学院文化祭で大事件! 勝者のキスを賭けた、ヒロイン達のバトルロワイヤル!?
王立魔導学院の年に一度の一大イベント、それが――“創魔祭”。
貴族も庶民も問わず、学院生たちが一斉に出し物をするこの祭では、ある“裏イベント”が密かに注目を集めていた。
その名も――
《恋人指名権争奪・ヒロイン同盟決戦杯》
内容は単純。冥(=俺)と正式に「恋人契約」を結ぶ権利を巡って、候補ヒロインたちがガチでバトルするという狂気のイベント。
しかもこのイベント、学園側も公認。貴族票や魔力指数、知能戦も含まれる、まさに「美少女スペックの総合戦争」。
ティナ、リシェル、フィーネ、そしてヤンデレ魔剣士ルミア。
それぞれが、自分こそ“最愛の座”にふさわしいと信じて、戦場に降り立つ。
⸻
第一試合:ティナ vs リシェル(種目:料理対決)
獣耳による感覚超強化で「絶対味覚」を持つティナの《肉球ラーメン・神鳴盛り》に対し、
ツンデレで家庭的なリシェルは、《秘密のハートオムライス・とろふわver.》を投下!
冥(俺)が食べ比べた末、コメントはこうだった:
「……どちらも美味い。しかし、リシェルのには“恋の呪い”がかかっていた……くっ、味覚に直撃する甘さ!」
→勝者:リシェル
⸻
第二試合:フィーネ vs ルミア(種目:詠唱魔法対決)
無口系少女フィーネは、超短詠唱による召喚で《闇獣グラトニア》を展開。
対するヤンデレ剣士ルミアは、自身の血で魔方陣を描き、《血界封印》で強引に殴りに行く。
「ふふふ……邪魔するの、全部壊す」
「……冥、こっち見てて」
→勝者:引き分け(互いの攻撃が直撃して爆発、ステージごと消し飛ぶ)
⸻
最終試合:四人合同プレゼンバトル(種目:冥への告白)
最後は、それぞれが“本気の想い”を告げるラストステージ。
リシェル:「べ、別にあんたのこと好きとかじゃないけど……一緒にいると、なんか……安心、するのよ……」
ティナ:「冥くんは、あたしのご主人さま! ずっと一緒にいるって決めたんだもん!」
フィーネ:「……好き。だめ……? キス、また、して」
ルミア:「冥だけが、生きてる理由なの。だから……壊れても、殺しても、私のものにする」
──それを聞いた俺の答えは、ただ一つ。
「四柱を選ぶなど、愚行。だが――俺は、愚者であることを誇ろう」
《冥界ハーレム条約・第一条》を宣言。
四人全員と仮初めの婚約を交わし、地獄の多重ルートが確定した。
ルミアが笑いながら剣を抱きしめ、フィーネが静かに肩に寄りかかり、リシェルは顔を真っ赤にして隣に立ち、ティナは尻尾をパタパタさせながら腕を組んでくる。
「――まあ、いいか。これが俺の、中二病最強ハーレム道だ」
次回
第9話『外伝:地獄のヤンデレ回~ルミアと一夜の密室事件~』