世界の終わりの始まり──古き神々との戦端
夜空に出現した《虚無の門》。
それは、空間の裂け目であり、かつてこの世界を造った“古き神々”が封印された場所。
冥は、セレスティア・ティナ・ルミア・フィーネを引き連れて門の前に立っていた。
その空からは、圧倒的な存在感と共に**《神性体:ル=ティオ・ナヴァス》**が姿を現す。
「人間が虚無の核を持った……愚かだな。お前たちが手にするべき力ではない」
その姿は、空を覆うほど巨大で、まるで星のような輝きを放っていた。
冥は、目を逸らさず言い返す。
「お前たちがこの世界を造ったとしても、今を生きてるのは、俺たちだ」
「……ならば、“今”を奪ってやろう」
神々の侵攻が始まる。
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仲間たちの覚醒
冥が一歩踏み出そうとした時、後ろから声が響いた。
「お前一人で抱え込むな!」
ルミアの魔眼が変化していた。以前よりも深く、穏やかに輝いている。
「私は……狂ってた。でも、冥様の隣にいるために、正気でいることを選ぶ」
フィーネも続く。
「私は冥を支えるために生まれた。なら、最後まで……そうでありたい」
ティナも剣を構えた。
「私は守る。冥の歩む道と、そこにいる全員を」
セレスティアは笑って言う。
「やっぱり、あなたは王になるべき男よ」
その言葉と共に、冥の周囲に光と闇、虚無と現実が同時に展開される。
冥の存在は、神にも魔にも分類できない新たな存在──**“最終存在”**として進化を遂げた。
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第一の神殺し
冥の剣がル=ティオ・ナヴァスの胸を貫いた。
神の叫びが天に響き、世界中の空にヒビが入る。
「神が死んだ……? まさか、下等な存在に……」
「俺は、もう“下等”でも“人間”でも“神”でもねぇ。“俺”だ」
その言葉を最後に、神性体は虚無へと消えていく。
──神は、殺せる。
それを証明した瞬間だった。
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世界の反応
神を倒したことで、各地のバランスが崩れ始める。
大地が浮き上がり、時の流れが不安定になる。
各国の王たちは混乱し、誰もが“次に狙われるのは自分”だと怯える。
だが──
「構わない。全員まとめてぶっ壊して、作り直す」
冥は宣言する。
この世界の再構築を、自分の手で成し遂げると。
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サブエピローグ:観測者たちの会話
別次元の観測室。
そこには“観測者”と呼ばれる存在たちが集まっていた。
「……ついに、あの世界にも“例外”が誕生したか」
「“自由意志に目覚めた虚無因子持ち”……最悪のシナリオだな」
「だが面白い。見届けよう──この“神殺し”が何を残すのか」
彼らの視線の先にあるのは、ただ一人の男──冥。
次回予告
第27話:滅びの方程式──神々の裁きと冥の選択




