王立学院の地下迷宮で出会った少女は、かつての“元・婚約者”!? 狂愛のヤンデレ魔剣士、現る!
魔導学院への臨時通学が始まって三日目。
俺はティナとフィーネに見送られ、学院へと向かった。リシェルは別任務で外出中。
今日の授業内容は、“魔力共鳴と召喚反応の実践演習”──つまり、またしても面倒ごとの匂いがする。
「……ん?」
校舎裏にある、古びた石扉の前で、誰かが待っていた。
銀髪のポニーテール、深紅の瞳。そして、手に携えた一本の漆黒の魔剣。
彼女の名は――ルミア・シュヴァルツ。
かつて、前世(※冥の中二病設定)で“契りを交わした”とされる、元・婚約者。
「やっと会えた……ずっと、ずっと、探してたの。冥……じゃない、“あのときの君”を」
ルミアの声は震えていた。だがその瞳は、常軌を逸した熱を帯びていた。
「キミを閉じ込めて、私だけのものにしたかった……でも、できなかったから……代わりにこの剣で、全部壊して一緒に死のうって思ってたのに……」
──怖い怖い怖い怖い。
「けど、今なら……キミの周りの“ゴミ”を片付ければ、戻ってきてくれるよね?」
ルミアが手を伸ばす。その指先は、異様な魔力に包まれていて、まるで黒炎のように揺れていた。
「ははっ、そうだ……まずはティナ? それとも、無口な召喚女? どっちから消そうか――」
「やめろ。それ以上喋るな」
俺の《奈落の書》が反応する。《絶対冥断》――対象の感情と記憶に強制干渉し、意識を沈めるスキル。
しかしその瞬間――
「ねぇ、冥。わたしとだけ、契約してくれたら、全部捨ててもいいよ?」
ルミアの身体から、赤黒い魔力の奔流が爆発した。
ヤンデレ属性に“魔剣士バフ”が乗って、こいつ完全に【闇堕ちヒロイン】化してる。
──でも、どこかで嬉しく感じてしまう俺は、やっぱり中二病だ。
「……ふふ、良いだろう。お前の愛、受け取ってやる。その代わり――俺の呪いも受けろ」
ルミアの頬が朱に染まる。快楽か狂気か判別不能な、極上の微笑み。
こうして、俺のハーレムに新たな一柱――
“病み可愛い狂愛魔剣士”が加わったのだった。
次回
第8話『学院文化祭で大事件! 勝者のキスを賭けた、ヒロイン達のバトルロワイヤル!?』