ダメージ0の秘密
「何が起きたんだ?」
((知りたい?無知は幸せな事よ))
少し考えた。おそらくローズは何かトラブルを抱えている。知らない方がオレにとっては幸せなんだろう。知らせたくないのかもしれない。
無知は幸せだ。
だが、それは間違ってる。惚れた女、1人助けられないのは男じゃない。
「教えてくれ、覚悟は出来た」
((そう、、さっきのピッケル攻撃だけど、ハヤトは採掘されたのよ))
「は?採掘?」
聞き慣れない言葉を、言われて動揺する。その言葉は、無機物に使うものであって、人間に対し使う言葉ではなかったからだ。
((アタシの正体は、迷宮コアなの。分類上は魔物。勇者や人は、魔物や迷宮コアを破壊すれば経験値になる。迷宮コアは、その逆。まだ誰も殺してないから、レベル1の綺麗なお手手。そしてハヤトは壁))
「壁?」
真名:深紅の単発銃、種族:迷宮レベル1
真名:須藤ハヤト 、種族:深紅の単発銃
((詳しく言うと、ハヤトは、アタシの一部。迷宮の壁を、魔改造して動けるようにしたのが、その正体。ゲームの壁って壊せないでしょう))
「オレの正体は、迷宮の壁……」
[迷宮の壁]ダメージ0、不老不死、完全耐性、再生、鑑定遮断
[転生ギフト]★変体
[異世界人]自己鑑定、言語1、異世界知識2、算術3
[付与]射撃1
悪魔セレスが与えた転生ギフトは、人化に近い[変体]というスキル1つのみ
「もしかして、ローズが死ぬとオレも死ぬ?」
((そうね、有名でしょ))
まさにテンプレ!忘れてた理由が分からん。
しかも、大量スキル獲得したつもりが、[変体]だけだと?悪魔セレスの黒い笑顔の理由はこれか!
「せっかくレアスキルの不老不死を手に入れたのに」
((えっ、不老不死スキルは、アンデット系なら最弱のスケルトンも持ってるわ。))
「完璧な効果じゃないのか」
え?ダメージ0のチートで、人間やめてると思ったら、人間じゃなかった件。
人間じゃなかった。。。
「あああ! もしかして、レベルを上げたければ、殺人が必須だったり?」
((そうね。逆にあのゴロツキ勇者がその事に気付けば、喜々として殺しにくるでしょうね。秘密をバラされたら、賞金首以下。冒険者の討伐対象よ。))
人殺しは、やだなぁ。アイツは死んでもいいクズだと思うけど、殺す理由までは無いよ。
レベル上げが出来ない状態の縛りプレイで
秘密がバレたら、人類全員敵ですよ。これ?
((1ついい事はレベルが上がれば弾数増えて、気軽に人化して慰めてあげれるかもね))
うぁぁめっちゃ心が揺らぐんですけど。
ヤられる前にヤレと!悪魔だな。
「とりあえず、帰ろっか」
オレは考えるのをやめた。




