うっかりミケ
『今夜も魂を癒やす一杯を。通い妻のミケっす。』
「ちょっと待て、ミケ。通い妻って何だ?」
そう言って扉を、ノックする事も無く、勝手に部屋に入ってきたのは、快活な猫娘だ。
駄目だ、ツッコミどころが多すぎる。
『同居せずに普段は別々に暮らしながら必要に応じて、住居に通うような生活をしている都合のいいオンナの事っすね』
「あれ?合ってるのか?」
『なんてミケは健気なんでしょう。』
「いや、オレとミケはお金で繋がったドライな仲だ。」
『そんなっ一緒にパーティを組んだ仲なのに!』
「そういえば、そうだった。」
よよよと、しなを作るが、コイツはそんなタマじゃない。パーティとか、人生ソロプレイが多くて忘れてた。
『明日なら、空いてるっすよ。』
「なら、一緒にいくか?」
百パーOKの流れなんだが、この猫娘は、油断ならない。
『ハァ、そんなにお願いされるなら、仕方ないっすね。』
良かった。上げて落とすパターンだったら、泣いてたよ。
ピコピコと動く猫耳を見る。
壁に飾ったお気に入りのインテリアに、気付いてミケが指をさす。
『綺麗な双剣っすね』
「あぁ、金貨10枚で、とある一族より賜った宝剣。2人で1対の特殊剣、その銘は、双龍!」
『剣使えたんすか?』
「いや、全然!」
『馬鹿なのにゃー』
「インテリアなのさ」
オレにはローズがいる。この愛銃の他に、浮気などしないのだ。
『明日は10時で、よろしくにゃん!』
「またなー」
ふぅ、明日は楽しみだな。
あれ?
何か忘れてるような。
「お風呂ーーーっ」
ミケは帰ってしまい。ハヤトは、トボトボと階段を降りる。
おばちゃんを見つけ
「お水屋さんをお願いしたいんですが」
『え?ミケが行かなかったかい?』
「話に夢中になって忘れてしまい」
『あー困ったねぇ』
「え?」
『他の子も呼べるけど、ミケは特別だからね』
「あ、ハイ」
コンコン
ドアをノックされた。
「どうぞ」
大人しい感じの少女が入ってきた。空のバケツを持っている。
『水屋です。水が銅貨2枚、温水なら4枚です。』
「お願いするよ。」
安い。料金1/5だ。
しかし、少女は迷わずバケツを手にした。
『ウォーター』
部屋にあったバケツに水が満ちる。
『ファイアー』
ジュボボ。
バケツに、指を突っ込み沸騰させてた。オレが発見したと思っていた追い焚き機能が、まさかの主流だった。
『ところで、この大きい木枠は何ですか?』
「普段は、そっちにお湯を満たして、入ってる」
『貴族様?』
ミケは凄い娘だった事が判明。
なら、水道管はいるよ。日本が恋しい。
この日は、濡れタオルで身体を清めて、就寝した




