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嫁さんの肩こり事情  作者: 仲村千夏
1/6

1・左肩のレベル:5の肩こり

「肩痛~い。揉んで」


 この一言で我が家は肩こりとの戦争に入る。

 いつも下を向いたり、物を持ったり、重いモノを運んだり、パソコン仕事だったりと肩こりの原因となる条件は豊富な環境下で働いている嫁さん。

 肩こりになるのは必然かなぁと最初は思っていた。

 職場環境だけが原因じゃないことはすぐにわかった。

 嫁さんは極度の運動嫌い。

 汗をかくことが嫌い。体操も嫌い。なんなら家から出たくはない派の人なのだ。

 柔軟、体操、運動で筋肉を動かすということは、筋肉を使うことによってコリをほぐしているということでもあると思っている。やりすぎると筋肉痛とか揉み返しが起こると思っている。

 だから、運動を勧めるのだが……。


「ヤダ。揉んで」


 この一点張りなのだ……。

 共働きではあるのだが、嫁さんの機嫌を損ねたくはないので今日も肩もみをすることに。

 

「今日はどっち?」

「どっちも~。強いて言えば左かな」

「左ね」


 座って華奢な背中をこっちに向ける嫁さん。

 左肩の筋肉のコリを確認のため親指で少し強めに押してみた。


「痛ッ!」

「だろうね」


 肩こりの強度レベル:5(全10段階)、深層筋群のコリもありいつものよりは辛い肩こりになっている。

 中には頭が痛くなる人も居たりする。

 自分はそうそうないが、肩こりは大変だ。


「んじゃ、いつもみたいに左を上にして横になってね」


 そう言って横になる嫁さん。俺は背中側に回って腕を支える様に腕を入れて両手を肩に回す。

 この方法は受ける側も楽に、する方も楽にできるから結構重宝する。

 あとは、腕の力を抜いてもらって肩の筋肉の走行に沿って揉みほぐしていく。


「痛ったいんだけど~」

「多少は我慢しろ~」


 そんな会話しながら揉みほぐしていく。

 表層の筋群が姿勢だけで十分に柔らかくなるから一気に深層の筋群をほぐしていけるのも利点だ。

 一分から二分くらいしたらもう十分。

 今度はそのまま、肩甲骨を動かす。

 左手で腕を持って、右手は肩甲骨にあてて動かしていく。


「んん~~っ!」


 これも相当痛いらしい。

 可動範囲も確かめつつ可能な限り動かしていく。

 これを一分くらいしたら肩は軽くなっている。


「はい。おしまい」

「ん。ありがと。はぁ~。肩楽になった~」

「そりゃよかった。んじゃ、皿でも洗って……」

「何言ってんの~。反対もでしょ」

「……はい」


 今日も両肩のコリをほぐした。

 どうにかこうにかして、運動してもらおう。

 そう考えながら、皿洗いを終えた。


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