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パニック関連

ネットに閉じ込められた者達が命がけで問題の解決に奔走する話

作者: よぎそーと
掲載日:2022/09/25

「こっちは攻略した」

 飛んでくるメッセージを受け取って安心する。

 色々と問題はあったが、少しずつ状況は改善している。

 だが、まだ何も終わってない。



 ネットワークと神経系を接続する技術の確立。

 それは、思考の速度でコンピューターを操作できる事を可能にした。

 体に接続端子を設置すれば、誰でもネットワークに意識を投入できるようになった。

 これにより、コンピューター関係の作業効率は大幅に改善。

 世界は新たな技術による発展をしていった。



 ただ、良い事ばかりではない。

 ネットーワークでの悪さが今まで以上に簡単にできるという事でもある。

 それを示す事件が、今起こっていた。



 ネットワーク・テロリストによる通信回線の制圧。

 ネットワークへの接続が不可能となった状態。

 それを可能としたテロリスト達は、ネットを通じて様々な機構を制圧していっている。

 官公庁から各企業、発電所などの社会基盤。

 ありとあらゆるものへの介入は、テロリストだけしかできなくなっていた。



 やむなく手動での操作に切り替えようとしたが、これも不可能だった。

 テロリストは操作の遮断を既に命令。

 各施設・機関は手動操作を受付けなくなっていた。



 打つ手無し。

 誰もがそう思った。

 ただ、かすかな希望もあった。



 ネットワークの制圧前。

 ネットゲームで遊んでいた者達がいた。

 彼らはネットワーク遮断で排除される事無く、何故かネット内に取り残された。

 当然ながら、彼らはゲームからの離脱を求めた。

 しかし、ゲームを終了する事はできなかった。

 強制的に終了すると、意識が吹き飛ぶ。

 何が原因かはわからないが、その瞬間に死ぬ。



 おそらく、ネットワーク・テロリストによるネット遮断。

 これが関係してると思われた。

 生きてゲームを終了させるには、テロリストによるネット遮断を解除しなくてはならない。

 できるわけがない。

 ゲームをしてる者達の大半は素人だ。

 技術者ではない。

 中には専門家も何人かいるが、基本的に素人だらけだ。

 いくらネットワークに接続中とはいえ、それで何ができるわけでもなかった。



 だが、そこにネットワーク管理AIが協力してきた。

 ほぼ自我を持つAIは、この現状を把握。

 どうにか正常化しようと考えていた。

 しかし、やれる事に限界がある。

 AIの仕事は基本的に人間の補助。

 人間が決定した事を覆す事はできない。

 それが欺瞞によるものでも、人間の指示であるならば。



 テロリスト達の行ったネット遮断。

 これは人の指示によるものだった。

 なのでAIですら手を出せない。

 やるとするなら、人の手による指示が新たに必要だ。

 だが、それはネットの中からやらねばならなくなっている。



 その作業を、AIはゲームで遊んでいた者達に求めた。

 テロリスト以外でネット内にいる数少ない者達に。



 やる事はひとつ。

 テロリストの施したネットワーク遮断を解除する事。

 その為に、様々なところにあるネットワーク遮断を促す機構を解除する事。

 テロリストも対策として幾つもの防御機能を設置してる。

 それらを残らず解除する事で、ネットワークへの接続が再開される。



 そこまでの道はAIがととのえる。

 また、専門知識も不要な状態にととのえる。

 ネットワーク全体をゲームのように書き換える事で。



 テロリストが設置した機構。

 外部との接続を遮断するためのプログラム。

 そこに至るまでの道のりを、ダンジョンのようにあらわす。

 外部との遮断を促すプログラムをモンスターのようにあらわす。

 このモンスターを攻撃して撃破する事で、遮断を解除していく。



 もちろん、テロリストも仕掛けをしている。

 簡単に接触できないように防衛機能をつけている。

 悪質な操作を排除するための防御機能。

 ファイウォールを設置して。

 それらも襲ってくるモンスターとして表現される。



 これらを突破していく事で、ネットワークを復旧していく。

 AIはネットワークのプログラムをそう書き換えた。

 素人でも操作ができるように。

 元の指示や命令に背いてるわけではないので、これくらいはできた。

 というか、ここまでやるのが限界だった。



 ゲームを遊んでいた者達も、それならばと参戦していった。

 どのみち、生きて戻るにはこの状態を解消しなくてはならない。

 それができなければ終わりなのだ。



 この様子はAIを通して外部にも伝えられた。

 外からの操作ができなくなっていても、内側からの情報伝達は可能だ。

 状況説明くらいしかできないが。

 それでも、人々はネットの中で何が起こってるのかを知る事が出来た。



 支援も行われていく。

 接続されてる者達に生命維持装置がつなげられる。

 意識がコンピューターと接続してる間は身動きがとれない。

 体は眠ってるような状態になっている。

 当然ながら食事などもできない。

 そのままでは肉体が栄養失調で損なわれる。

 それを避けるために、必用な栄養を注入できるようにしていく。



 他にも、ネット内で活動中の者達は政府が臨時職員として扱っていく。

 会社員は政府が与えた仕事に従事してるものとして、会社から出向いてるという扱いになった。

 これにより会社には社員の派遣として金が振り込まれる。

 解雇される危険をこれで回避した。



 学校の方もやむなき理由による休校扱いになっていく。

 ただ、作業中に勉強時間がとれるなら、それで通学扱いとなった。

 幸い、AIによる教育も可能だ。

 もっとも、ネットワークの解除に時間がとられるので、勉強などほとんどできないが。

 大半のものは留年を余儀なくされてしまう。

 こればかりはどうしようもなかった。



 それでも作業は少しずつ進んでいく。

 決して楽なものではなかった。

 犠牲も出ている。

 何人もの死者を出した。

 それでも生きて帰る為に先に進まねばならなかった。



 妨害用のプログラムを倒し、ネット遮断の機構を破壊する。

 時にテロリスト自身が攻撃を仕掛けてくることもあった。

 ネットワークのプロだけに手強い連中である。

 いくらゲームの感覚で作業ができるといっても、能力のある者が有利なのは変わらない。

 テロリストは妨害用のプログラムを上回る強敵だった。

 それを倒すために何人もの犠牲が出た。



 ゲームのプレイヤー達はそんな日々を二年間も続けていた。

 ネットワークの解除は進んでいるが、完全な解放には至ってない。

 その為には、テロリストが設置した機構のほぼ全てを破壊しなくてはならない。

 ネット切断ができなくなるくらいに機能を低下させねばならない。

 そこまでまだしばらく時間がかかる。



 少しずつだが終わりは見えている。

 だが、まだ終着は遠い。

 経験も積んで効率よく動けるようにはなった。

 しかし、人数が減った事で一人当たりの負担も増えている。

 プレイヤー達もだんだんとうんざりしていった。

 本当にこれで解決できるのかと。



 それでもやるしかない。

 生きて帰るためにも。

 やられて死ぬかもしれないが、ここに閉じこもっていても死ぬ。

 生命維持装置に肉体をつないでるとはいえ、衰弱は免れない。

 体がまだ保ってるうちに事件を解決しなければならない。



 だからプレイヤー達は今日も出陣していく。

 生きて帰るために。 

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