偶然の出会い
初めての連載です。
誤字脱字、わかりにくい文章などたくさんあると思いますが、そこはなんとか大目に見てやってください。。
12月3日午後3時20分。僕、斎宮馨は制服であるブレザーにマフラーだけの装備で、たまたま学校の、花壇がある広い屋上にやってきた。そう、たまたまである。
夏は猛暑が厳しく、今年の冬は暖冬になるだろうと予想した。だが、予想は外れそうだ。暑がりだから体は暖かいが、体感する冬の風は正直言うと少し肌寒かった。
ポケットに手を突っ込みながら、仰ぐように空を見上げた。何か冷たいものが仕切りに降り注いでいる。それは、雪だった。
どうりで寒いわけだ。すでに5センチは積もっている。眼前には当たり前のように白い色しかなかった。そこに、一つの絵画のように花壇一面に花が咲き乱れていた。
だが今は冬だ。花なんて咲くはずがない。狂い咲きにしては数が多い。近くには、見慣れない女の子が、なにやら嬉しそうに花を見つめながら座り込んでいた。
彼女は手袋とマフラー、そしてPコートを羽織っていた。透き通るような白い肌は心なしかうっすらと赤かった。
結果見つめているように思われたのか、こちらに気がついた。僕はそれをきっかけに声をかけた。
「おい。なにやってるんだ、そんな所で」
「見てください、綺麗な花でしょ。この花、ダリアっていうんです」
穏やかで、儚げな印象を受けた。
「冬に咲く花なのか?」
「いえ。夏から秋にかけて咲く花です」
「そうか。不思議な事もあるんだな」
「そうですね」
そこで会話が途切れた。彼女はふらふらと立ち上がり歩き出したかと思うと、バランスを崩し倒れた。すぐに支えたので、大事にはならなかった。
やはり熱があるようだ。辛そうに息を荒げている。とにかく、僕は彼女を保健室に連れて行く事にした。