表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

我が家の地下は異世界への入口だった

作者:

思いつくままに書き綴ったわけ分からない小話。

異世界というものは本当にあるのです!


ちょっと、なんで残念そうな顔をしているのよ!

嘘じゃないわよ!

本当のことよ!

まあ、いきなりこんなことを言って『え?本当?行ってみたい!』って即座に納得されたら私のほうが驚くけどね。


私がこのことを知ったのは昨夜の夕飯の時

「そういえば、香音(カイン)達の勘当が解かれたとさっき連絡が入った」

「じゃあ両家共に認められたのね」

「ああ、これで俺たちも遠慮なくあっちに遊びに行ける」

「私も久しぶりにお義父様やお義母様たちにお会いしたいわ。彼らがこっちに来てからあまり行けなかったから…」

嬉しそうに会話が弾んでいる両親だが、私にはさっぱりわからない内容だった。

「香音って隣の家のおじ様よね」

とぼそっとつぶやくと両親は私の存在にやっと気づいたといった表情を浮かべた。

夕飯が始まる前からずっと一緒にいたのに…

まあ、この万年新婚バカップルの両親は時々私の存在を無視する(忘れ去る)から慣れたといえば慣れているからいいけどね。

「あら、李琉(りる)には言ってなかったかしら」

「いや、教えてあるはずだが……」

「だから、何のこと?」

「私たちの故郷『ラフィール国』のことよ」

「らふぃーる?」

首をかしげる私に顔を見合わせた両親は大きく頷くと嬉々として時々脱線しながらも『ラフィール国』のことを話してくれた。


最初聞いた時はおとぎ話を語っているのか?と疑った。

両親はこの地球とは別次元にある国の出身で、我が家は代々その『ラフィール国』と日本を結ぶ門番的な家系であり、父は『ラフィール国』では国王の次に位の高い国内唯一の侯爵家の末息子だとか…

お祖母様が先代国王の妹姫で、父と国王が従兄同士で親友だとか…

おとぎ話かと疑っても誰も怒らないわよね…きっと…

しかし、普段立ち入りを禁止されている地下に連れて行かれ、大きな扉を開けた瞬間、両親の話が嘘ではないことが証明された。

百聞は一見にしかずとはよく言ったものだ。

両親の言葉をそのまま信じることは出来なかったが実際自分の目で見てしまっては信じるしかないではないか。

あ、夢だと思って現実逃避する道もあるか…

地下の大扉の向こう側には中世ヨーロッパの街並みが眼下に広がっている。

我が家の地下が見知らぬ王城のとある部分(王族の居住区)に繋がっていたのだ。

生まれてから16年…

ずっと日本人だと信じて疑っていなかったが、私は『日本生まれのラフィール人』であることを知らされたのだった。


そして、お隣の香音おじ様と瀬羅(セラ)おば様は両実家の反対を押し切って幼馴染である父を頼って日本に駆け落ちしてきたカップルだった。

つまり、お二人の子である私より5歳年上の幼馴染であり兄的存在の璃音(りおん)もラフィール人ということだ。

両親から地下の扉のことを聞かされた翌日。

御両親と一緒に我が家に来た璃音兄さんにこのことを聴いたら兄さんは昔から知っていたらしい。

知らなかったのは私だけだとか…

両親が言うには私が幼い頃(4~5歳の頃)に一度『ラフィール国』に連れて行って話したから知っているものだと思っていたらしい。

幼稚園児に話して理解などできるか!

せめて小学校高学年か中学入学の時に教えてほしかったよ。



さて、今日は駆け落ちした香音おじ様と瀬羅おば様の両実家が二人の勘当を解くから一度『ラフィール国』に帰ってきてほしいという両家の願いを叶える為に大扉の前に集まっている。

こちらから扉をくぐるにはいろいろと面倒な手続きがあるらしい。

私は両親に言われて扉の開閉手続きの手伝いをすることになった。

手続きの仕方を私に伝授するためだそうだ。

こちら側からはうちの一族以外はこの扉の開閉が出来ないように設計されているらしい…

向こう(ラフィール)側からは誰でも自由にこちらに来ることができるが扉の設置場所が特殊なところなのでそうそうこちら側に来る人はいないから門番がいないという。

いったい、どんなシステムになっているんだ?

こっちの負担が大きいじゃないか!

