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My New Family  作者: 梅春
15/16

第15話

 その夜、拓郎くんを家に呼び出した。

 拓郎くんとセックスしたかった。志野さんの前ではできない。母の仏壇の前ではできるが。

 拓郎くんは喜んでウチに遊びに来た。志野さんと一緒に作ったお弁当を手土産に。

 拓郎くんが母の仏壇に手を合わせた後、拓郎くんが持ってきた弁当を食べる。エビフライがからっと揚がっていてとても美味しかった。

「それ、りんちゃんもつまみ食いしたんだよ」

 毛足は長くないのに柔らかい被毛のりんちゃんが目に浮かぶ。

 りんちゃんに触れたいと思う。その思いを拓郎くんにぶつける。

 そっと後ろから抱きつくと、拓郎くんはすぐにその気になる。待ってましたとばかりに。

 私たちは母の仏壇がある部屋を後にし、私の自室へと移動した。

 拓郎くんが覆いかぶさってくる。

 私はその体をすこしだけ押し返す。

「俺たちって家族なの?」

 問いかけてみる。

「恋人でしょ?」

「志野さんは?」

「僕にとっては妻であり、友達であり、家族。勇輔さんにとっては、友達?」

「友達で、家族」

「そっか。じゃあ、みんな家族だね」

 みんな家族だね。その言葉にほっとする。脱力して、それを悟られないように、拓郎くんに抱き着いた。

「そうだね」

 拓郎くんがくすくすと笑い始める。その最中に小さくかわいらしく笑うのがクセらしい。

 同じようにくすくすと笑い返す。真似してるのか、自然に出ているのか、自分でもわからなくなる。

 拓郎くんの体は大きい。

 熱を持った厚い体にすっぽりと包まれながら、この温もりを手放したくないという思いが急にこみあげてくる。

 拓郎くんの若い動きに合わせる。

 必死になって彼の広く凹凸の激しい意外に筋肉質な胸を、若い頃に比べると少し薄くなった自分の胸に引き寄せた。


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