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無口系魔法少女・フィーネのキスから始まる召喚契約!?

あの日から、リシェルの態度は少しずつ柔らかくなってきた。


 ツンツンはまだ抜けないが、俺に話しかけてくる頻度が増えたし、「一緒にお昼食べない?」と、やや強引に誘ってきた日もある。

 ──ちなみに、ティナが嫉妬して尻尾を逆立ててたのは言うまでもない。


 


 そんなある日、王都の魔導学院から「特殊個体討伐の応援依頼」が神殿に届いた。


 


 「冥、君に出てほしいって。魔導学院の“管理召喚区”で、暴走魔獣が出たらしいの」


 


 リシェルが少し不安げな表情で言った。

 ──魔導学院。つまり、学生の中に優秀な魔術師がいるということ。


 


 「面白いな。俺の力がどこまで通用するか、試してみる価値はありそうだ」


 


 そして向かった管理召喚区で、俺は“彼女”と出会う。


 


 透明感のある銀髪。透き通った青い瞳。

 小柄な体には、召喚術式の刻まれた黒のローブ。そして――一言も話さない、無口な少女。


 


 彼女の名は――フィーネ。


 


 「こいつが、学院が秘匿していた“特級召喚士”だ」


 


 管理者はそう言った。曰く、彼女は特殊な“契約体質”で、言葉を使わずにキスで契約を交わすのだという。


 


 ──キスで、契約?


 


 「……ッ」


 


 フィーネが俺の手を引き、そっと近づいてきた。無言のまま、つま先で立ち上がり――その唇が、俺の唇に触れた。


 


 「……!」


 


 瞬間、脳内に直接、魔力の奔流が流れ込んでくる。《奈落の書》が反応し、ページがひとりでに開かれる。


 


 《ページ十三:契約のアストラル・リンク》――発動。


 


 俺とフィーネの魔力がリンクし、相互補助の能力を得る。

 つまり、戦闘中ずっとフィーネが俺の力をブーストし続けるというチート構成。


 


 「…………これで、きみと、ずっと、いっしょ」


 


 フィーネがぽつりと呟く。最初の言葉。それは、まるでプロポーズのようで――


 


 「ちょ、ちょっと待って!? なにその美少女!? キス!? いきなりキス!?」


 


 案の定、リシェルとティナが飛び込んできて修羅場状態に突入した。


 


 「冥くん!? ちょっとぉ!? あたしとは添い寝しかしてないのにぃー!!」


 「ひどい! わたしなんて、見られただけよ!?」


 


 ……なぜか、見られたことを武器にするリシェル。


 


 だが俺は、心の中で静かに決意していた。

 フィーネのキスはただの契約じゃない。

 彼女の瞳の奥には、“何か”隠されている。深い孤独、あるいは運命そのものが──。


 


 「よし。これで俺のハーレムは三柱みはしらとなった」


 


 その瞬間、俺の《奈落の書》がまた一ページ、勝手にめくれる。


 


 【新スキル獲得:『多重魔力リンク(リンク・ハーレム)』】


 ※現在リンク中の女性:3名

 ※最大リンク数:???


 


 ……まさかのハーレム対応スキル搭載って、どうなってんだこの書。


 


 だが──この調子なら、俺の“中二病最強ハーレム譚”、まだまだ続くッ!


次回


第7話『王立学院編スタート! ブラコンお姉さま系お嬢様、生徒会長と地下迷宮デート!?』

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