両側から自由に行き来できるようにするか、両側とも同じ手続きをとる方法にすればいいのに…

本当なら今日は友達と映画とショッピングに行く予定だったのになぁ。

バーゲン今日までだったのに…

友達には『海外に暮らしているおじいちゃんたちが日本に遊びに来ちゃったからゴメン』と平謝りしておいた。


両親の指導のもと、無事に扉を開くことができた。

扉の先には見知らぬ男女数人が立っていた。

香音おじ様と瀬羅おば様が一瞬戸惑ったような表情を浮かべるところを見ると彼らの親族だろう。

私の両親が間に立って、簡単なあいさつの後、場所を近くの部屋に移動して談話する事になった。

私はいてもしょうがないので自室に戻ろうとしたら、璃音兄さんに引き留められた。

私より10センチは背の高い璃音兄さんを見上げると不安そうな表情を浮かべている。

普段は何事にも平常心を崩さない兄さんの意外な姿に驚く。

まあ、初めて会う人たち…しかも異世界となると不安だよね。

だけど、兄さんにとっては血のつながった家族じゃないかと説得して談話が行われる部屋に押し込んだ。

私の両親も部屋の中にいて私を招いていたが見なかったことにして自室に戻った。



だけど、私は後に一緒に部屋に入らず談話に参加しなかったことを後悔する。

あの時、あの場にいれば、こんな苦労することはなかったのだろう…たぶん…


数日後、私の『婿候補』だと名乗る見知らぬ男達が数人押しかけてきたのだ。

私の存在(侯爵の孫娘)を知った王城勤めのメイドたちの噂話が原因だったらしい。

『自称・婿候補』達は父と璃音兄さんにすぐに追い返されるが、懲りずに連日押しかけてくるのだ。

こちらの都合や時間も考えずに来るため、我が家は連日寝不足に悩まされることになった。

夜中の2時に起こされた時は側にあった花瓶の水をぶっ掛けてやった。

「この服どれだけ高いと思っているんだ!」と逆切れされたので父が手に持っていた花瓶をぶん投げた。

もちろん、相手には当ててない。

顔スレスレに投げてあげた…さすがに私達の怒りを察したのか顔を真っ青にさせて帰っていった。

今まで一度も会ったことない相手に『好きです。婿に選んでください』って言われて頷く女がどこにいる!

お祖父ちゃん(侯爵家当主)に侯爵家が窓口になって進入を抑えてくれと懇願したら

「あやつらはワシ等の忠告を無視してそっちに行ってしまったんだ。われわれの力が及ばずにすまん」

と謝られてしまった。

私のことを知った人たちが連日侯爵家に押しかけ一目でいいから会わせて欲しいと言われたが、私には決まった相手がいるから無理だと突っぱねていたが納得しない『自称・婿候補(バカ連中)』が勝手にこちらに押しかけているという。

連日の押しかけ連中に精神を削られた私を見て璃音兄さんが一つの提案をしてきた。

最初は兄さんを巻き込みたくなくて悩んだけど璃音兄さんに何度も説得され、その案に乗ることにした。

両親にそのことを告げると満面の笑みを浮かべて喜んでいた。

両親も押しかけ連中にウンザリしていたのだ。



結果から言おう。

璃音兄さんの案は成功した。

私や両親が不機嫌な表情・声で押しかけ連中を追い返すが聞き入れない連中の姿をビデオに録画し、国王に見せたのだ。

その時、璃音兄さんを私の恋人…婚約者だと偽って報告した。

兄さんは笑いながら『李琉の為なら全然構わないよ』と言ってくれたのでその好意に甘えたのだ。

映像をみた国王は侯爵家と結託しすぐさま行動に移した。

我が家に押しかけた連中をとことん社交界でどん底に叩き落としたのだ。

さすが、貴族の頂点に立つ一族と王族…

彼らに睨まれた自称・婿候補連中はその後、こっそりと全員国外に逃亡したらしい。



さて、迷惑連中が消え去ったことで私の周りも元の生活に戻りつつあった。

今までと変わったことと言えば時々、ラフィールからおじ様たちが遊びに来るようになったくらいかな。



と思ったら大違い!



今度は璃音兄さん目当ての令嬢が押しかけてくるようになったのだ。

璃音兄さんのお父さん・香音さんもかなり高位の家の出身だったらしく、これまたメイドたちの噂話を聞いたご令嬢たちが騒ぎ出したのだ。

年頃の令嬢がいる家が『わが婿に!』と息巻いているらしい。

璃音兄さんは確かにイケメンだ。

黙っていればよく少女マンガとかでいう『王子様』なのだろう。

だが、それは璃音兄さんの表の顔(ネコを被った姿)

兄さんが敵だと認識したら冷酷な魔王と化す。

一度、あの冷めた瞳で睨まれたら二度と彼に逆らおうとは思わないというのが周囲の認識だ。



再び寝不足に陥った我が家は国王に頼んで一時的に門を閉じてもいいかと尋ねたら

「わしがお前たちに会えなくなるではないか!それだけは絶対に駄目だ!」

とふてくされ、政務をまったく行わず、仕事が滞ったと大臣たちに泣かれた。

『自称・婿候補』連中の件が解決した数日後から国王一家が週に一度は日本に遊びに来るようになった。

ただ、私と璃音兄さんとお茶を楽しむためだけに…

おかげで毎週土曜日の午後は国王一家のために常に予定を空けるようになってしまったのだ。



ある日、璃音兄さんが国王にいい加減令嬢たちがうるさいから何とかしてくれと苦情と今後の対策を述べていた。

私はその時、隣で聞いていたのだが黙っていた(反論はしなかった)

だって、その時の璃音兄さんは魔王の笑みを浮かべていたんだもん。

反論なんてできません。



そして1か月後

私はラフィール国において、璃音兄さんと婚約したことを正式に発表し、一連の(押しかけ)騒動に終止符が打たれたのだった。



「ねえ、璃音兄さん。これって令嬢たちを黙らせるお芝居だよね?」

「いいや」

「え?」

「これは正式な婚約だよ。日本に帰ったら友達にも伝えないとね」

と王子様スマイルだけど…魔王オーラを纏っている璃音兄さんに私はそれ以上何も言えず兄さんが張り巡らせていた罠の糸に絡め取られたと分かった時は時遅し。

友人達に羨ましがられながら教会で愛の誓いを誓っていました。




え?その後どうなったかって?

今は璃音兄さん…旦那様と二人で『ラフィール国』との門を守っています。

両親は私たちに後を託すとさっさと『ラフィール国』に帰って悠々自適に暮らしているそうです。





お読みいただきありがとうございます。


一体、私は何を書きたかったのですかね~σ(^_^;)アセアセ...

勢いだけで書いてしまいました。

いつか書き直すかもしれません。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