使いの誓い2
「え?」
「それがシロキさんの願いなら、俺はそうする」
そして再び目を開け、真っすぐ俺を見て言った。
「エンド、これは俺たちの――鏡の世界の過ちだから、若いお前が巻き込まれることはないよ。ただ、何も知らないふりをしていて」
「――どうしてそんなこと」
カドに若い、と言われるのは変な感じだが、確かにこの中で俺は一番若い。正確には、作成されたのが新しい。作成者のことは覚えてもいないし、恨みだって持っていない。
「俺には極楽を壊す理由も、作成者を殺す理由もない。ただお前は守るよ。ずっと一緒にいるって約束だろ。あれ? 寝てしまったか」
カドが俺の肩に頭を預けて寝息を立てていた。今日はいつも以上に急に寝るんだな。余程疲れていたんだろう。
ナイトが愛おしそうな視線を俺たちに向けている。
「聞いていなくても問題ないだろう。お前がどうするかなんて、こいつは知ってるさ。でも、せっかくこれからこいつの知らない話をしようと思っていたのにな。お前も少し休息するか? 月の神様はどうだ? 地獄から来て疲れているだろ」
「もう、いい加減ルキルって呼んで下さい。他人行儀なんだから。僕は休息しなくて丈夫です」
「すごいな、シロキは移動の度にへとへとだったぞ」
「僕はそういう種類の神様じゃないので大丈夫です。そうかですか――ヘトヘトのシロキさんか。それはそれで凄くきれいだろうなあ、見てみたいです」
「月の神……ルキルくんも変ってるな。確かににあいつは弱ってる時が一番きれいだけれど、夢中になるようなもんじゃないぞ」
「ナイトさんが変なんですよ。シロキさんに会ったら神様も悪魔も人間も夢中になってしまいます」
ルキルくんが無邪気に笑う。さっき作成者に向かって「馬鹿は死なないと治らない」と吐き捨てた冷たい神様の姿はなかった。
俺は待ちきれず先を促した。
「それで、カドが知らない話ってなんだ?」




