、部屋に帰ったか。
怒らせちゃったかなー?どうやれば機嫌を直してくれるのやら、はぁ
考え事をしながら、部屋の扉を開く
『レディの部屋に何の用かしら?』
「あ、ごごめん。部屋間違い」
バンバイアを彷彿させる赤い髪が、透き通るほど白い肌に映えた絶世の美少女が部屋にいた。
赤い艷やかなドレスが色っぽい。胸が絶壁なのは、むしろ神聖な感じで完成している。
この安宿に、貴族?いや王族なのか?圧倒的なオーラがある。
見惚れてしまい声が出せない。
『間違ってないわ、ここは貴方の部屋よ』
「は?」
『鈍いわね?ローズよ見直した?』
「はぁぁぁ?」
惚れました![人化]スキルを使ったのか。
『実力もあるのよ?闇魔法8だし』
「え?深紅だから、炎じゃないの?」
『アタシの紅は、血の紅。強くなりたいなら供物を捧げなさい。魔物はダメよ。人、それも勇者がいい』
なんて物騒な銃なんだ。ローズはローズだった。
「せっかくだから、闇魔法見せて」
『今日は残弾無いから、我慢なさい』
「ん?」
弾丸補充1発/1日って人化も1発分なのか
『さぁこっちにいらっしゃい』
ベッドに腰掛け、妖艶な笑みをたたえる美少女に誘われるままに
添い寝した。
天国はここにあった。
朝、目を醒ますと、優しく頭を撫でられていた。すげー落ち着く。今まで感じた事のない極上の充足感に包まれている。
『また、イイコにしてたら遊んであげる』
ボンッ
魔法的な煙を吐き、姿が消えると
いつもの見慣れた深紅の単発銃がそこにある。
月下草より荘厳なローズの残り香のついたシーツを惜しみつつ、オレは起床した。