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ハーレム第一号は高飛車令嬢!? 異世界ツンデレ攻略戦、開幕!

「……さっきの言葉、もう一度言ってみなさい?」


 目の前の銀髪美少女が、じっと俺を睨んでいる。彼女の名前は――


 


「わ、私の名はリシェル・グランディールよ! グランディール公爵家の次女にして、この聖王都ラウヴァインの魔法騎士学院主席生徒!」


 


 なんか長い。


 だがその口調と態度から察するに、完全に“ツン”だ。


 


 「ふっ……すまないな。俺は“常に真理を語る者”だからな。聞き返されても言葉は変わらん。つまり、君は運命によって俺と出会うべくして出会った存在だ、ということだ」


 


 神殿の空気が、ピクリと止まる。


 


 「──なっ、なにそれ……!!」


 


 顔を真っ赤にしたリシェルは、ぱしっと手を振り上げ……が、その手は俺の顔をかすめる直前で止まった。


 


 「……は、速い……!? この距離で完全に躱されるなんて……!」


 


 ――そう。俺はすでに、《奈落の書》から基本ステータス強化スキル《超反応・闇の呼吸》を使っていた。視界がスローになり、相手の動きが止まって見えるこの感覚……クセになるな。


 


 「す、すご……い、もしかして本当に“選ばれし者”なの?」


 「言っただろう。“黒翼の刻印者ブラッド・ノクターン”だと──」


 


 その名を呟いた瞬間、なぜかリシェルの顔がまた赤くなった。


 


 「ちょっ、なにその名前! ちょっと中二っぽいけど、逆にかっこいいじゃないの……!?」


 


 ──あれ?

 今、俺、評価上がってないか?


 


 「ま、まぁ……少しくらい、あなたの力を見てみてもいいけど……! あ、勘違いしないでよね! 別に興味があるとかじゃなくて! あなたが本当に“使える存在”なのかどうか見極めたいだけなんだから!」


 


 はい出た、典型的ツンデレ構文。


 俺の異世界攻略、ハーレム第一号はどうやらこのリシェルになりそうだ。


 


 ──だがその瞬間、神殿の外から悲鳴が響いた。


 


 「魔獣が! 魔獣が出たぞー!!」


 


 ざわめく神殿。慌てて走る神官たち。リシェルが眉をひそめる。


 


 「この近くに魔獣……!? ありえない……!」


 


 「ふっ、いい機会だな」

 俺はゆっくりと立ち上がる。外から感じるこの“気配”……確かに危険度は高そうだが、俺には問題ない。


 


 《奈落の書:ページ三――『闇を裂く者』、解放》


 


 背中に、黒く光る羽のような魔力が展開される。


 空間が震え、リシェルが驚愕する。


 


 「そ、それって……飛行魔法!? 一体どれだけの魔力を……!」


 


 「リシェル、お前はここで見ていろ」

 「なっ……!」


 


 「闇は俺の力。俺は、闇の申し子。──この世界の夜は、俺が支配する!」


 


 背中から闇の翼を広げ、俺は空へと飛び立った。


 次なる舞台は、異世界の空──最強中二病主人公、ただいま出陣!


✦次回予告


第3話『黒き翼の初陣――最強スキル、見せてやるよ』

(ついでに“偶然”スカートの中も見えちゃうかも!?)

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