『Sotiluxphilia』
復讐者の腕の中で事切れた少女の姿が喪われ、「在るべき形」へと戻った。
「これは…何でしょう……」
「…スマートフォン、だ………」
まるで見覚えがあるかの様に復讐者が其の端末の正体を暴いた。
「…そうだ、女神が運命の女となる以前の頃、世界中で普及していたものだ。……今ではすっかり、古代の遺物扱いになっている様だが」
落ちた「スマートフォン」を拾い上げ、復讐者はまじまじと端末を見詰める。其の端末は画面に当たる部分、中央に大きな穴が開き、そして画面にはヒビが入っていた。
(此れが、少女の正体………)
『……………………ふん…』
復讐者が神妙な顔で端末を見詰める傍ら、剣の中のニイスは少女だった端末からリナテレシアで出会ったおかしな少女に感じたものと同じものを感じ取った。
「………ッア、■■■■ちゃん、■■、………ちゃ、………■■ちゃん、あっ、アッ」
アンクォアの様子がおかしい。最も、元からではあったが少女を殺してしまってから、彼女に異変が起きていた。
「わた、私の■■■■ちゃんが、■■■■ちゃんが」
酷い同様とどうしようも無い衝動が彼女を支配している。
「…なに、女神のようす、おかしくない?」
逸早く気付いたのはエムオルだ。アンクォアの異変が、やがて周囲にまで及び始める。
ーー何も無かった空気中から、熱と炎がアンクォアの元へ集まってゆく。
彼女の周りを覆う様に取り囲み、其れは火柱となってアンクォアを囲む。彼女が剣で炎を振り払うと、熱炎は剣に収束されてゆく。
一所に集まった其れ等は、剣を異なる姿に変化させ、剣から迸る炎はアンクォア自身を包み込み激しく燃やした。
燃え盛る炎の中で彼女の身体は次第に溶け始め、骨と神経、筋肉が露出する。
そうして溶けていった彼女の身体を取り囲む炎が包み、再編、アンクォアの身体は先程の姿とは全く異なった容姿へと変わってゆく。
ーー変貌。此の一連をそう呼ばずしてどう喩えるべきなのだろうか。
「アンクォアの姿が…別人に…」
復讐者達は女神アンクォアの変貌の過程を見ていた。変貌の末に彼女が得た姿は、先程の姿とは異なり男性の様に見える。
「あれが女神アンクォアなんですか……!?どう見ても、男性みたいに見えますけれど…」
レミエは杖をぎゅっと握り締めたまま、アンクォアの変貌に驚いている。
変貌したアンクォアの容姿は赤い髪と赤紫の瞳では無くなっていた。僅かに紫を帯びた鴉の濡れ羽色の様であり、短かった髪は長く伸びて緩りと纏めている。
男装の麗人の如くーーディーシャーの其れとは異なった様相だが、服装の影響もあり歌劇の男役の様にも見えた。
そして何よりもーーアンクォアが愛用している剣が大剣では無くなり、レイピアの様に細い剣へと変わった。
本当に歌劇の男役の如き男装の麗人へと変貌した。
「…………………………」
変貌したアンクォアが冷めた瞳で復讐者達を見据える。先程の狂いっ振りとは打って変わった彼女の様子がある意味恐ろしい。
「ほほう、随分と大きく変わったものだな■■■、………いやお前の本名は■■■■だったか」
復讐者が敢えて煽った。彼女の嘗ての名義と彼女の本名を出して其の反応を見たのだ。己の本当の名を挙げられて当の本人はどう動くのか、と。
「……………」
「黙ったまま戦うのか?お前は昔から騒がしいタイプだった筈だろう」
復讐者の煽りすら彼女には届いていない。
「ソティルクスフィーリア、私の炎」
「………ッ……!!」
変貌したアンクォアから熱炎が放たれる。其の衝撃と勢いによって復讐者達は壁に叩き付けられた。
「きゃああっ!!!」
「ぴぁっ…!」
レミエもエムオルも同様に叩き付けられ、其の場で崩れる。
『皆!!!!!』
「う…うう……熱い……!」
「あつい…あついよ……」
『高温の熱と炎か…ぐっ、う……!』
剣の中のニイスにも熱が伝わり、ニイスは僅かに苦しんだ。
(此の程度の苦しみ、「連中」から嘗て受けた苦しみに比べれば大した事なんか…!!)
