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ヌコーニさんが婚約を破棄されましたぁ!〜わがまま令嬢?とロリコン王子?の観察記録〜  作者: 柚亜紫翼
3章 しーあさんのにちじょう

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026 - かげのさいしょう -

026 - かげのさいしょう -



「アンブレラ王国第48代国王、レキシントン・アンブレラの名に於いて、王太子アポロ・アンブレラ、コヴァーン家長女ヌコーニ・コヴァーン、両名の婚約を認めるものとする!」


わー


ぱちぱち・・・


今僕は王城にある広大な謁見の間でアポロ殿下とヌコーニ様の婚約式の様子を眺めている。


2人は両家の話し合いの場で婚約を結んでいるものの、当時のアポロ殿下は11歳。


正式に婚約を結ぶ事ができる年齢・・・男14歳、女12歳の条件に達していなかった為、今改めて国家行事として婚約式が行われているのだ。


国家行事と言っても国を挙げてお祝いする結婚式とは違いただの式典だ、玉座には国王陛下、その隣に王妃様、第一王子であるアンジェちゃん・・・じゃなくてフェリック殿下。


陛下の後ろの席には大臣達が並びお部屋の両側には騎士達が整列している、他に呼ばれているのはおよそ50名、この国の上級貴族家当主と招待者だ。


何とその招待者の中に僕が入っていたのだ!、いい加減にしてほしい!。


僕は今年で18歳になった、残念ながらぺったんこな胸は大きく育たなかったようだ、でも手足はすらりと伸びて大人っぽい身体になっている。


陛下の前でアポロ殿下と並んで立っているヌコーニ様も18歳だ、僕と同じく胸は残念な結果に終わってしまった、アポロ殿下は身長が伸びてヌコーニ様を少しだけ追い越している。


