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始まりの日
始まりの日 シロキさん
魂の群れが鏡の空間に次々に流れ込むのを眺めていた。
最後の魂が通り抜けると静かに扉が閉じる。同時にカドの香りが一瞬だけ漂った。ルキルくんはやっぱりすごい。人間の世界から地獄にある鏡の空間までの道を作るなんて。かわいい顔でなんでもないようにやってるんだろうな。他の神様では無理だ。
それに僕に頼まれたわけでもないのに僕の意図を完璧に読んでいる。もしかしたら僕がこれからすることも全部わかっているんじゃないだろか。
そろそろみんなナイトに会う頃だろう。ナイトの話を聞いて、これから起ることを理解して欲しい。僕のことは許さなくていいから。カドが全て思い出す今日が僕たちの奪還の始まりの日だ。
突然、鏡の空間の外で門を叩く音が鳴り響いた。
この音、蜘蛛を助けた男が落ちたあの日に聞いた音。
僕に憎しみが生まれた日に聞いた音。