ニイスは必死に耐え抜いた。
熱に晒された身の中で、ニイスは思い出す。昔、「彼女達」から受けて陥れられた時に、自らの腕に大きな傷を残した事を。
「彼奴…可怪しいぞ、また何か来そうだ」
復讐者は普段のアンクォアらしからぬ振る舞いに警戒を最大にまで強めた。
「ソティルクスフィーリア、私の炎、ロゼリの光。憐れな彼等を救わなければ…」
陽気で残酷だった彼女のこれ迄とは打って変わり恐ろしく芝居掛かった姿に、別の異常性を見出した彼は、レミエとエムオルを抱えて素早く動いた。
「…!復讐者さん!!駄目ですよ!酷く火傷しているのに……!!」
「さっきだって、むちゃしたでしょ〜」
「そんな事を気にしている暇は全く無い!!奴の熱炎の影響を少しでも減らさないと!!!」
彼女の放つ熱炎から受ける被害を最小限に抑える為に二人を抱えた復讐者は素早く壁の陰に隠れた。
「隠れても無駄さ。お前達は私に焼かれる」
アンクォアの放った炎が、復讐者達の隠れる壁を切り裂き、そしてドロリと溶かした。
(……危なかった………)
ギリギリ避ける事が出来た様だ。だが、復讐者の髪の毛の先がほんの少しだけ焦げ付いてしまった。
…女神の変貌はどうやらあの少女が消滅してしまった事が原因の様だ。
(……が、もう少女を「構成」していたスマートフォンは機能しない。もう直すだとかそういうのも儘ならん)
物陰に隠れながら復讐者はデザートイーグル銃に持ち替えた。銃が通ればまず奴は敵では無い。
「レミエさんとエムオルは退路の確保をしておいて下さい」
ーー一先ず、敵わない相手である事が分かれば撤退が必要。その際は改めてアンクォア討伐の策を考えなければならない。迅速な撤退が行える様、レミエとエムオルに退路の確保を頼む。
(ーーレイヨナの超身体異常を)
ぐっ、と足に力を入れた後、途轍も無い速さでアンクォアに接近した。
「!!!」
アンクォアは素早く剣を振るって復讐者を真っ二つに切り捨てようとする。だが其の寸前、復讐者が身を翻して躱し、アンクォアの剣を足場に強く蹴り飛ばす。
吹き飛ばされたアンクォアは壁に激突し瓦礫と共に崩れ落ちる。
ーーそれでもアンクォアは一切怯まない。復讐者からの一撃を受けてアンクォアの表情は更に険しくなった。
女神もまた復讐者の動きに匹敵した動きを見せ、復讐者へ迫る。復讐者とアンクォアの距離が極度に迫った時、復讐者は何の躊躇いも無く銃を撃った。
アンクォアの眉間に。
ーーパァアァン!!と大きな音が、叫びの代わりに廷内を駆け抜けて行った。
「ーー!!!!!!!!!」
勢いのあった彼女の身体は銃弾を受けた勢いで地に落ち、そしてゴロゴロと地を転がり続け、そして其の動きを止めた。
アンクォアの身体はぴくりとも動かない。ーー遂に女神アンクォアを殺した、銃が効いた。脳天を撃ち抜かれたのだから一溜りも無い筈。
…然し復讐者は思わず慢心してしまった。アンクォアの身体がゆっくりと起き上がってくる。ゆらりと幽鬼の如く立ち上がるや光を失った瞳が復讐者を捉える様に見据え、彼女は再び復讐者へ迫った。
「殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…殺さなければ…………………………」
アンクォアの口から同じ言葉が何度も繰り返されてゆく。最早彼女に言葉は通用しない。今の彼女は復讐者が少女を殺したと錯覚している。
そして彼女の剣を通して、其の力が強くなってゆくのを復讐者は感じていた。此の儘では銃が熱で輪切りにでもされてしまいかねない、と報復者の剣に切り替えてアンクォアの攻撃を受け止め続ける。
「…■■■………!!」
彼女の名義を呟いた。…其れすら彼女には通用しなくなっている。そうだとは分かってはいたが復讐者自身も此の儘ではいられない。
純粋な力量ではアンクォアには勝てない。
だから、復讐者は片手で鍔迫り合いを展開しながら、もう一方の手で銃を持ちアンクォアの身体を撃った。
ーーパァァン!!!!!!!!
