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ふたつの世界の神々の強引さに驚いた

「お前は死んだのだ もう一度 生を楽しみたくはないか?」

目の前で顎髯が立派男が性急な物言いで迫ってくる

この男は何者なのだろう

自分は自ら死を選んだのに

もう一度人生を歩めなんて…



髯面の男は焦っていた

好きな女に

「貴方の世界で車の運転が出来る人間を用意してほしいの」

と頼まれたのだ

彼の世界の人間を用意するとは

詰まるところ異世界に人間を移動させる事なのだ

生きてる人間を移動させる手段もあるのだが

それだと以前無理矢理に移動させた3姉妹と出会えない確率が高く

しかも運転させる事を強請する事になるのだ

あくまで自主的に協力させないと

神々の取り締まり機構が五月蝿いのである

3姉妹の時は「知らなかった」でごり押ししたのだが

今度はそういうわけにも行かないのだ


…つまり好きな女に良い顔をしたいだけである…



「もう人生を楽しむなんて…気持ち無いんです」

俺は話を打ちきる為に言いはなった

髯面の男はなにやら手帳のような物を取りだしパラパラとめくった

「椎名崎良太 享年25歳 友人である姉ヶ崎優子に告白して振られた事を苦に

手首を切り自殺か」

「ちょっ!!」

「振られてねえし 告白する前に、恋愛の相談されただけだし

手首を切ったのも事故だったし」

まるで中坊の言い訳である

現代(いま)の世界で駄目なら異世界(あっち)で作ればいいじゃなーい」

…おまいはマリー・○ントワネットか

「…」

無言&ジト眼で抗議すると

髯面が

「神として椎名崎良太に命ずる 異世界にてバスの運転手を生業とし

恋人を作り人生を謳歌するのだ」

無駄に荘厳な音楽鳴り響き

俺の意識は暗闇に落ちて言った



目覚めると辺り一面真っ白な世界に居た

いや…

俺の穂かに3人の人影が見えたので

真っ白では語弊があるかも

男が二人 女が一人の構成である

その内の一組のカップルが手が離れないように

ロープで括ってるのだ

まるで心中のようだな…

俺が そんな事を思ってると

先程聴いた曲ではないが

やはり荘厳な音楽が鳴り響き

それは 姿を現した

息を飲むような美人とは こういう姿を言うんだ

そう顔に書いてあるような絶世の美女

一度眼にしたら他の女には惚れられぬだろう

そんな美女が

「あなた方が結婚式場のお手伝いをして下さる方々ですね」

美女(ほんにん)的にも意識してるのだろう

目を綴じたまま問い掛けてくる

「いえ…あの…」

4人が口ごもる

どうやら他の三人も無理矢理 ここに送り付けられたようである

美女は何かを察したのか

「あなた方が結婚式場のお手伝いをして下さる方々ですね」

…強引に話を進める腹のようだ…


画して俺達は異世界で結婚式場を手伝う事になった

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