王都の陰謀──冥を待つ、貴族たちと“選定の儀”
王都フィルノーゼ。
それは神々と歴史が息づく、巨大な魔法都市。
俺、冥──そして、**正妻候補全員(5人)**を連れた“異例の入都”は、瞬く間に噂となった。
「“迷宮都市の英雄”、女をはべらせて堂々登場か」
「それも全員美女。あの男……何者だ?」
「……魔王の器か、救世の星か……」
貴族たちの視線と評価が、好奇心と敵意と羨望と下心で交差しているのがわかる。
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王城での対面──謁見と“選定の儀”の布告
「迷宮都市の英雄よ、よくぞ来た」
そう語ったのは、王都を治める公王・リュカ=フィルノーゼ。
柔らかな微笑の裏に、明確な“牽制”が込められていた。
「名誉貴族としての地位授与に際し──お前の婚約者候補に“選定の儀”を課す」
「選定の儀……?」(冥)
「一週間後。王都最大の魔導競技会で、お前の連れた女性たちに“公の資質”を示してもらう」
「その評価次第で、王家の……“正式な後見人”を決める」
──つまりこれは、「ヒロイン全員によるバトル&社交試験」だ。
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各ヒロイン、王都での動き
•ティナ:真面目に魔法剣の訓練中。だが冥とデートできず拗ね気味。
「王都に来てから一回も手、つないでくれないじゃん!」
•リシェル:城下で情報収集。噂の拡散に敏感で、敵性貴族の動きを探っている。
「ねえ冥、なんか変な宗教団体が“救世主さま”って騒ぎ始めてるよ?」
•フィーネ:図書館で王都古代魔術を独学中。日に日に魔力の異常が強まっている。
「……誰かの記憶が、流れ込んでくる……冥の、過去……?」
•ルミア:貴族に取り入られそうになる冥を“笑顔で脅して”牽制。
「……女の影が増えたら、減らさなきゃね?」
•セラフィーナ:王家関係者と旧知の仲。だが裏で“冥の前世の記録”を調査している。
「冥。あなた、本当に自分の正体、全部思い出してないのね?」
そして夜──冥はまた**夢の中でエリス(前世の恋人)**に会う。
「……もうすぐ、会えるね。私たちの“最後の約束”を、思い出して──」
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エピローグ──選定の儀、開幕の鐘が鳴る
競技場に集められた貴族、王族、聖職者、魔導士たち。
そして──舞台中央に並ぶ、冥の5人のヒロインたち。
王子:「貴殿の伴侶候補。彼女たちに、“王都にふさわしき愛と力”を見せてもらおう」
冥:「……いいぜ。俺の女たちは、誰一人、見くびるなよ」
──今、正妻戦争は“国家規模”へと拡大する!
✦次回予告
第16話『選定の儀・前半戦──ティナVS貴族令嬢軍団、爆裂魔法剣で上等だ!』