もう一度、大きな音が廷内を木霊する。それでもアンクォアは倒れない。
流石、女神は伊達では無いらしい。
「ならば貴様が事切れるまでだ…っ」
復讐者は容赦無く三発、四発、五発とアンクォアを撃ってゆく。
「殺さなければ、殺さ、ころ、あ、あ、」
次第に壊れ掛けている玩具の様に挙動が覚束無いものへ変わってゆく。アンクォアの身体はガタガタと動き、其れでも復讐者を殺さんと鍔迫り合いを続ける。
「もう一度脳天を撃ち抜く必要がありそうか」
復讐者が銃口を一度目に撃ち抜いた箇所に向け、引鉄をゆっくりと引き、止めを刺そうとした。
ーー其の瞬間、
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃんCyr4さn■ィr8茶どコでインsophi亜さんマタ■■■■茶ン創ってよ燐ニれヱS3ドコデスカドコデスカ?????復しュuSyシャコロスコロスコロス56スkorロ3ko99999許サ無iiiiiiiiiディー紗rぱいセンはオ出掛け4ゴ都疲レre眠イうおーcfoサ♡でスゥ♡♡♡アアア■■■■ちャああん先sEの■■ちゃんヵゎィィあああア」
『くっ…耳障りな……』
剣の中のニイスの不快な感情が伝わってくる。耳を塞ぎたい程のものだったが、そんな事の為に手を動かす訳にはいかない。
「■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃん■■■■ちゃんダイスキ■■■■ちゃんキョウモカワイイネ■■■■ちゃんシーフォ■■さんの創■■りは■晴らしいです〜!!\(^o^)/シ■フォーンさ■の考察は■■で本当に■高です!!!ああぁ♡■■■猫ちゃん可愛い♡うお〜!!!!!あなたって身勝手な人なんですねうおおワシも飴ちゃんババアになるwwwイヒヒギャハきゃははwwwwwアハハヒヒヒっうぇwうぇww僕は詳しいんだwwwwwソティルクスフィーリア私の炎ロゼリの光」
「っはぁ…はあっ…殺し足りない…殺し足りない……皆の為なら頑張るゾイ!!もっと殺させてぇぇぇぇぇ♡ああぁぁぁ血の雨が降るぅぅぅ浴びたい快感が突き抜けて幸せ♡幸せ♡■■■■ちゃんが居たらもっと幸せですぞw復讐者死ネ、死ネ、其の剣モ折る、折る、折ル!!!!!!!!!!不快だ、不快だ!!!敵が来るぞー!!!迎え撃て!!徹底的に殺せぇぇ!!!!!奪えるものは全て奪え!!!!私に尽くしてシーフォーンさん達にも尽くせよ愚民殺すぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「絶対に許さない、復讐者、ニイス、殺す。身勝手、不愉快、何処までも馬鹿にしてやる。■■さん、私はアンタが思ってるより出来た人間じゃない。言われた事忘れてないからな、根に持ってるからな、恨んでるからな……レ、アレ、■■さんっテダレ?復讐者?ニイス?ドウデモイイヤ見んなお名ジダモの頃しチャッたラオシまい」
「ソティルクスフィーリア、ワた死のホの尾、炉ゼリのHIカり、アワレなヵれラを巣くいマショう」
壊れてしまった機械の様に変わり果ててしまった彼女は、二度と嘗ての様には戻らぬ事だろう。
其れは愚かしさでもあるし、憐れさでもあった。
『……彼女、混濁しているね。僕達にも向けているけど、過去の人物に対して向けているものもある。……嗚呼、何だ、こんなにも不快になる……』
ニイスは狂ったアンクォアの放つ言葉に嫌悪感を抱きつつも、だけど真っ直ぐな決意を向けて、復讐者へ語り掛ける。
『復讐者、僕の尖兵よ、女神を殺せ、手に掛けろ。奴等の命を、僕に喰らわせ』
ーー復讐者は剣を握った。
ーー応える様に、報復者の剣は形を変えてゆく。
其の剣は禍々しい黒で、何処か洗練された形へ変わっていった。
「此れは自分が選んだ道。彼の無念を晴らす為の徒花、報復、独り善がりかもしれない」
ーーだけど、最初から最期の時まで其のつもりでも、
「ガッア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ソティルクスフィーリアワTシのホノ御盧ぜリの晶■■■■ちゃん私が、カレ等を空くワnえばああーーーーーーーーーーーんこわいよーーーーーーーーーーーーーーーーーア゛ア゛ア゛ア゛助けてお母さああああああんア゛ァ゛…おトもダチのしーフぉんちやんが胃ナイのコロす黒ゐ復讐者女神ノ断sアイを受けRo213スうううううううう!!!!!!身勝手なニイス!!!!!!!!」
鮮血を双眸から流すアンクォアは、最早人間ですら無く女神と呼ぶには醜過ぎた。
"化物"と化した彼女が迫る。
「先ず彼奴と一緒に、あの人の為に報復を誓った」
「ーーでも今回からは少女の願いも私達の呪いになってゆくだろう」
其の礎の一つとして。
ーー全霊を込めて振った黒剣から放たれた、膨大な力を内包する蒼い焔がアンクォアの全てを焼き尽くした。