昨日ヌコーニ様と話していたら「そういえば私、婚約式2回目だわ」などと反応に困るような事を言いながら笑っていた。


今朝王城に着いてすぐ王家の皆に挨拶だと言って国王夫妻とフェリック殿下、アポロ殿下に会いに行った。


何故か僕も同行せよとのお達しがあってヌコーニ様と一緒に仕方なく顔を出したのだけど・・・。


「久しぶりだな・・・元気そうで何よりだ」


「おひさしぶりですごきげんようでんか」


アンジェちゃんに対して感情が一切入っていない言葉を返すヌコーニ様、これはわざとだ、何故ならヌコーニ様はフェリック殿下がアンジェちゃんだと知っている。


実はここに居る人間の中で気付かれてないと思っているのはポンコツなアンジェちゃん一人だけだ。


アンジェちゃんは僕の家によく遊びに来るからヌコーニ様とも顔見知りで会えば挨拶をする仲だ、それなのに・・・。


「ぷっ・・・」


笑うのを我慢していたのに思わず吹き出してしまった!。


「どうしたの?」


僕の顔を覗き込むヌコーニ様の目が笑っている・・・お願いだからこれ以上笑わせないで!。


よく見ると陛下も無表情だけど肩が震えてるじゃないか!。









式典はまだ続いている。


2人が書類にサインをしてそれを教会の司祭が承認する決まりなのだけど不手際があったようで何やら話し込んでいる。


宰相・・・ゴンザレス様からしばらく待っているように言われ、司祭様をはじめとする教会関係者は隣のお部屋に行ってしまった。


出席者ほぼ全員が高価そうな服に身を包んだ上級貴族の中で下級貴族の小娘は僕だけだ、居心地がとても悪い!。


退屈だったので後ろのおじさん達の会話を盗み聞きする事にした。


「フェリック殿下は久しぶりに公式の場に出られましたなぁ」


「そうだな、辺境の土地で謹慎しているらしいが弟殿下の晴れ舞台だ、出て来られたのだろう」


「ご結婚はまだなのでしょうか」


「王家には婚約の申し込みが幾つか入っているようだが陛下が全て断っているらしい。」


「それに廃嫡はされておりませんがアレされている可能性が・・・それだと後継が残せませんな」


ここまでは大した事の無いアンジェちゃんに関する噂話だ。



「そういえばお聞きになりましたかな?、「影の宰相」の噂」


「おぉ、聞いておりますぞ、何でも陛下には宰相を陰で支える優秀な人物が居るのだとか?」


「判断を迷われた時に宰相に手紙を渡すと数日で返事が返って来る、そこには的確な指摘や提案が記されているのだとか!」


「うむ、その人物の噂は私も聞いている、手紙の相手は誰なのでしょうなぁ・・・この前の隣国との会談もその者の提案で乗り切れたのだとか」


「神懸かった采配と言われた・・・あの件ですな」


「これは噂ですが宰相や陛下をも裏から操っている王国の闇の支配者・・・」


「おい!、軽はずみな言葉は慎め、闇の支配者に狙われたらどうする!」


「ははっ、それは恐ろしいな」


だらだら・・・


ちょっと待って、影の宰相って何?・・・陛下が手紙を宰相に渡す?。


「それって僕?」


「ん、お嬢さん、何か言いましたかな?」


「い・・・いえ、失礼しました・・・」


思わず口に出てしまったじゃないか!・・・いや、たぶん人違いだ!、僕はただの文通相手、国の未来を左右する相談なんてされてない!。


きっと陛下が頼りにしている「影の宰相」なる人物がこの国のどこかに住んでいるのだろう。









「それにしてもいつまで待たせるのでしょうな」


「いつもならもう終わっている時間なのに・・・」


この場所には椅子が用意されていて皆座って待っているのだけどあまりにも長いのでお手洗いに立つ人やあくびをする人が目立ってきた。


僕は何故か最前列の席だ。


目の前にはアポロ殿下とヌコーニ様、その奥には陛下や大臣達がいる、彼等も待ちくたびれて文官に耳打ちしたり伸びをしたり・・・。



かちゃ・・・


玉座の隣の小さなドアが開いて誰かが入って来た。


司祭様がようやく出て来たのかな?、そう思っていると修道服姿の女の子がトコトコと走り寄ってきた。



手には布の掛けられたお盆を持ち、向かっているのはヌコーニ様達のところだ。


フードで見えにくいけどあの女の子の目は普通じゃない!、それに手の甲には見慣れた刻印・・・お盆の布が捲れてキラリと光るナイフが見えた。


僕は無意識のうちに立ち上がってヌコーニ様のところに駆け寄った。


「きぇぇぇ!、ヌコーニ死ねぇ!」


その声と同時に異常を察した周りの騎士が駆け寄るけれど遠くて間に合わない、一番近くに居るのは僕だ!。


僕は女の子の正面に出て・・・


「とぅっ!」


ドロップキックをお見舞いした!。


どっ!


「ぐはっ!」


ころころっ・・・


僕のパンツ丸見えのドロップキックを喰らって女の子が床を転がった、ちょっと高さが足りなくて命中したのはお腹の少し上だ、でもまだナイフは持っている。


「げほっ、げほっ」


咳き込みながらも立ち上がって今度は近くのアポロ殿下に狙いを定めた、僕は2人の間に入って殿下を庇う。


「邪魔よ!」


しゅっ、しゅっ・・・


振り回されるナイフに当たって左肩が斬れた、痛い!。


ぶぉん!


回し蹴りっ!


がっ!


「きゅぅ・・・」


どさっ・・・


またしてもパンツ丸見えな僕の回し蹴りを側頭部に喰らって今度こそ女の子が沈んだ・・・こんな事になるならドレスを着て来るんじゃなかったよ。


同時に数人の騎士達が倒れた女の子に覆い被さりナイフを奪い取った。


それから・・・招待客から「黒・・・」「黒だった」という声がしたのを僕は聞き逃さなかった!、確かに今日のパンツは黒だ!。



僕は床に押さえつけられている女の子・・・駄聖女に近寄り頭を踏みつける。


だんっ!


「あぐっ!」


駄聖女を拘束している騎士さんがドン引きしているけれどまだ僕の怒りは収まらない。


駄聖女の髪を掴み顔を近付ける・・・。


「舐めた真似してくれんじゃねぇかこのクソアマ!、手加減してなきゃその首折れてたぜ、感謝しやがれ!」


がん!、がんっ!


髪を掴んで頭を床に叩きつける。


がん!、がん!、がんっ!


「次やったら殺すからな!」


「きゅぅ・・・」


気絶したようだ、僕は駄聖女の頭から手を離した。


斬られた肩を伝って血が床に落ちそうだ!、こんな高価な絨毯を汚したらマズいから僕は咄嗟に傷を押さえ絨毯の外に歩く。


謁見の間の隅っこに移動する僕を追って誰かが駆け寄ってきた、アンジェちゃんだ。


「シーアちゃん!、大丈夫なの・・・」


ダメだ!、混乱して女性言葉で何か言ってる、他の人に聞かれたら大惨事だ!。


そう思った僕は抱きついてきたアンジェちゃんの首に斬られていない方の右腕を回して・・・。


きゅっ


「きゅぅ・・・」


がくっ・・・


締め落とした・・・


咄嗟にやてしまったけど大丈夫かな?、みんなの前で王族を絞め落としたなんて・・・僕、死刑にならないよね?。

読んでいただきありがとうございます。


面白いなって思ったら下のお星さまやいいねをポチリと押してもらえると作者が喜びます・・・。

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