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融合5

 何時間だったのか数分だったのかわからない。

 急に静かになって、僕は立ち上がった。

 ふらふらとナイトとアドバンドから離れ、床に寝そべり、頬をそっと付ける。鏡の床はひんやりとして音もしないけれど、確かにカドの匂いがする。

「冷たくて気持ちいい」

 鏡がさざ波を立て僕の身体を包んでいた。

 そのまま少し顔を上げ、ナイトとアドバンドを見る。二人とも確かにそこにいる。恐ろしく青白い顔をして、肩をせわしなく上下させている。消えないでくれて良かった。ナイトがこちらを向いて、悲しく笑った。

                     *

 僕は青いガラス玉の中で、繰りかえしあの日のことを思い出していた。

 あの男が、あんなことをしなければ、僕は今も何も知らない弱い神様のまま、それでも平和にカドと役割を努めていたはずだ。

 ナイトはどうだろう? あの男と会っていなかったとして、まだ鏡の地獄を守っていただろうか。

 もしも、なんてないのはわかっている。

 けど、たまに考えてしまうんだ。


「ねえ、アドバンド、もしあの男が蜘蛛を殺していたら、世界は平和だったんだろうか。平和が続く僕たちは、幸せだと言えるんだろうか」


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